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2014.04.08
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カテゴリ: 洋画

 1987年に公開されたポール・ヴァーホーヴェン監督作『ロボコップ』のリメイク。
 ロボコップ/マーフィーを演じるのはジョエル・キナマン、オムニコープ社CEOを演じるのはマイケル・キートン。ロボコップの開発者ノートン博士を演じるのはゲイリー・オールドマン。



粗筋

2028年。
 アメリカのデトロイトの巨大企業『オムニコープ社』は、軍事用ロボット兵器を海外で展開し、大成功を収めていた。しかし、アメリカ本国での配備は法規制で禁止されていた。
 オムニコープ社CEOレイモンド・セラーズ(マイケル・キートン)は、アメリカの犯罪対策に自社のロボット兵器が採用されれば、これまで以上の利益が得られる、と考え、法規制撤廃を求める。が、議会や市民らの根強い反対で、作業は進んでいなかった。
 セラーズは、サイボーグ技術の権威デネット・ノートン博士(ゲイリー・オールドマン)の協力を求める。人間とロボット兵器を融合させたサイボーグを開発し、「ロボットには心が通っていない」という市民の嫌悪感を取り払おう、という魂胆だった。
 被験者として選ばれたのは、アレックス・マーフィー刑事(ジョエル・キナマン)。マーフィーは、相棒のルイスと共に武器密輸組織を捜査していたが、組織が仕掛けた爆弾によって瀕死の重症を負っていた。ノートン博士は、アレックスの身体の大部分を機械化し、「ロボコップ」として蘇らせる。セラーズは、これなら市民の心を掴める、と一旦は満足。しかし、脳は人間であるマーフィーそのものなので、いざ戦闘となるとロボット兵器より判断が遅い。これでは「兵器」として使い物にならない、と落胆したセラーズは、改善を要求。
 ノートン博士らは、火器使用の判断がコンピューター任せになるよう設定し、ロボコップの「人間」の部分を小さくしていく。その結果、マーフィーは妻や子供、ルイスを見ても機械的な対応しかしないロボットと化してしまった。
 ロボコップ本来の開発目的からは逸れてしまったが、人間を使っているし、兵器としても使い物になるので、市民の支持は得られる、とセラーズは判断。ロボコップを大々的に披露した。
 ロボコップは予想通り大活躍。市民から歓迎され、世論はセラーズの思い描く通り法規制撤廃へと傾いていく。
 そんな中、マーフィーは妻と再会。それにより、意識の奥底にあった「人間」の部分が自分を殺そうとした武器密輸組織の捜査を再開させる。その結果、警察上層部までもが武器密輸組織によって買収されていた事を暴く。
 普通の警察官は買収されるが、ロボコップなら絶対買収されない、とセラーズは論じ、法規制撤廃はますます勢い付く。
 が、法規制撤廃が現実味を帯びると、ロボコップの存在はセラーズにとって邪魔になってきた。
 一般市民は、ロボコップとはマーフィーを部分的にサイボーグ化したものだと信じていた。が、実際にはマーフィーは薬漬けにされている状態で、意識は殆どなく、火器使用時は完全にコンピュータ任せで、市民が思っているような「心の通った治安維持システム」ではなかったからだ。マーフィーの妻も、これに気付き、公にしようと動き始めていた。
 セラーズは、法規制の撤廃が濃厚になった段階で、マーフィーを亡き者にしようとする。
 これを知ったノートン博士は、阻止に動く……。


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感想

 最近、ハリウッドはアイデアが枯渇しているらしく、過去のヒット作をリメイクする事が多い。
 本作もその例に漏れず、1987年に公開されたヒット作を下敷きにしている。
 元は30年近く前の作品なので、当然ながらそっくりそのままリメイク、という訳にはいかず(しても良かったのだろうが)、現在風にアレンジされている。
 最大の違いが、やはり特撮。オリジナル版は、見るからにストップモーションによる撮影だと分かるギクシャクした映像だったが(オリジナル版は、必ずしも高予算な映画ではなかった)、本作はCGによりかなり滑らかな動作になっている。バイクシーンも投入され、スピード感溢れる映像が多い。
 戦闘シーンも、迫力あるものに仕上がっている。その意味においては、見応えのある映画。

 ただ、オリジナルのロボコップは、B級アクション映画であるのと同時に、社会への強烈な皮肉を込めた、大人向けの映画だった(R指定)。が、本作はお子様向けの映画に成り下がっている。
 暴力シーンはあるが、オリジナルと比べるとトーンダウンされ、オリジナルと同様の問答無用のバイオレンスを期待して観ると、物足りなさを抱く。

 オリジナルのロボコップと同様、部分的に「テレビ番組」や「CM」を挿入しているが、やり方がいかんせん下手というか、ユーモアが感じられない。
 オリジナルでは、挿入部分はあくまでもジョークや皮肉であり、真剣に受け止めるものではない、というのが理解出来た。緩さのある反政治・反体制の映画だった。
 が、本作の「挿入部分」はやけにリアルで、プロパガンダそのもの。本当にロボット兵器を国内に投入して、治安維持に当たらせよう、と鑑賞者の説得を試みている感じ(作中で観られる程高度な機器はまだ実現していないが)。政治映画っぽさが感じられるのである。

 オリジナルのロボコップは、警察官としてのロボコップの活躍を描く事に焦点を当てていたので、マーフィーの相棒であるルイスとの掛け合いが多く、マーフィーの家族は殆ど描かれていなかった(マーフィーの記憶の中でしか登場しない)。
 本作は、家族を描く事を重視した為か、妻と子供の登場場面が多い。それに比例して、相棒のルイス(オリジナルは女性だったが、本作では黒人男性)との掛け合いは全くといってよい程ない。「警察物」の感じがしなかった。

「自分は何者なのか」がオリジナルのロボコップのテーマでもあった(ヴァーホーヴェン監督作の共通テーマ)。そんな事もあり、ロボコップが消された筈のマーフィーの記憶を必死になって探ろうとしている事を知って、開発者らが驚くシーンがある。
 一方、本作は最初から最後までロボコップは「俺はマーフィーだ」と認識していて(意識が低下する事はあったが)、その部分の葛藤があまり観られないのは残念。

 ロボコップという強烈な「善役」がいる一方で、悪役が小粒なのばかりで、盛り上がりに欠けるのも問題。
 マーフィの命を狙った武器密輸組織の連中や、そいつらに買収された警官らは明らかな「悪」。が、マーフィーがロボコップとして復活して、本格的に活動し始めると、最早敵ではなく、あっさりと倒されてしまう。
 セラーズも最終的には悪としてロボコップに倒されるが、最終場面に至るまでは、悪でも何でもなく、成果を早急に(そして強引に)求め過ぎるきらいがある典型的なアメリカンビジネスマンでしかない(もしセラーズ程度の者が「悪」なら、大抵のビジネスマンは極悪人になってしまう)。製作者側の都合というか、思い付きで(製作の最終段階でロボコップがラストで倒す悪役がいなくなってしまったのに気付いた)、「じゃあ、生き残っている中からこいつを悪役に」と急遽祭り上げられた様である。

 本作では、ロボコップ開発者のノートン博士の存在がやけに大きい(オリジナルでは、ロボコップが完成した時点でお役御免となり、スクリーンでは登場しなくなった)。
 表向きの主人公はロボコップ/アレックスだが、実際の主人公はノートン博士、といっても良い(開発者から観たロボコップ誕生の裏舞台、といった感じ)。
 主役を食ってしまう存在感は、ノートン博士を演じたゲイリー・オールドマンの成せる業か。
 オールドマンは、昔は「風貌に似合わず悪役を演じる」俳優として有名だったが(エアフォースワン、レオン、フィフスエレメント等)、バットマンビギンズから善の役柄をやるようになった感じ。善の役といっても、本作の様に聖人君子ではなく、どちらに付くか葛藤しつつも最終的には善の側に回る、といったのが多いが。

 対照的に、悪人面になっているのは、セラーズを演じたマイケル・キートン。
 元はコメディ俳優だったが、1989年のティム・バートン監督作バットマンで主役を演じ(製作が発表された当初は「コメディアンがバットマンなんて有り得ない」と非難の嵐だった)、シリアスな役も演じるように。
 そして今回は悪役。
 かなり老けた(毛も薄くなった)。

 本作は、他のリメイクとは異なり、大失敗とは言えないが(そもそもオリジナルもB級アクション物に過ぎず、大ヒットを期待されたものではなかった)、30年振りにリメイクした割には新しさは感じない。
 これだったら、オリジナルをデジタルリマスターして再公開した方が良かったのでは、と思ってしまう。
 というか、最近は新作映画を映画館で公開するのではなく、旧作をリマスターして公開してくれ、と思うようになった。


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Last updated  2014.04.08 12:46:16
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