じゃくの音楽日記帳

じゃくの音楽日記帳

2016.05.21
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カテゴリ: きらクラ!

BGM選手権、 5月15日 の出題は、「カフカが残した文章」でした。カフカの草稿というかメモのようなものなのでしょう。カフカのお題は、「変身」についで2度目でしょうか。僕は「変身」のときはまだ、投稿しないで聞くだけのリスナーでした。

カフカは、青春時代に夢中になって読みました。「城」、「アメリカ」、「審判」。意味は良くわからなかったけれど、圧倒的に迫ってくる世界の不条理に、一人むなしく抗い、あっけなく敗北する主人公の孤独に、ただただ強烈なインパクトを受けました。そのカフカのお題です!そこでいい曲を選びたいと思いました。

それで、いくつか思い付いた曲をあててみると、どれもみな、そこそこ合います。さらに、その曲から芋づる式に連想した他の曲をあててみても、どれもみな、そこそこ合ってしまいます。かくて候補曲群は膨れ上がるばかりで、しかし決定打が出ません。これは困った、と思っているうちに 木曜日 の夜になってしまい、もう仕方がないので、膨れ上がった候補曲を大ナタでばさばさ削り落とし、なんとか3曲に絞り込んだのが木曜の22時半でした。よし、この3曲を出そう、と決めて、そこから三つの作文にとりかかりましたが、これもまた遅筆ゆえはかどらず、ようやく2本投稿したものの、最後の一つの作文が難航し、気が付いたらもう24時ぎりぎり!あわてて、ともかくも送信のボタンを押したのが、おそらく24時ジャストだったかと思います(^^;)。

○ヴァレンティン・シルヴェストロフ作曲
チェロとピアノによる「三つのポストリュード」(1981/1982年)から第3番
https://www.youtube.com/watch?v=7tjP7eF83x8
シルヴェストロフの音楽は、ひそやかな悲しみとほのかな温かみと郷愁を秘め、現代に生きる孤独がにじみ出て来るようで、かなり好きです。カフカの世界観と、軋みあいながらも、じんわりと共鳴するように思いました。

○モンポウ作曲 組曲「内なる印象」第1番哀歌 第1曲冒頭から、第2曲途中まで
https://www.youtube.com/watch?v=yP3pJ9ZkF3M
内なる孤独と向き合う切り詰めたピアノの音が、カフカの不条理な孤独を、鮮やかに際立たせるように思いました。「内なる印象」は、 5月1日 の番組でもリクエストでかかりました ね。僕はこの曲を、舘野泉さんのピアノで愛聴しています。

○アルビノーニ作曲 アダージョト短調
https://www.youtube.com/watch?v=zuh3WyfVL2M
昔オーソン・ウェルズが、カフカの「審判」を映画化した際に、この曲が使われていました。白黒映画です。この映画の細かいところは全然覚えていないのですが、映像とこの音楽が、僕の中で固く結びついてしまい、カフカと言えばこの曲がまず頭に浮かんでしまいます。「変身」には合わないけれど、このお題には、結構合うように思いました。
リンクを貼った画像の演奏は、カラヤンによるもので、一つの美の極致と思います。そしてこの画像は、今回たまたま検索して初めて見ましたが、かなり良いです。SFファンの立場から見ると、かなり見ごたえある、完成度の高い映像作品(静止画のスライド形式)です。ただし途中に映画「ディープインパクト」みたいな津波の絵が、動画ではありませんが出てきますので、試聴にあたってはご注意ください。)

それにしても今回のお題、合う曲の範囲がすごく広いなと思いました。カフカの文章の懐の深さゆえでしょうか。






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Last updated  2016.05.22 02:32:55
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Re:きらクラ!BGM選手権:カフカの断片とシルヴェストロフ・モンポウ・アルビノーニ(05/21)  
快調家族 さん
>カフカの草稿というかメモのようなもの・・・
とお聞きしてホッとしました、浅読みで勘違いの可能性もあったわけで~
我が家も「変身」の時は、聴くだけ以前の聴いていない若しくはカーラジオのスイッチを入れたら聴く程度でした^^;
「変身」は女の子達がグロテスクで嫌~~と言う中、結構平気で読んだような? 他に短編集も・・・あの世界観、嫌いじゃないです。
>どれもみな、そこそこ合います
そうなんです!これが悩みのタネになって長期化するとマズイと思い、早々に投稿してしまいました、浅はかだったかもです^^;
24時ジャストのが採用されたら、もうこれは前代未聞の拍手喝采ですよ!
個人的には、初耳の作曲家シルヴェストロフの曲に胸を打たれました、届け!スタッフさんに・・・ (2016.05.22 06:55:03)

Re[1]:きらクラ!BGM選手権:カフカの断片とシルヴェストロフ・モンポウ・アルビノーニ(05/21)  
じゃく3  さん
快調家族さんこんにちは、いつもありがとうございます!
“草稿というかメモのようなもの”なのかどうかは僕もさっぱりわからず単なる憶測ですので、勘違いの可能性もあります、その際はご容赦を(^^;)。

>そうなんです!これが悩みのタネになって長期化するとマズイと思い、早々に投稿してしまいました、
その迅速なご判断、さすがです。私まさにそのマズイパターンにはまってしまいました。最後は泣きそうになりながら作文地獄。ちなみに24時ジャストに送ったのは、シルヴェストロフです。かなり地味だし、コンマ何秒タイムアウトしてたかもしれないし、まずダメでしょう。ここで一句。

送信ボタン 押して知るべし わが身のとろさ (詠み人 シルヴェシトロサ)

もしも、もしも、万が一の時はですね、シンデレラおじさん、と呼んで下され(^^)。
(2016.05.22 10:50:16)

Re:きらクラ!BGM選手権:カフカの断片とシルヴェストロフ・モンポウ・アルビノーニ(05/21)  
嫌好法師  さん
トンデレラおじさん、こんにちは。

>「城」、「アメリカ」、「審判」

若い時にこれらを読まれたというだけで尊敬に値します。私なんぞ最近「城」に挑戦して、あまりの足踏み状態に我慢しきれず、挫折した口ですから。あ、それとつい最近映画で「審判」観ました。これは面白かったです、さすが大損飢えるず。

今回の文章からは私の辛い過去の思い出しか連想されませんでしたので、犬か八かのじゃなくて一か八かの特高精神で肉弾体当たり作戦を強行しました。

詠み人シルヴェシトロサの一句には爆笑しました。本当の名前忘れていつもこの名前が口に出て来そう。って、まずそんな状況想像もつかんけど。 (2016.05.22 11:55:36)

お二方に乾杯!  
じゃく3  さん
嫌好法師さんこんにちは、いつもありがとうございます!
トンデレラにもなり損ね、トンズラおじさんのじゃくです(^^)。

肉弾体当たり作戦の大勝利、おめでとうございます!そしてご夫婦での快挙、まさに歴史にのこる偉業です!

今宵はジンギスカンのニクダンゴで祝杯ですね。
お二方に、乾杯~!(^0^)/

ワタクシも豚ずら食べて、パワーつけて、次に備えようっと(^^)。 (2016.05.22 17:42:25)

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