ビーズの組合せ

ビーズの組み合わせ


ビーズの作品って組み合わせそのもの

今までお作りになった作品で一つだけのパーツで構成されたものってあります? ほとんどの方は「ない」ってお答えだと思います。一つだとビーズとして存在できてもアクセにはなりませんよね。「大振りのヴェネチアン1個を皮ひもに通しただけだから1個よ!」ってお答えもありますが、皮ひもがあるからチョーカーになるんです。その時、何色の皮ひもがいいかとか、無意識であっても考えていると思います(手持ちが1色しかないときは別!)。ビーズを使った作品作りってすべて「組み合わせ」。ビーズの楽しみって、組み合わせの楽しみだと私は思っています。このページにはビーンハートをベースとした私の考えるビーズの組み合わせについて書いて行きたいと思います。


ビーズを構成している要素って?

ビーズの組み合わせを考える時、ビーズそのものを構成している要素が何か考えることがあります。私それを「色」「質感」「表面加工」と捉えています。「色」、雑誌の流行色特集で見かける色紙を合わせたような色見本の組み合わせ、アパレル関係の方だとこれでもいいと思うのですが、ビーズに関してはあまり役にたちません。私も最初の頃マネをしようとずいぶん試してみたのですが、ビーズには色以外の要素があって、色見本の組み合わせを作品に再現することが難しいのです。では何があるのでしょう。まず最初は「質感」。このサイトでは質感を透明感として扱ってますので、ビーズ用語ではオパール、オパックとかメタル。もっと平たく言うと、透明とか半透明とか不透明って事でいいと思います。言葉では3文字で半透明って書いちゃいますが、チェコFPでは奥の深い世界(?)。どれくらい半透明かで結構バリエーションがあります。もっともチェコビーズの世界ではバリエーションかバラツキか、議論の余地はあると思うのですが、使ってる本人が納得して楽しめればバラツキもバリエーション! 


手持ちから8mmFPでオパールホワイトを並べてみました。買った時期はバラバラで、ショップは神戸OuiOuiさんと貴和支店さん、大阪店さん。このカラーは一袋の中でもばらつく事がありますね。でももちろん色名表示は全て同じです。私は全部取り出して、質感別に三つのグループに分けて3色として扱っています。

この段階で要素としては「色+質感」、幅が広がってきましたね。これをもっと複雑にしているのが表面加工。広義では「ファイヤーポリッシュ加工」も表面加工の一つかもしれませんが、こちらは工法そのものでちょっとお話が広がりすぎ。ここではスワロで有名になったABやサテン、チェコではおなじみのラスターやキャル、バレンチニット、パール。そうそう、表面をわざと荒らして光沢を消すマットも表面加工ですよね。最近はこれを組み合わせたマット・キャルなんかもあって、ますます複雑!

ここまでのお話で、要素は「色+質感+表面加工」となって、すでにとんでもない組み合わせになりました。さらにもっと踏み込むとラインってシリーズもあって、こちらは内面加工(?)って感じですが、今回のテーマからはずして考える事にします。さて、これだけある組み合わせの中で、何を指針としてビーズを合わせていくかですが、ここでは「まとまり」をキーワードに考えて行く事します。その他のキーワードとしては「意外性」とか「ミスマッチ」って切り口もありますが上級テクニックですよね。


まとまりを中心としたビーズの組み合わせについて

私は 理系ビーダー ですから、ビーズ合わせにしてもすぐに理由付けしたくなるタイプ。こんなテキストを書いている事自体、理系の証拠です! 文系の方は理論ではなく感性で編んで行かれますから、ドキッっとするくらい意外な組み合わせに広場で出逢う事があります。でもマネしようと思ってもダメ。この先は文系ビーダーさんの作品の魅力解析も合わせて考えて行きましょう。

まとまりって大切

やはり身に着けて、人にも見て頂くものですからご覧になった方が不快感を覚えるのはイヤなものですね。となると、どうしてもまとまりや安定感(保守的とか無難ってのもあるかも)を求めてしまうのですが、そんな時はどこかで共通点を見出すといいですね。まず色。色の世界には色相環があります。赤~橙~黄~青緑~青~青紫~赤紫、そして赤に戻っていく環のことですが、これが光学的に発見されてからまだ100年程しか経っていないって意外な事。色って自然界にずっとあったにも関わらず「環」として認識されなかったらしいです。色の共通点だと、同じ色相を選ぶ組み合わせか、類似色相と呼ばれるお隣の色同士を使うって手ですよね。


浅草橋J4さんで見つけたチェコAB・ライトシャムと広島ビーズから#995を組み合わせてみました。ベリー感を感じます。


次は質感ですが、こちらも簡単。よく似た透明感を組み合わせてみます。


不透明同士の組み合わせ、最近のお気に入りはチョークホワイトとゴールドの本金です。左側をご覧下さいね。まだまだバリエーション展開できそう。


そして最後が表面加工ですが、マット&マットでクール感を強調したり、AB+レインボーのシードでオーロラと虹の競演って組み合わせも楽しいですね。また表面加工の印象を頂いて、メタリックなシードを合わせるのも大好きです。


マット&マットはお約束 クリスタルのマットとトパーズのマットシードを組み合わせるとこんな感じ。

CWブロンズLとTOHOの#221で鉱物見本のようなビーンハート 金属が含まれた岩石を表現してみました。

バレンチニットの表面加工とロイヤルの#602 ほんの少し色味が違いますがメタルでのイメージ合わせですね。


三つの要素を組み合わせて

ここまで、三つの要素を分解して見てきました。作例もシンプルなものをできるだけ掲載したつもりですが、表面加工のABやラスター感等を合わせるってお話以外は、市販のビーズ本でもよく見かける内容ですね。でも実際のビーズ製作では、この要素をミックスしてビーズ合わせをする事が多く、私はビーズ合わせのポイントはこの三要素のバランスの取り方だと思っています。お友達の文系ビーダーさんの作品を見せて頂くと、透明・半透明・不透明ビーズ(例えば、パール・天然石・スワロ)が一つのリングの中に混在しています。でも見事にまとまっているのです。そこで視点を変えて色に注目すると類似色相でまとめておられたり、表面のツヤが揃えてあったり。じっくり見せていただいてスゴイ!って思うのですが、お話を伺うと「えっ、何気なく適当に組み合わせてるだけよ!」。ビーズ合わせの極意ですね。感性の中に組み合わせのルールをちゃんとお持ちで、これが作家さんの個性とか作風そのものなんでしょうね。本当にうらやましくなります。さらにもっと踏み込むと、「どこまでバランスをくずしても大丈夫か」をちゃんと押さえられおられる方も多く、ここまでくると「模倣」はできてもそれを「応用」する事は私には到底できません。

色だけじゃなくて、それ以外にいろんな要素を持っているビーズ。何年経っても同じモチーフしか編まない私ですが、こんな所に魅了されたのかまったく飽きません。私のサイトから発信できる情報で敢えて一つだけ価値があるとすれば「ビーズの実物組み合わせ見本」って所かもしれませんね。

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