ジョナサンズ・ウェイク

ジョナサンズ・ウェイク

ジャズ小説(筒井康隆)



学生のころは、よく吉祥寺辺りのジャズ喫茶へ足を運んだものだが、仕事をしている今では、精神的にも時間的にもなかなか余裕が持てない。そんな時には、この本を通してジャズの世界に入り込む。
できれば洒落たカフェなどで読むのが望ましいが、なかなかそうはいかない。そんな時は雰囲気作りに励む。例えばこんな感じで。まずは、心地よく晴れた朝か、月明かりの映える夜に部屋の窓を全開にして、部屋に入り込む風を浴びながら、「ジャズ小説」に紹介されてるジャズのCDを流す。これで読む準備は整った。

ページを開けば、早速ニューオリンズのディキシーランド・ジャズが陽気に流れてきて、軽快なクラリネットのサウンドが五感を楽しませてくれる。次いで、雰囲気は徐々に真夜中の「ラウンド・ミッドナイト」へ移り変われば、腹の底までズンとくるソニーロリンズ・テナーサックスの重厚な響きが。さらに甘美なるアドリブに酔いしれた挙句、最後にセンチメンタルな「ライオン」が心を静めてくれながらのクールダウン。

ふーっと、息を吐きながら本を閉じれば、あとは余韻を楽しむだけ。

ジャズ小説 / 筒井 康隆【カセット版】

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