今日の気持ちを短歌におよび短歌鑑賞

今日の気持ちを短歌におよび短歌鑑賞

2021.07.22
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カテゴリ: 短歌

7月22日(木)

対談岡井隆X穂村 弘(3)

(平成27年4月14日:NHK金沢市全国短歌大会)

岡井 隆 わたしの短歌史―その強さと弱さの魅力(3)

  仮説をたて仮説をたてて追いゆくにくしけずらざる髪も ( ) え立つ

穂村 普通にこの歌の状況を読むと、「不精だ」となる。だけどこの

歌、ものすごくかっこいいんですね。まるで、心理を追究する魂が髪

の毛を逆立てた、みたいな、そんなふうに読めるんです。なぜ岡井さ

んが短歌を作るとかっこよくなるのか。

岡井 私自身としては思い出のある歌です。五、六人の人間が狭いお

粗末な研究室の中で、ある病気について、どうすればそれを叩くこと

ができるかと、毎日話し合いををしながら研究を進めているわけです。

世界中の文献がどんどん集まってきます。「多分あそこは、 A から B

にいっている。だから A B は関係があるんだ」というような仮説

を立てるのですが、その仮説がだめな場合は、「あの仮説は間違って

いたんだ。じゃあ A から C という考え方に変えようじゃないか」と、

毎日論議しながらやっていくわけです。研究室の中の人は誰一人と

して髪の毛をなでつけている人なんていない。昭和で言うと三十年代

かな。

穂村 僕には、そこまで何かを追究したという記憶がなくて、気圧さ

れるんです。

岡井 それはまた後で、あなたのことを聞きましょう(笑)。

(つづく)





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最終更新日  2021.07.22 07:30:15コメント(0) | コメントを書く


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