根っこの今

根っこの今

#2(1) 田んぼ

nekko

99年秋号(1)

黄金色に染まっていた田んぼの稲刈りが始まり、涼しい風が心地よい季節となりました。皆様いかがお過ごしですか?早いもので、アジア学院に来て、6ヶ月が過ぎようとしています。

アジア学院での生活を通して、小さな小さな種から芽が出て育つ姿、土の中の微生物の存在に驚いている。病害虫に対処する事の大変さを感じつつも、自然を壊すのではなく、自然と添いながら生きていく農業のあり方があるのだという事を学んでいる。

自然農法で有名な福岡正信さんが、アジア学院で講演会をした時に、「人間が中心になって農業をするのか、自然が中心になるのか」という事をおっしゃっていた。これは、私たちが生きていく上でも大切な視点なのかなあと思う。

田んぼ
田植えは、5月中旬に行われた。皆で一列になり、裸足になって田んぼに入る。
稲の苗を育てて、移植するのは、苗を守り発芽率をあげるだけのものだと思っていたが、今回田植えを通して、移植の際に、根切りをし、土を払い落とす時に根っこに刺激が加わり、根っこを強くする意味もあるのだという事を新たに学んだ。

アジア学院の創設者高見先生が、授業の中でこんな話しをしてくださった。
私たち一人ひとりを苗床で育てられた後、根切り(Up Root)し、移植(transplant)され違う土地に移される一本の稲の苗にたとえ、私たちの人生にも、移植作業が大事なのではないかというお話し。

自分自身の成長を植物にたとえると、苗床で大切に育てられた後に、畑に移され、虫に食われ肥料不足になったり、あわてて育ちすぎだりしつつも、自然や周りとの関係やいろいろなハプニングを通して、大きくなっていくそんな私。

アジア学院では、有機農業を実践しているが、農薬は使わないから、雑草の対処は深刻。そこで合鴨に活躍してもらっている。合鴨が田んぼをすいすい泳ぎながら、害虫や雑草の芽を食べてくれる。しかも、合鴨が泳ぐ際のパドリングで、酸素が土の中に入り、しかも稲の根っこを刺激するから、稲がたくましく成長するのだそうだ。

他の田んぼに比べて成長は遅かったが、合鴨のおかげ(!?)で、8月はじめに出穂し、立派に育っている。自分の食べていたお米はどこで作られたものだったのかなあ・・・そんな事を考えながら、この間、黄金の田んぼに入って、ヒエ抜きをした。収穫は間近です!





© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: