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2016年04月06日
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カテゴリ: 鈴木藤三郎
4月2日土曜日、青春21切符を使っていき帰り普通列車で、静岡県森町の「町並みと蔵展」に行ってきた。

袋井市の〇〇さんと12月袋井講演の打ち合わせをしたり、4時間際に台湾からの大勢の旅行者が鈴木藤三郎生家を訪問し交流するなど、収穫の多い一日であった。

その中で 藤三郎の伝記に出て来る  森町の薬局枡屋(ますや)の話と袋井の地蔵尊 について先に紹介したところである。

その折、身代わり地蔵の話はホームページから引用したが、森町の〇〇さんがお寺に貼られている延命地蔵尊の由来を写真にとってメールに添付して送ってくださった、感謝します。

不鮮明な箇所があり、推測で補ったが、とても面白いお話なので、再録する。


○○さんからのメール


先日の街並と蔵展では色々とお話しを聞かせて頂きありがとう御座いました。

ブログも拝見させて頂きました。



ますます森町と報徳の歴史にのめり込みそうです。

家に有りました資料が見つかりましたので送付させて頂きます。

また、お逢いしてお話しを聞かせて頂ける日を楽しみにしております。




 山梨(現在静岡県袋井市)の上町の通りをまっすぐ北へ進むと、突き当りに正行院という寺があり、江戸時代の初期、ここに地蔵さんがまつられていた。この地蔵尊はこんな話が残されている。

 むかし、むかし、太田川の西の牛岡村(森町)に おさわ と 熊吉 という夫婦が住んでいた。おさわは働き者で、親切で気のやさしい人であった。しかし、亭主の熊吉は働くことがきらいで酒ばかり飲み、かけごとが大好きで、家のことなど考えない困り者であった。

 おさわは何とかして熊吉を真人間にしようと、この地蔵尊に三七(さんしち)二十一日の願をかけた。毎夜、熊吉が寝静まったのを見すかすかのように家を抜け出し、太田川を渡って地蔵尊の前に座り、一心に祈った。

 ところが、しばらくしたある夜、おさわが夜な夜な外に出るのに熊さ『さてはどこかにいい人でもできたのか』と疑い始めた。ある夜熊吉が寝入ったふりをしていると、おさわは、すっと抜け出し外へ出ていった。そっと後をつけていくと、おさわは太田川を渡っていった。

 熊吉が太田川の堤防のかげに隠れて帰りを待っていると、おさわが急ぎ足で帰ってきた。堤防のかげから飛び出した熊吉は脇差を抜き『この野郎!』とおさわの肩先深く切りつけた。おさわはばったり倒れた。

 熊吉は人を斬ったのは初めてであり、脇差をさやに収めて知らぬていにて家に帰り、ふとんに入ろうとして横を見ると、おさわあ気持ちよさそうに眠っていた。体をみたが何の傷あともない。

 熊吉はあまりの不思議さにわなわなと震えてきた。

 もしかしたら、あれは地蔵尊の化身だったかも知れないと、二人は急いで地蔵尊のところに行ってみると、その地蔵尊は肩先を深々と斬られたまま、笑みを浮かべて立っていた。

『ああ、申し訳ありません』

二人は合掌し、❝今までのことを許してほしい”とお願いして家に帰ってきた。

その夜、熊吉は心から罪を改め、まじめな堅い人間になってよく働く人になったという。


 ありがたや 万(よろず)の罪を 身に代て

  月見の里に照す み仏





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最終更新日  2016年04月07日 03時18分44秒


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