02. Pacific Dunes

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太平洋に沿って北上するパー4、13番ホール
写真を撮るなら赤ティからが良いとキャディが教えてくれた




今日はPacific DunesそしてBandon Trailsの36ホールを
歩きで回るタフな一日だ。 あたりが明るくなっても雲が低く
上着を着ないと寒くていられない。 8月だというのに気温は
12度、幸いに風は強くない


プロショップで受付を済ませ、スターターとあいさつを交わすと、
日本人をもっとバンドンに誘致するにはどうしたら良いかと質問
され、いくつかアイデアを交換するうちにキャディが登場した


Rickという名の50半ばから60歳くらいの男だった



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青空と青い海、美しすぎるコンビネーションだが実のところ
このホールでは大たたきをして、この美しい景色を楽しむ
余裕すらなかった



KateとRonという50代中ごろの夫婦との3サムで回ることに
なり、それそれがキャディを抱えているので計6人で歩く 



二人ともそれほどゴルフが上手というわけではないが、
一緒にラウンドして楽しい仲間だった。 二人はジャック
ニクラスのふるさとのオハイオ州コロンバスからやってきて、
ロンは自動車の溶接の機械を作る会社を経営しているという



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ラフが連なっていると、それを避けようとしてついつい
力んでしまうが、ホールによってはグリーン前に十分な
スペースがあり、そこを転がし上げればよいホールもある
この位置から見ればそれがわかるが、セカンド地点からは
グリーンにダイレクトで運ばなければならないように見える

設計者が錯覚をうまく利用しているわけだ





パシフィックデューンズは4つあるバンドンデューンズのコースの
中でゴルフ誌が発表するランキングで最も評価が高いコースで、
Golf Magazine社の2009年度のランキングでは世界16位に
ランクされている



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いったいどこへ打てと言うのか
何のことはない、勇気を出してゴースの茂みを越えて
フェアウェイに打てばそれで良い

ただしフェアウェイにボールがあるからといって、平らな
ライが待っているとは限らないし、パーが取れる保証など
なにもない





このコースを設計したのはトム・ドーク。 現在最も評価の
高いコース設計家の1人で、彼が設計した4つのコースが
世界のトップ100にランクされている。 また2008年に
junhiroが回ってお気に入りになったパサティエンポも
彼の手により、1920年代にアリスターマッケンジーが
設計した時代に近くなるようにリノベーションが行われた


トムは相当に"おかしな"子供だったようで、小さなころから
コース設計に関する本を読み漁り、大学では自分で学びたい
内容に沿ってカリキュラムを組めるという理由で、名門の
コーネル大学を卒業している


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丘の向こうに広がるのは大海原
黄色いピンフラッグが北風にはためいている





彼の設計に一貫しているのがミニマリズムだ。 ゴルフ設計に
おけるミニマリズム、つまり、土地が本来持つ地形や特質、
傾斜を最大限に引き出し、土を動かすことを最小にする方法だ

ピートダイがコースに恐怖を持ち込むために重機を多用して
土を大量に動かしたり、別の設計家がコース内に滝を作り
ディズニーランドのようなコース設計をするのとは対極に
ある設計思想を持っている




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トム・ドークは必要以上に難しいコースを望んだわけではない
その証拠にコース中に猛威をふるっていたゴースをかなりの数
間引いてこのような景観を提供している









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パシフィックデューンズの評価の高さはトムの設計もあるが、
この素晴らしい景色がその一因となっているのは間違いない

冬は北に向かって打つパー3、その難易度は夏とは比べ物に
ならないだろう





なかなかパーが取れないままホールを進む。 棘ばった
ゴースの中を進む所があったので仔細に観察してみると、
先がとがっていて簡単に洋服を裂いてしまうような硬さだ


その昔アイルランド人がゴースはこの地に持ち込むと、
あっという間に広がり手が付けられなくなったのだという

ゴースは油を多く含んでおり非常に燃えやすく、そのために
バンドンの町は過去に2回ほど大火に見舞われている

バンドンデューンズが出来ることで、海岸線に続くゴースが
うまく間引きれて、大火に見舞われる可能性が減ったそうだ


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深い緑色はゴース。 こいつに捕まったが最後、運良くボールが
見つかっても、棘の鋭さと固さでアンプレイアブルを選択すること
くらいしかゴルファーに選択の余地はない




18ホールを終えると空腹を覚え、コースと太平洋を一望
できるレストランのテラスでサンドイッチを頬張った



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