Angel

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全て | 日々の日記 | 小説
June 10, 2009
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カテゴリ: 日々の日記
嘆く辰之介様。その気持ちは、鈴乃さんも同じだった。

攻撃力が上がる度に、護るので、精一杯で見守る彼女達には苦痛でしかなく、泣き出しそうになる鈴乃さんに言った。

「泣かないで下さい!私達は、簡単に負けたりしない!戦って、この手に勝利を収め、戻るまでは、倒れる訳にはいかないんです!」

「...そうだ。鈴乃。この手に勝利があるまでは、君を泣かせるわけにはいかない!鈴乃を再び、あいつの元に戻すまでは...」

未だ、私と辰之介様は、氷月様と鈴乃さんがどういう関係で、鈴乃さんが何者か知らない。

「...こんな時に、何ですが、鈴乃さんは何者なんですか?」

「ハァ?...お前、こんな時に...。」

今は、戦闘中だから、突っ込むべきではない。だけど、気になる。

「...解ってます。だけど...」



「...おい!お前、馬鹿...」

「椿ちゃん、危ない!」

二人の声が同時に響き、振り替えるのが遅かった。

予想外の痛みを感じながら、地面に叩き付けられた。




「...椿ちゃん!!」



「...もう、これ以上、大切な人達を傷付けさせない!」

後ろの方から、声がした。私の声に似た声が...



声のする方を見ようにも、叩き付けられた体が、鉛の様に重く、動かない。

「...大丈夫か!?」

返事をしようにも、先程の受けた攻撃により、痛みが体中に広がって、喋れない。

「...仕方ないな。」





 「...貴女様は...巴様ですか?」

先程の声の主に、驚きながらも、質問する。私と別れるまで、一緒にいた女性と同じ筈なのに、違和感を感じているようだ。

「...思い出したの。私がここにいる理由......そして、私がどこの誰なのか...」

「巴!大丈夫か?」

ちょっと、ふらつく彼女を支えながら、訊ねると、彼女は流月様の方を向き直り、手を伸ばして、彼の頬に触れる。



愛しいそうに、その名を呼び、感動の再会になっていたが...



「キャーッ!!」

悲鳴が響き渡る。その悲鳴に、皆が、事態を把握しようと、声のする方を見た。

「...流月様!大丈夫!!」

私と流月様は、蔓に叩き落とされた。しかし、氷月様は、私を庇うように抱えて、痛みを軽減させてくれた。

「...大丈夫だ。お前こそ...大丈夫か?」

大丈夫と仰っているが、傷だらけだ。

「大丈夫です。...それより、流月様の方が大丈夫ではないですよ!その傷!!」

血がダラダラ流れている。

「...大丈夫だ。早く、逃げねば!敵が...痛...」

口では、大丈夫と言っても、本当は全然、大丈夫じゃない!出血状態もすごく、庇った弾みに、どこか、骨を折られていると思う。

「大丈夫ですか!肩に捕まって下さい!」

手を差し出し、二人で逃げようとするのだが、痛みが激しく、立てない様子、どうにかして、逃げなくちゃいけないと思うが、気が付けば、敵の蔓が避けきれない速さで、振り落とされようとしていた。

「...火炎の渦...かの物を焼き尽くせ!」

落ち着いた優しい声が響き渡り、蔓が炎で焼かれて行くのを呆然と見ていた。

「...大丈夫か?さぁ、こっちへ。」

伸ばされた手を取り、立ち上がり、光の壁の中に入った。

「...椿ちゃん!大丈夫?」

入るなり、辰之介様に抱きつかれ、何が起こったのか、解っていなかった。

「...氷月様...椿さん。大丈夫ですか?」

泣きそうな顔をした鈴乃さんがいた。

「...私は、大丈夫ですが...氷月様が...」

その言葉を聞いた瞬間、彼女はボロっと涙を落とした。だから、困った。



「...鈴乃。...泣くな。我は、大丈夫だ。」

「...もしや、貴方が...あんなに小さかった流月...流月なの。」

成長した流月様の存在に、驚いたように訊ねていた。

「...そうですよ。母様...痛...」

起き上がろうとしたが、痛みが勝って、起き上がれなかった。

「ああ...大丈夫?!私の大切な者達を傷付けるなんて......許さない!!!」

巴様は、心配つつ、傷付けられたことに怒り、キレた。初めて見る表情は、本当に怖く、しかし、母の子に対する愛情を感じる。

「...巴。落ち着いて!また、こうして親子3人、揃ったんだし、そんなに怒るな!確かに、酷いよな!でも、そんなに怒っていると、可愛い顔が台無しだ。だから、少し落ち着こう!」

“なんか、この甘い台詞が、優兄様や時折、こんな台詞を言う辰之介様みたいだと思った。絶対に遺伝だなと思う。でも、逆に火に油を注ぐようなことになるんじゃないかしら?”

遺伝かなと思いつつも、内心、ヒヤヒヤする。

「...そうね。怒ってばかりじゃ、ダメよね!冷静に物事が考えられなくなっちゃうね!ありがとう、氷石さん。vv」

予想とは、裏腹に彼女は落ち着きを取り戻し、笑った。そして、最後にハートマークが付いたような気がした。



そして、頬に接吻するから、見ているこっちが恥ずかしくて、顔を赤らめ、顔を背けた。
チラッと、辰之介様の方を見ると、恥ずかしそうな顔をしつつも、何か良いなと言うような感じも取れる。他の方の方も見ると、泣いていた鈴乃さんすら、顔を赤らめ、恥ずかしそうにしている。
息子である、氷月様は、恥ずかしそうにしながら、握り拳。まるで、“この夫婦は、人前で、人の目も気にせずにイチャツキやがって!見ている、こっちが恥ずかしいだろう!”と言ったような感じだった。





 ほのぼの雰囲気だったが、私達は、すっかり忘れていたが、戦闘中だと言うこと。それを思い出させたのは、地面が激しく揺れ、何かがぶつかる音がしたから。

「...何?地震??それに、何かがぶつかるような音......?!!」

そう言いつつ、音のする方を見て、現実に引き戻された。

「ヤバい!こんな、呑気にくつろいでいる場合じゃないわ!流月様!あれ、あれをどうにかしなければ!」

私は、一人焦っている。

「あれ?ああ、そうだ!!あいつを封じ込め、君達を帰さなければ!」

流月様もやっと、現実に引き戻り、策を練り始めた。

「...また、お別れね...」

巴様は、少し寂し気に呟いた。

「巴...」

そんな彼女の名を呼びながら、抱き締めた。切なくて、涙が溢れそうになる。

「...大丈夫!私、こうして、また逢えたから...それだけでもう...」

更に強く抱き締め、別れを惜しむが、時間はあまり残されていないようだ。

「...ああ、結界が...」

鈴乃さんが呟いた通り、もう壊れそう。


「...ごめん......。巴、皆、陣を組んで、俺が奴を抑える。そして、元通りに戻るよ。だから、最後まで、気を抜かずに行く!覚悟せよ!」

ごめんとは、誰に言ったものか定かではないが、きっと巴様にだろ。

「...俺は、何をすれば良いですか?」

何も言われなかった辰之介様。そう言われて、困った流月様だった。

「......。君は...負傷している氷月を看ていてくれ。」

困った末に、負傷した氷月様の面倒を頼んだが、納得してなさそう。

「...辰之介様。氷月様をお願い。これは、私達の心が同調しやすいから、やるの。貴方様が弱いとかじゃなく、同調しなければ、抜けられない。一生、こんな所にいるわけには行かないでしょ?だから、信じて...」

“いつも護られてばかりだから、辛い気持ち解る。だけど、迷っている暇なんてない。”

辛さを知ってるから、誰よりも理解を求める。




この戦いが終わろうとする中、青年は、自分の非力さと護られるだけの辛さを思い知り、苦しむ。



 ただ、目の前で、繰り広げられる神と邪悪な魔物の戦いを見守り、いつでも、封じられるようにと待機中の恋人達を見る度、惨めで、辛いだけの傍観者。

「...俺にも力があれば...何も出来ない。...彼女を護るどころか、護られるだけなんて...。」

青年は、そう呟き、自分を責めた。

「馬鹿か、お前!何が護られるだけだ!お前が、いなくても大丈夫だと思っているのか?」

彼の傍で、負傷し、横たわっている青年は彼を叱咤した。

「...。」

「やっぱり、馬鹿だな。あいつは、お前と喧嘩したと言って、落ち込み、心配していた。お前がいなければ、あんな風に頑張ったり、戦おうと思うか?お前のことが、誰よりも好きで、護りたいから、立ち上がった。なのに、お前は自分が無力だと嘆き、何もしない傍観者か!!笑わせるな。俺だって、惚れた女に護るどころか、護られるだけなんてごめんだ!泣かせる為に戦ったんじゃないのに、好きな女を泣かせてしまった。俺は、足手まといかもな...。だけど、何も出来ないなんて、簡単に決めつけるんじゃねー!考えろ!」

そう一喝し、青年は悩み始めた。



「...俺は、信じているんだ。母様達なら、きっとやれるって!確かに、何も出来ないが、信じること、応援することは出来る。だから、俺は、俺の出来ることをする。だから、お前は、お前の信じる道を行けば良い。」

痛みを堪え、起き上がって、目の前の戦いを見守る。

「...俺は...」

戸惑う青年、しかし、彼が悩むより、戦いは激しさを増している。




 「...氷石さん。頑張って...」

一人の女性は、愛しい恋人の勝利を祈り、信じ

「...今度こそ...護りたい!」

また、一人の女性は、過去に成し遂げられなかった想いを今度こそは、成し遂げようとする想いで、いっぱいだった。

「...流月様!信じてます。」

また、一人の女性は、目の前で戦闘を繰り広げる神の勝利を信じ、見守り、皆で無事に帰ることを望む。





 「...これで終わりだ。」

剣で、心臓のある辺りを一突きした。

「今だ!さぁ、封印を!!」

神様は、待機していた女性達に言うと、直ぐに始められた。外と内で、順々に呪文が唱えられた。

本当は、内と外で同じ人数の方が間隔も取りやすく、封印が成功しやすい。しかし、今回は内側の方が多い。四方で、封じる為に、外側に近付き、間隔を取り、待機。



それぞれの想いと共に、封印に臨んだ。



 暫くして、封印が終わった。すると、体に光を纏っていた。

「...何、これ?」

「別れが迫っている。これで、お別れだ。我が愛しき血縁者達よ。君達に逢えたこと、感謝する。」

「...流月様。」

涙ぐみながら、別れを惜しみ、彼は、頭を撫でた。

「...逢えなくなるが、遠くで見守っている。だから、泣くな。私まで、悲しくなる。」

一緒に過ごした時間は、数時間な筈だが、長年一緒に暮らした家族のような絆が出来上がっている。そんな、仲睦まじい姿に若干、約一名が妬いていた。

「...妬いているようだが、あいつにとって、父様は、お爺ちゃん若しくは、父のような存在さ。まあ、小さなことで妬いている内は、まだまだだな!」

火に油を注ぐような発言をしたので、鈴乃さんが慌てて、誤魔化した。

「...そんなことないですよ!こんなに想われていると思うと嬉しいと思います。ただ、ちょっと寂しいんでしょう。」

「...寂しいか...」

溜め息を付いた。

「...そろそろ、お別れね。離れても、私は貴女の中にいる。忘れないで...。氷石さん.....愛してる。ずっと、愛してる。貴方だけを...。」

最愛の方に、溢れ出す想いを告げる。





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Last updated  June 18, 2009 07:47:29 PM
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