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2012.12.05
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カテゴリ: 洋画

 イオンプロダクションによる007シリーズ第23弾。
 ダニエル・クレイグの007としては3作目に当たる。
 他に、007の上司Mとして、ジュディ・デンチが再登場。
 また、武器開発部のQ、そしてMの秘書マネーペニーといった、007シリーズではお馴染みてありながらも、クレイグにバトンタッチしてからは登場していなかったレギュラーキャラが出揃い、本作で漸く「リニューアル」が完了した。


粗筋

英国情報局員007ことジェームス・ボンドは、同じく情報局員のイヴと共に、トルコにいた。別の情報局員が殺され、ハードディスクが奪われたのである。ハードディスクには、テロ組織に潜入している全てのNATOの工作員の情報が収められていた。ボンドとイヴは実行犯である傭兵パトリスを追い、ディスクを奪い返そうとする。ボンドとパトリスが列車の上で格闘している最中、イヴはMI6の長官Mの命令で狙撃した。パトリスを狙って撃った筈の弾はボンドに当たってしまい、ボンドは川に落ちてしまう。ボンドはそのまま「行方不明。死亡したものと推定」とされた。
 Mは、作戦指揮の失敗の責任を取らされる可能性が高くなり、情報安全委員会の議長であるガレス・マロリーとの会見で辞職を勧められる。
 その会見の直後、MI6本部のサーバがハックされ、MI6本部は爆破される。爆破は、ハードディスクを盗んだ者と同一人物と断定された。
 MI6本部爆破のニュースは、実は死んでいなかったボンドも目にするところとなり、イギリスへ戻る事を決心させる。ボンドの肩に残っていた弾丸の破片から、パトリスの身元を特定。パトリスが次の「仕事(暗殺)」の為に現れると断定された上海へ向かう。
 ボンドはパトリスを見付け、後を付ける。丁度パトリスが「仕事」を終えた後だった。二人は格闘する羽目になる。ボンドは、パトリスの雇い主について聞き出せる前に死なせてしまった。パトリスの持ち物を改めると、マカオにあるカジノのチップが見付かった。ボンドはそのカジノに出向き、チップを見せると、「仕事」の「報酬」として400万ユーロを受け取る。
 死んだパトリスの代わりに「報酬」を受け取りに来たボンドに、セヴリンという女性が接触。彼女こそ、パトリスの雇い主と関わりを持つ人物だった。
 ボンドは、パトリスの雇い主が誰か教えろ、とセヴリンに迫る。
 セヴリンは、教えてやってもいいが、命は保証しない、と言う。
 ボンドは、それでもいいから教えろ、と迫り続けた。
 セヴリンは、ボンドを雇い主の下へと船で移動。そこで、二人は「雇い主」に囚われてしまう。
 船は、「雇い主」の島に到着。「雇い主」が二人の前に姿を現す。
 ラウル・シルヴァという人物だった。シルヴァは以前Mの元で働いていたが、中国に捕らわれて監禁され、拷問を受けた。自分を裏切って中国に売り渡したのはMだ、とMを恨んでいたのだ。
 ボンドは反撃し、シルヴァを捕らえる事に成功する。
 シルヴァはイギリスのMI6本部に拘禁されたが、Qがシルヴァのパソコンを調査している際に脱走した。Qはシルヴァのパソコンの内容を解読しようとしたのだが、パソコンにアクセスする代わりにシルヴァのパソコンのプログラムがMI6のコンピュータシステムに侵入し、シルヴァを解放してしまったのである。シルヴァはロンドンの地下鉄に逃げ込んだ後、公聴会に出席していたMを襲う。
 ボンドは、間一髪で現れ、Mを車で連れ去る。ボンドが子供の頃に住んでいたものの、今は空き家になっているスコットランドのスカイフォールの家に行った。ボンドは、シルヴァが追跡可能な跡を残していた。Mをおとりにして、シルヴァを誘き寄せるという、無謀な計画だった。
 シルヴァは、その思惑通り、ボンドとMがスカイフォールにいる事を掴み、襲撃する。
 ボンドとMは共に戦うが、戦闘の最中に離れ離れになってしまう。
 シルヴァはMを追い詰め、殺そうとする。
 その時点でボンドが現れ、シルヴァを倒す。
 しかし、Mは既に致命傷を負っていて、ボンドの腕の中で死亡する。
 MI6は新たなMを迎え、ボンドはそのMの下で007として活動する事となる。


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感想

 ダニエル・クレイグの007も、本作で3作目。
 1作目と2作目は、違和感を抱き続けながら観ていた。
「007」「ジェームズ・ボンド」が連呼されているものの、クレイグ演じるボンドがこれまでのボンドとは全く異なり、「アクション映画を作ったものの、メインのキャラの名前が思い浮かばなかったので、『ジェームズ・ボンド(名前自体は凡庸)』と名乗らせる事にしました」といった雰囲気だったのだ。
 最大の理由が、007シリーズではお馴染みとなっていたキャラのQやマネーペニーが全く登場せず、当然ながらそれらのキャラとの絡みがなかった事だろう。こういうキャラを交えての「お遊び」が全くなく、ただただ糞真面目な諜報員の活動を描いているだけだった。まるで本家イオンプロダクションではなく、別の会社が製作した代物では、と錯覚する程。
 本作で、漸くQが登場。また、冒頭で行動を共にしていた女性工作員こそ若きマネーペニーだった、という事実も最後に明らかにされる。
 クレイグ3作目のラストにしてお馴染みキャラが全員出揃い、「ブロスナンからのシリーズ・リニューアルが完了しました。無論、正真正銘イオンプロダクションによって製作されています」と分かるようになっている。
 ファンでない者からすれば、何でもないどころか、下らない様に思えるが、こうした「お遊び」が007の醍醐味の筈。もう少し早く出来なかったのか、と思わないでもない。が、やっと007らしくなったのは喜ばしい。

 本作の最大の特徴は、ボンドガールと呼べるボンドガールがいない事か。
 ナオミ・ハリス演じるイヴ・マネーペニーは、冒頭でそれなりの活躍を見せ、終始姿を見せるものの、ボンドとの絡みは然程多くなく、「ボンドガール」っぽくない。ラストでMの秘書に納まる、という点もこれまでのボンドガールの基準から外れている。
 では、ベレニス・マーロウ演じるセヴリンはどうか、と思うが、彼女は中盤で早々と退場(シルヴァによって射殺される)。「犠牲となるボンドガール」の基準は満たすが、結局ボンドと行動を殆ど共にしない。
 作品の大半でボンドと行動を共にするという意味では、今回のボンドガールはジュディ・デンチ演じる007の上司Mと言える。シリーズ史上最年長ボンドガール。
 毎回こういうのは困るが、偶には変則的なボンドガールも悪くない。

 クレイグによって演じられるボンドだが……。
 優秀なのか、ヘタレなのかが分かり辛い。
 いざという時は複数の敵を瞬殺する運動能力を持ち合わせているものの、本作ではセヴリンを目の前で殺される。銃を上手く撃てなかった為だが、その直後に複数の敵を瞬殺してしまうのだから、「それだったら何故その腕をセヴリンを助けるのに使わなかったの?」と首を捻らざるを得ない。前作の敵方がボンドについて「自分の周りにいる女をろくに守れない」と嘲笑っていたが、本作でもそれは変わっていない。
「殺しのライセンス」を持っていて、これまで躊躇なく人を殺していたボンドの筈なのに、シルヴァは何故か生け捕りにし、ロンドンへ送還。何故この場に及んで「人道的」になったのか。その場で殺していたら、ロンドン市内の惨劇は起こらなかっただろうし、Mも死なずに済んだだろうに。
 シルヴァは、自身のパソコンをQに解析させ、それによりMI6本部のコンピュータを逆にハッキングする、という技を使うが、そのきっかけを作ったのは、ボンドがシルヴァのパソコンのパスワードのヒントをQに教えたから。もしボンドが何の口出しもせず、Qがパスワード解読にもう少し手こずっていたら、シルヴァはMI6本部のコンピュータにハッキング出来ず、MI6本部から脱走する事もなかったかも。
 最後の対決で、ボンドは上司のMを見す見すと死なせている。シルヴァがスカイフォールの襲撃を開始した時点で援軍を呼ぶ等していたら、ボンド単独でシルヴァやその手下と戦闘する事態には陥らなかっただろう。
 自身が敢行した作戦で上司を死なせるという大失態を犯したのに、ボンドは新しいMの元でトップエージェントとして働き続ける事になる。MI6は、どういった基準で工作員を評価しているのか。

 本作で、ブロスナン時代からMを演じていたジュディ・デンチが降板。
 初出演作(ゴールデンアイ)で、「新時代の諜報局の顔」としてMI6長官に就任し(ほぼ同じ時期に、実際の英国情報局MI5にステラ・リミントンが初の女性長官として就任)、ブロスナン演じるボンドを「冷戦時代の遺物」と酷評していたMだが、本作では本人が「MI6という20世紀からのお荷物機関に居座る遺物」として糾弾されるのは、皮肉といえば皮肉。
 時代は変わる、という事か。
 Mは、敵が国家ではなくなってしまった今の時代だからこそMI6が必要なのだ、と自身の命を投げ打って政府に証明した、という事になっているが……。そもそも今回の敵のシルヴァは、Mの下で働いていたMI6工作員。MI6が存在していなかったら、シルヴァは存在していなかっただろうから、今回の事件も起こらなかった筈。
 Mは、自身の死で、MI6が不要である事を証明してしまった様な気がするのだが、本作では深く言及されない。

 MI6も、判断ミスが多過ぎ。
 シルヴァはMI6で働いていた時は工作員に過ぎなかったようだが、中国当局に捕まって逃れた後は、犯罪組織を立ち上げるまでに至っている。
 本作でのテロ行為も、単独での犯行ではなく、大勢の手下があってからこそ実行出来た。
 物凄く優秀な人物だった訳である。味方としては頼もしいが、敵に回ればとにかく手強い。
 MI6は、その程度は知っていた筈。にも拘らず、「手に負えなくなった」という理由で中国当局に売り渡した後、MI6は追跡調査を全くしていなかった模様。中国当局の手に渡れば死ぬだろう、と希望観測的に思ったのだろうか。
 無論、シルヴァは死なず、中国当局の手から逃れ、MI6に襲い掛かる。MI6がもう少し危機管理が出来ていたら、今回の件はなかった筈。
 とにかく、今回の事件は、MI6の身から出た錆。
 MI6無用論をますます強固にしている。

 次回作から、007シリーズは昔ながらのものに戻る事を予感させるが……。
 マネーペニー、Q、Mを同じ俳優が演じ続けるとは思えないので(以前はそうだったが、現在は同じ俳優をキャスティングするのが困難になっている)、今後どうなるかは分からない。
 ダニエル・クレイグ自身、そろそろ007から足を洗いたい、といった発言をしているようだし。


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Last updated  2012.12.09 01:13:31
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