ジョナサンズ・ウェイク

ジョナサンズ・ウェイク

模倣犯(宮部みゆき)



フィクションとして読むことが出来なかった。目も背けたくなるほど猟奇的な事件が、とどまることのない現実であるが故。宮部みゆきは、混沌の坩堝の中から、凶悪犯罪の闇に光を照らした。

また作者は、事件の被害者と関係者、マスコミ関係者、警官、一般人たちの其々の視点で描きあげている。さらには、犯行者の視点でも描く。それらの集大成が、現代社会の有様を浮き彫りにしているのだ。

これはもはやフィクションではない。この小説の登場人物たちは考え、行動し、生きている。そして死んだものは帰ってこない。この物語に、そして混沌の時代に終焉(おわり)は来ない。

模倣犯(上) 模倣犯(下)



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