ジョナサンズ・ウェイク

ジョナサンズ・ウェイク

サウスバウンド(奥田英朗)



語り手は小学校6年生の上原二郎。父親の一郎は元過激派で自称小説家。年金を支払うのは国民の義務だという徴収係に「じゃあ国民やめた」と宣言し、子どもには「学校なんて無理して行かなくていいからな」と言う傑物だ。我が道を行く父と、翻弄される家族……。平易な言葉でディテールを積み重ね、人間をユーモラスに、時に残酷なほどリアルに描く。

いやー、面白かった。少年の視点で書かれているからこそ、こんなにも面白いのかな。スティーヴン・キングの『スタンドバイミー』に劣らぬ少年たち。

さらに登場人物たちが魅力的だ。『空中ブランコ』でお馴染みのトンデモ精神科医、伊良部一郎に劣らず、『サウスバウンド』の上原一郎(いま気づいたが、同じ名前だ)もかなりのインパクトがあった。本を読みながら彼と一緒に大口を開けて笑ってしまった。ガハハ。

最近面白い本を読んでいない人。面白い小説、ここにあります!↓

サウスバウンド

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