だんでらいおん。
先生達の、生徒を叱りながらも楽しそうな声。
―――――全部、うっとおしい。
「・・・今日も やっぱり一緒だ」
何時ものことだから、今更気になんてしていない。
大人達からの冷たい眼。
何時からかクラスの奴らも同じような目で自分を見るようになっていた。
今日も皆からはシカト、ひそひそと自分を蔑む会話――――
もう、どうでもよかった。
こっそり授業を抜け出して、アカデミーの屋上。
どうせ誰も自分を探しになんて来ないから。
今日はもう、帰ろう。
「お前、何やってんだよ」
「えっ！？」
焦った。
今は授業中の筈だ。
しかも、後ろに立っていたのは、
「うちは サスケ・・・・？」
確か、同じクラス。
クラスの奴らなんて、ほとんど覚えてないけど。
コイツは何でも出来て、女の子達からもモテてて、自分とは正反対だ。
あの「うちは一族」の生き残り。だから覚えてる。
それに、何処か自分と似ていて・・・・他の奴等と馴れ合うことはなかった。
「何だよ、うずまき ナルト」
「な、何で・・・・今授業中だってばよ」
相手が自分の名前も覚えてたことに驚いた。
・・・ああ、そっか。オレは問題児だから有名なんだよな。
「お前こそ授業中だろ？
こんなとこで何やってんだよ」
「オレはいいんだってばよっ！
どうせ・・・・」
どうせ教室に戻ったところで、また嫌がらせや陰口が待ってるに決まってる。
そしてまた自分は独りだ。
言葉を詰まらせて俯いていると、サスケが隣に座ってきた。
「・・・ウゼェ」
「・・・・っ」
やっぱり、コイツも、あいつ等と同じ・・・・
「クラスの奴ら、ウゼーから抜けてきた」
「・・・・へ？」
「誰かの悪口を本人に聞こえるようにいったり・・・
ああいう奴ら、マジでウゼェ。反吐が出る」
・・・『誰か』が誰なのかは他でもないナルト自身が解っていた。
「お前ってば、オレが怖くねぇの？」
サスケは黙ったままだ。
「逃げないで・・・避けないでいてくれんの？」
ただ、サスケは一度だけ頷いた。
――――温かいモノが頬を流れる。
そこで自分が泣いていることに気付いた。
ずっと独りで、泣くことさえ忘れてた。
「・・・ウスラトンカチ、何泣いてんだよ」
「な、泣いてなんかねーよ！
目にゴミが・・・」
慌てていると、サスケが軽く笑った。
・・・初めてかもしれない。
こうやって、火影やイルカ・・・ナルトが九尾を封印されている本当のことを知っている大人たちじゃなくて、
同い年の奴とまともに話をしたのは。
その後、何かを話すわけでもなく、二人は日が暮れるまで屋上に居た。
数日後、サスケもナルトもそれから話す事はなかった。
ナルトにはシカマル、チョウジ、キバ等の友人もできたし、サスケは相変わらずクラスの皆と馴れ合うことはしなかった。
ある日、サスケはアカデミーの近くの公園でナルトがシカマル達とふざけ合っていたのを見かけた。
その公園の一面にはタンポポの花。
サスケは誰にも聞こえないほどの小さな声で呟いた。
「お前、タンポポみたいだよな」
ナルト誕生日おめでとーーーーってことで。
題名から解ると思いますが元ネタはBUMP OF CHICKENのダンデライオンです。
ナルトにぴったしの曲だなーと思ったりして。
最後ちょっとぐだぐだーってなっちゃった(´．ω．`;)
またいつか手直しするかもです。
2007.10.06
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