ジョナサンズ・ウェイク

ジョナサンズ・ウェイク

砂漠(伊坂幸太郎)


 ところで、これ以上砂漠を語るに先立って、
  ある一つのオアシスについて語りたいと思う。
          ―『人間の土地』サン=テグジュペリ―

とある大学生たちの「春」「夏」「秋」「冬」を描いた青春ストーリー。苗字に「北」が入っているからという理由で、中国語と確立の勉強(麻雀)に誘われた北村だが・・・。
彼らを見ていると、自分自身の大学生活が思い出されて、何だか懐かしい感じすらした。
卒業後に旅立つ社会を「砂漠」に例えるなら、気ままな大学生活は「オアシス」だったのかも知れないな。
西嶋は世の中を憂いながらも、「俺たちがその気になればね、砂漠に雪を降らすことだって、余裕でできるんですよ」と明晰に断言する。彼らなら本当に「砂漠に雪を降らせることが出来」そうな気がした。
驚くことに、読み終えて窓の外を見やると、真夏なのに雪が降っていた。

砂漠 人間の土地改版

なんてことは、まるでない。

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