申訳ない程度・・・?


蟹ちらしずしを食べていた
三十代の人が言った。


それを言うなら、
「申し訳ない程度」ではなく、
「蟹は申し訳程度に入っている」であろう。

彼女曰く、申し訳ない、と謝る意があるのかと思った、と。

そう言われるとそれでもいいような気がしないでもないが、
決してそうではなく、
「言い訳や申し開きが出来る程度」
転じて「形ばかり」という意味であるから、
先の言葉は矢張り、「蟹は申し訳程度に入っている」となり、
「申し訳ない」とないをつけるのは誤用となる。

辞書を引いてみると、
『広辞苑』(岩波)では、
・もうし わけ「申分・申訳」・・・いいわけ。いいひらき。

『国語大辞典』(学研)
 ・もうし・わけ(申し訳)・・「言いわけ」の謙譲語。言い開き。弁解。    (略)
  〔申訳無い〕言い訳のしようがない。たいへんすまない。(略)
  〔もうしわけ許り〕<連語>ほんのかたちばかり。ほんの少し。 

近年こういう誤用が増えてきた。
時代と共に「ことば」は変化していくものだ、とは言いながらも、
やはり気になるものである。

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