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2015.11.17
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カテゴリ: 洋画

007 スペクター
SPECTRE(c)2015 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Danjaq, LLC and Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved
映画「 007 スペクター
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 ダニエル・クレイグ演じる007の四作目(本人は、これが最後だと言っているらしい)。
 権利の問題で40年近く登場させられなかったボンドの宿敵ブロフェルドとSPECTREが、本格的に登場する。
 前作スカイフォールで登場した新任のMと、マネーペニーも登場。


粗筋

前作「スカイフォール」で殉職したM(ジュディ・デンチ)は、ボンド(ダニエル・クレイグ)宛に遺言状を残していた。Marco Sciarraという人物を殺せ、と。
 ボンドは、その任務を遂行する為に、Sciarraがいるメキシコに飛んだ。
 メキシコで、Sciarraは、何者かと会談していた。「ペールキング」に代わってメキシコで大規模なテロを実行する、と。
 ボンドはSciarraの殺害に成功するが、今度はまた別の謎が。「ペールキング」とは何者で、誰の為に大規模なテロを企んでいたのか、と。
 今回の任務は正式なものではなく、新任のM(レイフ・ファインズ)は、ボンドの勝手な行動に手を焼いていた。ボンドに対し、イギリスから出るな、と命じる。
 ボンドはその命令を無視し、Sciarraの葬儀に参列。その人物の妻と接触する。妻は、夫がある場所で開かれる会合へ出席する事を知っていた。ボンドは、Sciarraに成りすまし、会合に出席。
 そこは、謎のテロ集団の会合だった。リーダーは、ボンドの存在を認識しており、ボンドもその顔に見覚えがあった。ボンドは、その会合から命辛々脱出する。
 Q(ベン・ウィショー)とマネーペニー(ナオミ・ハリス)の助けにより、「ペールキング」とは、「カジノ・ロワイヤル」と「嘆きの報酬」で関わったミスター・ホワイトである事を知る。現在、オーストリアにいるという。
 ボンドはオーストリアへ飛び、旧知の敵ミスター・ホワイト(イェスパー・クリステンセン)と再開する(「カジノ・ロワイヤル」の最後でボンドに捕まったが、続編の「嘆きの報酬」の冒頭で、二重スパイの働きにより逃走していた)。
 ミスター・ホワイトは、死ぬ瀬戸際にあった。テロ集団から離脱した為、放射性物質を盛られたのだ。余命数か月だと。
 ボンドは、テロ集団について問いただすが、ミスター・ホワイトは何も喋りたがらない。喋ったら、ミスター・ホワイトにとって大切な人物に危害が及ぶからだ。
 ボンドは、大切な人は守ってやるから、全て話せと迫る。ミスター・ホワイトは、大切な人物とは自分の娘で、「ラメリカン」が鍵だと告げると、自決する。
 ボンドは、ミスター・ホワイトの娘マデリン(レア・セドゥ)と接触。テロ集団からの回し者に攫われる所を救出する。マデリンは、「ラメリカン」とはタンジールにある隠れ家を指していて、父親が属していたテロ集団は「SPECTRE」だと告げる。
 ボンドとマデリンは、タンジールに向かった。
「ラメリカン」の隠し部屋から、ある施設の地図が見付かる。二人は、その施設がある場所へと向かった。
 一方、イギリスでは、情報局MI6が存亡の危機に瀕していた。世界規模のテロに対処する為、世界中の情報機関を一つの情報管理システムの下に統合すべきだ、とイギリス代表のC(アンドリュー・スコット)は主張していた。これが実現すると、MI6は用済みとなり、Mは解任され、Cがイギリスにおける情報機関の全権を握る事になる。
 Mは、自身の解任には特に抵抗は無いものの、世界規模の情報管理システムの導入には抵抗があった。
 が、Cの強力な後押しと、世界各地で頻発しているテロ事件により、情報管理システムの導入は確定的となった。
 その間、ボンドとマデリンは、地図が示した施設に到着。
 SPECTREのリーダーであるブロフェルド(クリストフ・ヴァルツ)が待ち構えていた。
 ブロフェルドとボンドは、互いを知っていた。ボンドは幼少期に両親を亡くし、ある人物によって代わりに育てられた。その人物とは、ブロフェルドの父親だった。ボンドとブロフェルドは、血の繋がりこそ無いものの「兄弟」として育った間柄だったのだ。
 ブロフェルドは、ボンドに対し、過去の任務は全て繋がっていた、と告げる。ル・シフル(「カジノ・ロワイヤル」)、ミスター・ホワイト、グリーン(「慰めの報酬」)、シルバ(「スカイフォール」)は、全てSPECTREの一員だったのだ。ボンドがSPECTREの主要構成員の計画をことごとく潰してきたので、ブロフェルドが自らボンドに対し行動を起こす事になったのだ。
 近々導入される情報管理システムも、SPECTREの計画だった。導入されれば、世界中の情報はSPECTRE、つまりブロフェルドのものになる。Cも、SPECTREの一員だった。
 このところ世界各地で頻発していたテロは、各国の情報機関が情報管理システムへ加盟するのを促す為に、SPECTREが仕組んだものだった。
 ブロフェルドはここまで説明した後、ボンドを殺そうとするが、ボンドはマデリンを連れて脱出。施設を破壊した。ブロフェルドも死んだ。
 ボンドとマデリンは、イギリスへ飛ぶ。たとえブロフェルドが死んでも、情報管理システムが起動されてしまったら、Cがイギリスは勿論、世界中の情報を握る事になり、SPECTREの野望を打ち砕いた事にはならないからだ。
 ボンドは、M、Q、マネーペニーと合流。
 情報管理システムが入るビルへと向かう。
 が、途中でボンドは攫われ、廃墟となっていた旧MI6庁舎へと連れて行かれる。そこに、まだ死んでいなかったブロフェルドが待ち構えていた。
 ブロフェルドは、ボンドに対し言う。旧庁舎を丸ごと吹き飛ばすので、事前に攫ってどこかに軟禁したマデリンを探し出して逃げてみせろ、と。
 ボンドは旧庁舎を駆け巡り、マデリンを発見し、爆破寸前に脱出する。
 その間に、M、Q、マネーペニーは情報管理システムが入るビルに到着し、Cを阻止する。
 ボンドは、逃げるブロフェルドを追う。本来は殺すべきだったが、生かして捕えた。
 これまでボンドは関わってきた女性を死なせており、シルバから「お前は自分の女すら守れない」と嘲笑われていたが、今回はマデリンという女性を死なせず救出出来た事を、ブロフェルドに堂々と見せ付けながら、その場を去った。



感想

 クレイグ出演の一連の007シリーズ作が、実は一つの大長編だった、という事実が明らかにされる一編。

 徐々にユーモアが挿入されてきているものの、全体的には最近の流行に沿ったシリアスな、リアリティ溢れる、ユーモアに乏しい作品。
 サスペンスあり、アクションありで、その意味では楽しめる。
 ただ、リアリティを追求し過ぎている為、ボンドは勿論、敵も小粒になってしまっている。
 イオン・プロダクション作として40年振りに復活した宿敵ブロフェルドは、洗練されていて、それが逆に凄みを出している。が、野望が「全世界の情報を握る」という程度なので、スケール感に乏しい。情報社会の現在、物凄い野望なのかも知れないが、その程度でここまで手の込んだ事をするのか、と思ってしまう。
 合法的な手段でやった方が永続的で、皆の利益になるのではないか。

 ストーリー展開も、結局は「情報局内の内輪揉め」に終始していて、「策に溺れがちな情報局なんていっそ無い方が世の中は平和になるのでは」と思ってしまう(最近のスパイ映画はどれもそう)。

 クレイグ演じるボンドは、殺しにおいては物凄い能力を発揮するが、それ以外は優秀さはあまり感じない。
 体力だけが取り柄で、それに任せて無駄に動いて、事を大きくしているだけ。
 本作で、漸くボンドガールを無事手に入れられたくらいだし。
 もう少し賢い部分を見せてほしい。
「00課」は過去の遺物だから廃止せよ、と各方面から言われているのも、何となく納得してしまう。
 クレイグも、ボンドというキャラを演じるのに飽きている様子で(成長があまり無い)、最初から最後まで同じ表情のまま。

 メインのボンドガールとなるマデリンは、「007シリーズはボンドガールが必要だからとりあえず登場させた」という扱いで、大した活躍はしない。最近のボンドガールの中では、最も受け身。能動的でボンドと主役争いするボンドガールも観ていて困りものだが、いようといまいとストーリーに特に影響が無い、というのも味気無い。

 コネリー時代のブロフェルドは、ボンドの必死の追跡にも拘わらずいつもぎりぎりの所で逃げ、また次の作品に登場する強運の悪役だった。が、本作のブロフェルドは、あっさりと捕まってしまう。
 映画全体の流れからすれば、殺されて当然なのに、何故生かされたのかが不明。下っ端はバンバン殺されているのに、最も危険な大元を始末しないでどうする、と思ってしまう。
 ブロフェルドは、前半では謎の組織SPECTREを率いる謎の人物で、全知全能ではないかという無敵振りを発揮していたのに、ボンドの前に現れた途端に単なる饒舌な悪役に成り下がってしまうのも残念。
 ボンドと対面した時点で、神通力も落ちてしまったらしく、折角施設の爆破から生還出来たのに(顔に物凄い傷を負ってしまうが)、野望の完遂の代わりに、ボンドを倒す事に執念を燃やす様になる。その結果野望は達成出来ず、ボンドも殺せない。典型的な無能な悪役に。

 007シリーズらしく、様々な小道具が登場するが、いずれもこれまでの焼き直しで、新鮮なのは無い。
 ボンドカーであるアストンマーチンDB10(2015/11現在ではまだ市販されていない)は、早々と退場し、特に活躍しない。そう恰好良くもない。DB5の方がまだマシ。

 本作は上映時間が148分で、二時間半も映画館に留まる事になる。
 ストーリーの内容からすれば、もう少し短く出来なかったのか、と思わないでもない。

「007らしさ」においては、本家イオン・プロダクションによって製作された本作より、オマージュとして製作された「キングスマン」の方が遥かに上。
 本家が分家に負けてどうする。


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Last updated  2015.12.26 08:56:33
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