ちょっと本を作っています

ちょっと本を作っています

エピローグ みんなで遊ぼうよ

エピローグ みんなで遊ぼうよ。そして、言い訳




何か忘れていないだろうか。

木々のざわめき、むせ返るような草いきれ。

少しづつ、また少しづつ姿を変える、ポカーっと浮かぶ雲のドラマ。


だから何って聞かれると困るけど、ねー面白いんだよ。

みんなに見せたい。みんなと、この時間を共有したい。

子どものときに、いつも仲間がいたように。


それは、あなたの感動が、私に伝わるから……。

一人一人の、感動が共鳴して、シンフォニーを奏でるから……。

いいとこ見つけたよ。秘密基地を作ろう。俺の寄り道に付き合ってよ。


ディズニーランドもいいけれど、バーチャルの世界に囲まれていると、ジワーっとくる感動がない。

キューンと胸が締め付けられるような、甘く切ない想いが甦ってこない。

ネバーランドだと思っていた世界が、すぐそこにある。

ちょっぴり、あなたの時間を下さい。

飲み代1回分、ガソリン代に代えて、房総の海に、そして山里へ走ろうよ。



何とはなしに、緑いっぱいの千葉県佐倉市の旧家に転がり込んだ。

何とはなしに、房総のチベットと呼ばれる亀山の、そのまた山奥のコンタ(小仁田)の、縁もゆかりもなかった小母さんちへ通った。

何とはなしに、外房の御宿近くの『漁業関係者以外立入り禁止』の場所へ何度も出かけ、海で働くお婆さんたちと焚き火を囲んだ。

そして大多喜の、何も無い山林。


すごく大切な宝物を見つけたと自分では思っているが、傍から見れば、どうでもいいような馬鹿げたことかもしれない。

千葉県、房総半島は、すごくいい所なんだが、とりわけて目を引く山があるわけでもない。

海も、伊豆半島などに比べると、いまいち変化に乏しい。


五十代半ばになって、都会の生活にも疲れ、あまのじゃくなものだから風光明媚な観光地にも飽きてしまった。

でも、綺麗なバラやランよりも、土手に群れ咲くオオイヌノフグリの青い花びらに、心魅かれるのは、私だけだろうか。

出版業を生業(なりわい)にしているものだから、ついつい原稿にして遊んでしまった。

もし何かの機会があって、しぶしぶでもこの原稿を読んで、

ちょっと、こいつと寄り道してみようかと思う人が1人でも、2人でも出てくれば、目的は果たせる。

そんな人からの連絡を待つことが、私の、次の遊びなのかもしれない。



終わり



※ この千葉の里山暮らしの後、ほぼ一年後に両国へ転がり込みました。

そしてある出版社のM&Aとさらに別の会社の破産処理を手掛けました。

そうだ、もう一つの雑誌社のM&Aもやったっけ。

そんな折に巻き込まれたのがナタマメ茶騒動です。

私の被害も大きかったけど、そのお陰でブログに出会いました。両国の隠居の誕生です。

その両国からも逃げ出し今度は丹沢の麓、神奈川県の秦野の団地に住み着きました。

ここにも自然が一杯、私の終の棲家になりそうだと思いました。

そんな私の前に現れたのが、さらに山のほう、南足柄に住むセトファミリーです。

セトパパさん、セトママさん、セトハル君、マチャト君、チーちゃん。

さらに私の団地の近くに居るセトママさんのジーちゃん、バーちゃん。

そんな家族と共に、私の第2の『すぐそこの田舎暮らし』が始まりました。

ただ今進行形。一区切り着いたところでまたまとめます。

みんなー! 遊びにおいでよー!


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