極めて個人的な外界との繋がり

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雪村抱月

雪村抱月

October 27, 2004
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 駅に着いて、ふと見上げると、ほぼ頭上に雲にやや隠れて朧月がかかっていた。辺りは曇っているせいであるのと、街の明かりが反射しているせいで、メタリックグレイとウルトラマリンが入り混じったような複雑な色をしている空が広がっている。月を見ながら帰ったのは、何時振りのことか?

 書類を片付け、PCのスイッチを切っていると、まだ仕事に精を出している同僚が「今日は早いじゃない」という。しかし、もう10時を回ろうとしているのだから、随分な環境である。「帰るつもりにならないと、何時までだって居そうになるから」というと、「そうだね・・・あ、脳みそが沸騰しそう」と返事があった。良いのか悪いのかは別として、一寸待って!と言いたくなる様な状況に、冷静さ失わずにいるように努めるのは、エネルギーの要ることだ。

 厚手のジャケットを羽織っていたにも拘らず、空気はかなり冷たくなっていた。自転車を思い切り走らせることがこれからどんどん億劫になっていくだろう。交差点で止まった時、タバコの自動販売機にまだ赤いランプが灯されていないのが目に入った(つまりは、まだ11時前ってそれだけのことだけれど)のが、なぜかホッとさせる。
 忙しいという字は、心が亡くなると書くから、余り忙しいって言わない様にしなくっちゃね・・・この台詞は、小学校六年生の時、友人の口から放たれたものである。中学受験を控えていた彼女とは、5年生の時からの付き合いで、随分大人びていると思っていたけれども、彼女のこの言葉が何時までも心に残っている。簡単に「忙しい」と言ってしまう。もっと言えば、ほとんど挨拶代わりにすらなっている。でも、彼女が言うように、忙しいというのは、心がどこかに行ってしまうことなのだと、感じる。
 短気になって、自分本位になって、相手のことや周りの事を慮ることが出来なくなってしまう。親切にしてくれた事に対して、ただ一言「ありがとう」が言えなくなりそうになる・・・。言い訳するのは簡単だけれど。忙しいと口にするのを、できるだけ止めようと思う。状況はさほど変わらないかもしれないけれど、それを巧く冷静に、管理しながら、自分を、心をなくさないようにしよう。





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Last updated  October 27, 2004 11:07:19 PM
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