★JELLY BEANS★アメリカ生活日記★

兄との思い出







朝起きてゴミを出した後に、ふと何気にカレンダーに

目をやると今日は7月7日だという事に気が付いた。

今日は皆様ご存知の通り"七夕"

アメリカに住んでいる時も、日本に住んでいる今も

アメリカと日本の伝統行事を祝ってきた私なんですが、

すっかり七夕の用意をするのを忘れてました。

ゴミを出さないと駄目なので、曜日感覚はあるのに

何故か日にち感覚がない私...



”7月7日”は、七夕以外でも私にとって大切な日である。

何故かというと私のたった一人の兄の誕生日だから。

私の誕生日が2月3日の節分の日で兄が七夕生まれ。

子供の時に何故かそれがすごく自慢で友達によく

『私と兄は行事兄妹やねん~。』

と自慢気に言いふらしていたのを覚えている。(笑)

なんで

そんなに自慢だったのか我ながら謎である。

   (その前に”行事兄妹”ってなんや!?)



兄と私は歳が2つ違いとあって小さい頃は本当に

よく一緒に遊んだし取っ組み合いの喧嘩もよくした。

ずる賢い私は兄と喧嘩するたびに母の元へ行き

『お兄ちゃんが、叩いた~。蹴って来た~。』

と泣き叫んだものだった。

母はいつも兄を

『あんたは、お兄ちゃんやねんから、妹を大切しなさい。』

とか怒っていたのを覚えている。

      (ごめんな~お兄ちゃん!)

幼い頃、

父が出張がちでほとんど家に居なかった。

母も親戚がやっている歯医者をよく手伝いに行っていた。

そんな時、2つしか離れていない兄は

私にとって

兄であり、母であり、父であった。

私が確か6歳ぐらいで兄が8歳ぐらいの時、

母が急用のため出かける事になった。

お留守番を頼まれた時は笑顔で見送った私だったが、

母が居なくなってしばらくして寂しくなって

大泣きしたのを今でも覚えている。

まだ8歳ぐらいの兄も

必死で寂しいのを堪えて、いつもは憎き喧嘩敵の私を

慰めようと必死になってくれた。

母はほんのわずかの間しか外出してなかったのですが、

私と兄にとって丸1日母の帰りを

待ったかのような感じだった。

母が帰宅して、母に抱きついて泣き叫ぶ私を見ながら

兄は泣きたくても甘えたくても

兄のプライドと男のプライドが交差して出来なかったと

後で母に聞きました。

私が泣き疲れて寝てしまった後に

初めて母に駈け寄って大泣きしたそうです。



留守がちな母の代わりに妹の面倒を一気に任せられていた

兄は自分の友達と遊びに行くのにも手のかかるワガママな

私をいつも連れて行かなくてはならなかった。

そんなある日、兄が友達と"べったん"で、

遊ぶというので、金魚の糞のごとく付いて行った。

私が小学生低学年だった頃、”べったん”(めんこ!?)

で遊ぶのが流行っていた。

       (ちょっと年代がばれますね~)

当時、私はいろいろな絵の付いた”べったん”を、

夢中になって集めていた。

そんな私のお気入りは、

何故か"宇宙戦艦ヤマト"だった。(笑)

”べったん”のルールで負けた者は勝った者に

自分が勝負の時に使った”べったん”を、

渡さなければいけなかった。私は自分のお気に入りの

”べったん”を絶対に勝負には使わなかった。

負けて取られるのが嫌だったからである。

でも、その日に限って間違えて使ってしまったのである。

兄の友達は、年下の私に容赦はなく勿論の如く勝って

私のお気に入りを取り上げてしまった。

あまりにもショックで大泣きする私。

         (なんてワガママな奴!)

何度も兄も自分の”べったん”を使って、

ワガママな妹の”宇宙戦艦ヤマトのべったん”を

取り戻すために戦ってくれた。

結局、兄は惨敗してとうとう兄自ら

お気に入りの”べったん”を使う羽目になった。

兄はそれを使うのを躊躇しつつ勝負に出た。




そして、負けた。




兄の悔しそうなその時の顔が今でも忘れられない。




そんな兄と私...いつしかお互い思春期を迎えた頃には、

あまり口を利かなくなっていた。

決してあまり仲の良い兄妹ではなかった。

そして、私が留学などして日本を離れたこともあって

ますます縁遠くなってしまった。



でも、お互い大人になってから

たまに電話で話すようになった。

とりとめない会話の中にも兄が私を想う気持ちを感じる。

好き勝手して人生を生きている私とは対照的に

いつも長男として、いろんなことを我慢して頑張る兄。

なんだかこの歳になって改めて兄の存在の偉大さに

気付きました。



あ~なんだか急に兄に会いたくなって来ました。



今日は七夕!

そして、兄の3*才の誕生日!

付き合って10年にもなる彼女となかなか結婚しない兄の為に、

今から笹を買いに行って短冊、

”兄が早く彼女と結婚するように...”

とでも願いを書こうかな......。


        (いつまで経っても迷惑な妹やろなぁ~。)



【2004年7月7日】









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