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2021年04月19日
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「Self-sacrifice of the rarest kind, based upon a voice from the innermost depth of soul
魂の奥底からの声に基づいている最もまれな自己犠牲
its high-calling その高いコーリング(召命)」

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「代表的日本人」と内村鑑三の日記と手紙 その4
Thus we see that the Japanese Revolution of 1868, like all healthful and permanent revolutions, had its origin in righteousness and God-made necessity. The land that had been obstinately closed against greed, opened itself freely toward justice and equity. Self-sacrifice of the rarest kind, based upon a voice from the innermost depth of soul, did Bins open its doors to the world. They therefore sin against the height of the heavens who seek self-aggrandizement in this nation, as do they also who mistake its high-calling, and allow it to be trampled by the mammon of this world.
 それゆえ私たちは見る。1868年の日本の革命(明治維新)は、すべて健全で永続的革命のごとく、正義と神の定めたまいし必然とにその起源があった。その国土は―強欲に対して頑として門を閉ざしてきていた―正義と公正とに向って進んで自らを開いたのである。最もまれな自己犠牲―魂の奥底からの声に基づいている―は世界にそのドアを押し開いた。彼ら―この国のなかに自己の権力の拡大を求める者―はその結果として天の高さに対して罪を犯すのだ。その高いコーリング(召命)を誤解し、この世のマモン(富)にこの国を踏みつけることを許す者もまた同じく罪を犯すのだ。
<1 The Japanese Revolution of 1868 終わり>
『ボーイズ・ビー・アンビシャス第2集 米欧留学篇』p.86
一八八五年一月十一日 日曜日 

第六一信(英文封書)〔ジョンズ・ホプキンス大学 新渡戸稲造あて エルウィンより〕日5p.114
一八八五年一月十九日夕、エルウィンにて
 常に親愛なるモンク(新渡戸のあだ名)
 クリスマス付の手紙たしかに受け取った。その手紙で君が僕のハートの中に呼びさましてくれた新しい感動については、ここに書く必要を感じない。僕にとり、いつ眺めても非常に懐かしい(so sweet)一枚の写真がある。すなわち「札幌三人組(Sapporo triumvirate)」の写真である。
カボ(宮部金吾)の無邪気な「サボテン」顔、太田ツネテル君のカーライル張りの、「ふところ―寒し」の顔、僕自身の心―寒しの風貌、これらは肖像として真に迫っている。
われわれ三人が将来についてともども語り合った、
偕楽園のあの晴れた日を想い出す!ああ!あの記念すべき日以来、何たる恐ろしい失敗を重ねたことか!札幌行の玄武丸の船室を占拠した二十一人の少年のうち八人が摂理によって、特別な一団に「分化された」のである。しかしカボと君とが《立志編》の勉強を始め、フレットおじさん(the Uncle Fred)から辛らつな口調で「ひどい批判」を受けてから、この分化はさらに一歩を進めて、ついに札幌三人組にまで発展したのである。兄弟よ、僕の眼には、この経過はこれでとまらない。友情の熱さは友人の人数に逆比例するようである。8が3に減れば、愛の精神は1/3―1/8=5/8増したのである。伊香保の湯本の木かげでの静かな祈りの後で、われわれ二人が目的、希望、不安を語り合い、それらが一つであると知った時の、あの晴々とした光景を君は思い出すことができるか。われわれを結ぶそのきずなは幸いなるかな。さらにわれわれが僅か数ヵ月間異った半球に別れていただけで、今はお互いに、汽車でわずか六、七時間ぐらいのこんな近いところに、しかも同じ目的をもって、いるということは、むしろ奇異なことではあるまいか。これは the FAMOUTHS を無視せよと言っているのではないし、まして三人組が非認されていると言っているのではない。
 ここでは非常にうまくいっている。僕の任務は一晩おきに夜勤することと、最も知能の低い白痴児童に、一日三時間、歩き方、ハシゴの昇り方、ダンベルの使い方を教えることである。これは彼らにとっては、非常に楽しい時間である。いつか君に来てもらいたい。ケルリン博士は君がここへ来て、僕の部屋にとまることを非常に喜んでくれるだろう。僕は十フィート平方の、かなりよい調度品のついた、小さな部屋を持っている。読みものは豊富だ。たくさんの手紙をもらうが、大部分婦人からだ(!!!!!)。フィラデルフィアに相当数の友人ができた。「アメリカン・ナチュラリスト」誌の発行者で、僕が日本にいた時から文通していた人の一人であるマッカラ氏は、当地から三マイルのところに住んでいる。氏は僕に対しすこぶる親切である。君の周囲の人々について何か知らせてくれたまえ。
 日本から一通の手紙が来た。魅惑的なニュースがたくさん書いてあるらしかった。彼女〔浅田タケ〕が僕あてにしたためたものである。僕はさっと目を通しただけで、下水へすててしまった。冷たい仕打ちに見えるだろうが、今は「涙とまことしやかな言葉」で動かさるべき時ではない。彼女は最大限度まで僕を侮辱した。彼女の行状を聞いたら、君はびっくりするだろう。今後どうなるか、僕は知らない。僕は神に対し、両親に対し、さらに君に対しても同じように、罪を犯したのだ。こんなニュースを君に書く「顔がない」。ただ君の僕に対する変らぬ友情に対して書くのである。誰の前にも弁解の余地がない。あやまちは人の常である。しかし僕の犯したようなこんなあやまちは、人間以下である。
  わが生涯の誤りは多し
   わが心の罪はさらに多し

   われはとびらを叩くべし
 君が信仰のことに熱心なのを知り、実にうれしい。神とキリストとが、今、僕にはっきりしている。僕はあらゆる点で不完全だが、キリストのゆえに義(ただ)しい人である。神は七日間に地球を創造したもうた。そのとき、朝あり、夕ありきではなく、夕あり、朝ありきというのが一日だった。われわれはしばしば、精神的夕べをとおって、「暗黒そのもののような闇」(ヨブ記)なる暗黒の中へ入り、さ迷い歩いた後、神からあかつきの明星を与えられるのである。もし神が導いて下されば、われわれは日ごとに賢くなりつつあるのである。今、ハヴァーガルの著書を読んでいる。彼女からたくさん教えられる。当院には立派な婦人が大勢いて、皆、僕に極めて親切にしてくれる。クエーカーで金持ちのモリス夫人は、今、僕の良い友である。こんどの金曜日に彼女の家へ泊りがけで行くつもりだ。僕は依然、アメリカでさえ、《田舎モノ》だ。フィラデルフィアにはただ二回行っただけだ。エルウィン丘の頂きに閉じ込められて以来、僕は「白痴」の間で時を過している。だから僕がますます馬鹿になりつつあるのも、ふしぎではない。
 ひまを見て手紙をくれたまえ。少なくても二週間に一度は、手紙を交換し合おうではないか。この手紙の返事を来週くれたまえ。そうすれば僕は一週後に返事を書く。僕のために祈ってくれたまえ。僕は絶えず君のために祈っているから。いつも君の
   ロン(内村鑑三のあだ名)





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最終更新日  2021年04月19日 17時04分14秒
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