Dog photography and Essay

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上海大観園(紅楼夢)1



「北京大観園から上海へ」

「中国写真ライフ」では、
上海「大観園(紅楼夢)」の写真を公開しています。

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北京の大観園で紅楼夢の物語や背景などを自分自身の目で、
確認できたが、1984年に中国の歴史ドラマとして放映され、
その古典小説のドラマは、北京で撮影され、紅楼夢の建物は、
上海の大観園で撮影されたと語ってくれた。

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上海西南部の「淀山湖」東岸にある紅楼夢撮影セットの、
大観園は、市中心部から65キロの距離にありバスに乗り約、
1時間半で着く。大観園風景旅遊区の中にある大観園は、
1984年に一般公開された紅楼夢で一躍有名になった。
最近でも映画やテレビドラマの撮影でよく使われている。

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「長女が31歳で薨去(こうきょ)」

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中国四大古典小説の紅楼夢を書いた曹雪芹と上海との、
関連はないようであるが江蘇省と関係あるようである。
紅楼夢のテレビドラマの企画が持ち上がった1980年当時は、
1976年文化大革命が終結して4年過ぎたころで、庶民の、
生活にも落ち着きを取り戻した頃であった。

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紅楼夢の小説で、賈家の家長賈政の長女である賈元春は、
皇帝の貴妃となり、賈家に繁栄をもたらし里帰りを記念して、
皇帝より大観園が作られたというのが物語の大観園である。
だが、栄華を欲しい侭にしたが娘が病に倒れ31歳で薨去し、
賈家は滅亡の一途を歩み続けるという物語である。
この機会に紅楼夢の物語に少し触れてみたと思う。

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「改革へ向け動き出した頃」

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上海大観園を建設されたのは1978年に入ってからの事で、
2年の歳月を掛けて上海園林部門によって建設された。
中国四大古典小説「紅楼夢」の中に出てくる庭園を再現し、
清代の貴族の暮らしを垣間見る事ができる古風な建築であり、
また清代の古典的な庭園と現代的な庭園が交錯している。

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中国では政治や思想また文化の革命運動の筈だったが実際には、
1000万人以上の犠牲者を出した革命は、中国の発展を20年以上、
後らせてしまった。日中国交が正常化されてより4年後の1976年に、
文化大革命が終結を迎え、大観園が建設されたのは、それから、
2年後の事で、世の中も改革へ向け動き出した頃だった。

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「源氏物語にも似たり」

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中国の古典長編小説は三国志演義、水滸伝、西遊記、紅楼夢の、
四つの小説を「中国四大名著」と呼ばれ、紅楼夢は全120回から、
構成され、前80回が曹雪芹の作で、後40回は高蘭墅の続作である。

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小説の中の大観園で栄国邸の賈宝玉と林黛玉、薛宝釵ら12人の、
美女の物語で、大貴族の華やかな生活の底に潜む腐敗や心理描写に、
巧みな筆裁きに優れ、中国の人からは源氏物語にも似た所があり、
多くの人たちに読まれ親しまれて来たが、原名を石頭記と呼ぶ。

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「封建社会を批判した小説」

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紅楼夢の作者は曹雪芹で、彼が書き上げた石頭記(紅楼夢)は、
1720年当初、110回まで存在していたとされる原稿のうち、
なぜか80回以降を紛失、その後曹雪芹は他界してしまう。
その30年後に出版者程偉元の要請で高鶚が40回を書き上げ、
1754年出版後、ベストセラーとなり四大古典小説となった。

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中国では熱狂的な紅楼夢ファンを生み出し、日本をはじめ、
英語、ドイツ語、ロシア語など翻訳され出版されている。
また紅楼夢の研究は多くの紅学者の手で進められ1950年代の、
紅楼夢論争では、紅楼夢は曹雪芹自身の半生を通じ、
封建社会を批判するために執筆したのはないかとされた。

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「紅楼夢を奨励するほどだった」

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古典小説である紅楼夢は上流階級の賈家の賈宝玉を主人公とし、
繊細な神経で涙にもろい美少女の林黛玉と賈宝玉の妻となる、
薛宝釵の三角関係の中で物語は展開して行き、物語は中国貴族の、
上流階級の生活を描きながら主人公たちの交わりを書いている。

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ヒロインである賈宝玉、林黛玉、薛宝釵の関わりの中で克明に、
描写している。私は中国版の紅楼夢のVCDを何度も見ながら、
覚えた人間関係であるが、三国志などに比べると少し難しい。
清代末期から紅楼夢を専門に研究する学問を紅学と言うが、
この言葉は現代でも使用され文化革命時代の毛沢東も愛読し、
水滸伝などを読む事に関しては制限したが紅楼夢は奨励した。

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「寂しくこの世を去った」

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小説紅楼夢の特徴はストーリーに織り込んだロマンではなく、
大貴族の息子や娘の揺れ動く心が繊細に描写されている事である。
三国志や水滸伝対して紅楼夢の文学は男女の情を追求している。
また賈宝玉たちは儒教道徳や官僚の腐敗、不正に対する痛烈な、
批判を口にし科挙試験を何度も拒否し受験しなかった。

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だが賈宝玉は薛宝釵を妻に決め、挙式の当日に病床の林黛玉は、
寂しくこの世を去った。この頃から、無常を感じた賈宝玉は、
科挙試験の勉学に打ち込み、官吏登用試験の科挙に合格する。
最後には薛宝釵を家に残して家を出て姿を消してしまった。

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「プラトニックに徹した」

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1966年から10年間続いた文化大革命で古典の多くが迫害された。
水滸伝では宋江を悪とし宋江重ね合わせトウ小平を失脚させた。
だが、紅楼夢は毛沢東が「歴史小説」として読むように勧め、
毛沢東自身も紅楼夢を手放さなかったと言う事も有名な話である。

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紅楼夢は貴族上流階級の日常生活が描かれ、登場人物も350人を、
超える人々を起用し大きな規模だが、細部まで克明に描かれ、
1984年にテレビで放映されてより更に文化史的価値があるとされる。
男女の人情を描いた中国の古典長篇小説として恋愛模様が、
プラトニックに徹し情感も洗練を極めている点に人気を集めた。

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「輪廻を繰り返す生命」

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太虚幻境と書かれた下を潜り抜けた。紅楼夢に描かれた天上界の、
遣香洞では警幻仙姑という名の仙女が治めており、遣香洞では、
神瑛侍者(賈宝玉)が毎日、絳珠草に甘露をかけ、お陰で絳珠草は、
林黛玉として生まれ変わる。草木が人に生まれ変わる転生を書いた。

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賈宝玉として生まれ変わる神瑛侍者が下界に下り、後を追うように、
林黛玉も下界に下り、賈宝玉と何らかの縁がある他の仙女たちも、
続々下界に降り、薛宝釵、賈元春・迎春・探春・惜春ら美女12人の、
金陵十二釵の物語を書き綴り、輪廻を繰り返す生命をも語った。

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「栄華の絶頂を思わせる」

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過去世から転生した賈宝玉はじめ金陵十二釵の彼女らは運命に、
導かれて都の大貴族・賈家のもとに大集結し賈宝玉は小さい時から、
女の子と一緒に遊ぶのが大好きで、立身出世や科挙の勉強を嫌い、
官僚たちの事をあまり良くは思っていない。祖母の史太君の、
寵愛も度を過ぎ我がまま放題で育ち、聞き分けのない貴公子だった。

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賈家の長女の元春妃が帰省のために大観園が造園されると、賈宝玉も、
姉妹の迎春・探春・惜春達と大観園に移り、大勢の女性たちに囲まれ、
好き放題に遊び暮らす毎日に、探春の発案でサークル海棠詩社が発足。
艶やかに詩を詠み競う彼女らの姿は賈家の栄華の絶頂を思わせた。
だが、賈家の経済と命運は音を立てて崩れて悲劇的結末を迎える。

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「全ての因果を悟る」

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賈宝玉や金陵十二釵の彼女らの運命は、太虚幻境の薄命司の、
中に納められた「金陵十二釵正冊」に未来の事が書かれていた。
賈宝玉には父方の林黛玉と母方の薛宝釵の二人の女性がた。
二人は境遇や性格は対照的で、薛宝釵の家庭は商人で裕福だが、
林黛玉は父母を亡くし、賈家に身を寄せて生活していた。

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薛宝釵は商人の家に育ったのか周囲に配慮が行き届くのに対し、
林黛玉は過敏で疑い深く、自分の運命に不安を感じ日々泣き暮す。
林黛玉は前世の因縁により賈宝玉のもとに生まれ心から尽くしたが、
薛宝釵と結ばれる運命にあり林黛玉と賈宝玉は結ばれる事はなかった。
林黛玉は一生で流す涙を流し、その使命を終え、賈宝玉と薛宝釵の、
結婚の時刻に息を引き取る。賈宝玉は再び夢に太虚幻境を訪ね、
全ての因果を悟り、薛宝釵を捨てて出家し行方知れずになる。

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「紅楼夢は神話から始まる」

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紅楼夢は女禍補天の神話から始まるが、女禍はどんな神なのか。
女禍は太古の女神で、人面蛇身の姿に描かれ最古の神話では、
二人は別々の神であったのではないかとも考えられている。
女禍は人類創造の母神とされ、天地開明の頃、鳥獣虫魚は既に、
存在してたが、人間は存在せず、女禍は池のほとりで泥をこね、
池に映った自分の姿を真似て人間を作り出したとの内容だった。

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人間の数を増やすために縄を泥水に浸して振り回すと、
飛び散った水の雫から人間が産まれたが、丁寧な手作りの人間は、
貴人となり、適当に振り回し生まれた人は貧乏人や愚か者とされる。
ある時、天を支える四極の柱が傾いて、地が裂け、世界は乱れた。
火災や洪水が続き、猛獣が人々を襲う事態になったという。
女禍は五色の石を煉り天に空いた穴を修復し、天が傾かないよう、
大きな亀の足を切り取って四柱を支え、平和が長く続いた。

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