ジョナサンズ・ウェイク

ジョナサンズ・ウェイク

本の運命(井上ひさし)



わたしの採点:★★★★★

著者名:井上ひさし  訳者名:

挿絵:

DATA
値段:390円     出版社:文春文庫
出版日:2000.7.10  購入日:

きっかけ:教研論文の資料として読み始めた。

購入場所:どこかの古本屋(覚えておらず)  

読了した場所:喫茶「SUN HILL」

MEMO:山形県川西町「遅筆堂文庫(井上図書館)」
     解説、出久根達郎

心に残ったシーン・せりふ:
言語は人間に与えられた最上で最良の贈り物であって、その贈り物の大部分は本を媒介として人間に示されているんですね。本にまさる媒介物は将来も現われないでしょう。ですから本の運命は厳しいなんてことを言う人もいますが、僕はそうは思わない。断言してもいいんですけど、本は絶対になくならない。本がなくなる時は、書記言語のなくなる時です。その時、人間はたぶん別の生き物になっているでしょう。

感想:
本書は、作家井上ひさしが、本と共に過ごした半生を書き記したものだ。これを読んだら本好きはますます本好きに。本嫌いも「おっ何だか本って面白そうだぞ」と思うに違いない。

「井上流本の読み方十箇条」をメモ。
1.オッと思ったら赤鉛筆
2.索引は自分で作る
3.本は手が記憶する
4.本はゆっくり読むと、速く読める
5.目次を睨むべし
6.大部な事典はバラバラにしよう
7.栞は一本とは限らない
8.個人全集をまとめ読み
9.ツンドクにも効用がある
10.戯曲は配役をして読む

かくも楽しき読書の手引き。筆者の本の好きっぷりには、見事というか一種の爽快感さえ感じられる。10万冊の蔵書に家を潰され、最後には井上蔵書による図書館まで出来上がってしまった(山形県川西町「遅筆堂文庫」)。いつか行かなきゃな。これでまた楽しみが増えたぞ。


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