ふゆゆん亭
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『真夏日の殺人』P・M・カールスン著 原題『MURDER IN THE DOG DAYS』坂口 玲子=訳 早川書房 (1993/4/1)【中古】 真夏日の殺人 / P.M. カールスン, P.M. Carlson, 坂口 玲子 / 早川書房 [文庫]【メール便送料無料】【あす楽対応】■あらすじ真夏だというのに窓を締めきった部屋で、飛行機の爆発事故を取材していた新聞記者が撲殺された。そばには、凶器と思われる真鍮の電気スタンドが落ちていたが、書斎は中から鍵を掛けられており、犯人が出入りできたはずはない。記者の死は、取材中の事故と何か関係が?休暇中に事件と出くわした統計コンサルタントのマギーは、犯人捜しに乗りだすが……好奇心あふれる人情家の素人探偵が、密室殺人の謎に挑む本格ミステリ。■感想『栗色の髪の保安官』が面白かったのでP・M・カールスンのもう一冊だけ翻訳出版されている『真夏日の殺人』を借りてみた。1975年のヴァージニア州モズビー市。今から58年も前の話だった。でも出版されたのは93年。30年前。あらすじを読むとマギーが主人公なんだと分かった。確かに登場人物の一番上がマギーなんだけど、何しろ誰と誰がどんな関係って言うのが分からなくなって何度も何度も何度も登場人物を見た。暑いのと頭が悪くなったのとで憶えられなくて始まりの15ページを10回くらい読み直した。マギーの兄ジェリーの妻オリヴィアが新聞記者で、オリヴィアの職場でのやり取りから始まる。オリヴィアの同僚デイルが優秀なのに半分休みで家で仕事をしている。オリヴィアが新聞社の中で上司や同僚と話をし、編集長エジャトンの所に怒りを持って苦情を言いに来た人がいる。マギーの子供サラと夫ニックと兄ジェリーがオリヴィアの職場の新聞社の外でギターを演奏して歌ってオリヴィアが出て来るのを待っている。20ページまでに主要な登場人物の7割が出て来るので、名前と関係と人物像が組み立てられずに、そこを乗り越えるまで1か月近くかかってしまった(;^ω^)多分、興味が湧かなかったのに「栗色の…」も始めはだらだらしてたから頑張れば面白くなるはず、を繰り返したんだと思う。それ以後も、マギー・サラ・ニック・ジェリー・オリヴィアの5人は始終ぺちゃくちゃとランダムなおしゃべりをしつつオリヴィアの同僚デイル・コルビー宅に行く。デイルの家でもバタバタしていて、遠い海に行くためにマギー一家・ジェリー夫婦・デイル一家でうるさいやり取りがある。情報が多過ぎて大事な事に気付けないのよ。第三者目線で書いてあるから尚の事人物像が作り上げられず、頭が悪くてぐちゃぐちゃになっちゃってなんか分からん。事件が起きたら収集がつくかなと思って頑張った。すると、殺人事件が起きて女性刑事ホリーが出て来ると、ホリーの視点で書き始まる。ホリーが主人公かなと思う分量で書いてある。所が事情聴取中にマギーの個人的な質問やおしゃべりが止まらないので、段々ムカついて来る。一緒に海に出掛けるはずだった義姉の同僚の死体を発見すると言う恐ろしい状況で、刑事に個人的な事を聴きまくるって何なのさ。私じゃあるまいし(笑)いや、私は観察しまくって興味があったとしても流石に直接事件と関係のない所には触れないと思う・・・けどな(笑)事件発覚後はオリヴィアの視点、郡警察の女性刑事ホリーの視点、マギーの視点と言う具合にコロコロと視点が変わる。誰の視点で物語を構築して良いのか分からなくて迷う迷う。そしてマギーがうるさい。ヴェトナムで従軍看護婦を経験したホリーは誰にも言えない心の深い傷を抱えて必死に生きているのに、事件に関係ない世間話をぐいぐいぐいぐい押して来る。私はマギーが苦手。同族嫌悪なのかな?私も好奇心旺盛を良いことに人にぐいぐい聞いたりするんだよね。訳者あとがきを読むとこのマギーシリーズ1993年当時で8作目まで出版されている。アメリカでは人気なんだねこれ。ミステリとしては、この状況証拠から見たらこの人にしか出来ないな、と思っていた人が犯人でやっぱりな、だった。どう処理するのかと思っていたら・・・。うーん。うーーーん。人情派の素人探偵と心に深い傷を持つ刑事だから許される事なのか?そうなのか?納得は行かないけど、女性刑事ホリーの実直なコツコツ捜査は好きです。原題の『ドッグデイズの殺人』のドッグデイズとはウィキペディアによれば「夏のうち最も暑い時期」「真夏」「盛夏」を表す。 北半球においては7月上旬から8月中旬ごろまで、南半球においては1月上旬から2月中旬ごろまでを指す。なので、真夏日の殺人はぴったりでした。私が読んだのも真夏日の時期でした。ヴァージニア州は東海岸の北寄り、ワシントンDCの西側を含む。モズビー市は見つけられなかった。 ―2023年8月中旬読了―
September 28, 2023
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