lovesick

lovesick

PR

カレンダー

コメント新着

windsurf4179 @ Re:近況(05/08) お久しぶりです、福岡の加藤です。 何年振…
ぽわぽわ0127 @ Re:近況(05/08) ひろさん! よかった♪たまには近況知らせ…
シゲタロス @ Re:近況(05/08) なんだか凄く久しぶり!! 帰ってきてくれて…
t-nik0618 @ Re:近況(05/08) 良かった、仕事もできるようになったので…
ひかるですが…何か!? @ Re:近況(05/08) ひろ。さん、はじめまして。 こちらでコ…

お気に入りブログ

空想世界と少しの現実 緋褪色さん
きっくまーくのくだ… きっくまーくさん
無限の扉 yuto.さん
room47 shingo4711さん
ココロのまま るーじゅら。さん
     . ☆Yuri☆さん
不況に負けずに肝っ… かわちゃん4729さん
テレビでお馴染みの… 京師美佳さん
テイ・サックス病の… □■ぱん■□さん
食いしん坊のHappyLi… ぽわぽわ0127さん
2008.02.20
XML
カテゴリ: lovesick
悠斗が、もう知ってたなんて。。。全然、気づきませんでした。悠斗にそれを告げられた瞬間、急に恥ずかしくなり、逃げ出したくなりました。恋人を亡くしてすぐに、他の男に抱かれるような、みっともない、ふしだらでプライドもない女、きっとそう思われているに違いないと思ったからです。

「俺のこと、、、本当に、、嫌いなの?、、だったら、今、はっきり教えて欲しいんだけど」
返事をしない私を見ながら、気弱そうに、また、つぶやく悠斗。私は慌てて首を振りました。キライなわけないよ。キライだったら、こんなに悩まないよ、悠斗。声が出ないことがもどかしく思えました。悠斗はほっとしたように、私の手首を握っていた手を離し、
「謙吾との事は、過去のことだよ。俺は今の楓を愛してる。前にも言ったけど、過去全部含めて楓だろ?そんなこと言ったら、俺だって、、、これまでに何、人、、かと、」
そんなの聞きたくない。私はつい耳をふさぎ、クビを振りました。自分勝手な私に、悠斗があきれたように、
「おい、それはないだろ?」
と笑いました。私も、ふっと息をつきました。悠斗は、優しい声で続けます。
「俺、本当のこと言うと、謙吾とのことを知ったことより、楓が、もう俺とのこと、終わらせてもいいと思ったって事の方がショックなんだよ。だって、さっき話そうとしてたってことは、そういうことなんだろ?」

「本当に、もう、俺に会えなくてもいいと思ったの?」
会えなくてもいい、、って思ったんじゃない、嫌われて、軽蔑されて、もう会ってくれなくなっても、、仕方ないって思ったんだよ、悠斗。
「俺は、、もう、無理だよ。そんなこと。楓のいない、、、、そんなの考えられないよ」
私だって、、考えられない、悠斗。だって、こんなにこんなに愛してる。悠斗が、私を抱きしめようと、そして、でもそれを我慢しようと震える手を見ながら思いました。

私の声が、、出ていれば、、、そのとき思った気持ちを即座に告げることができていれば、それでよかったのに。いいえ、悠斗の腕の中に、ためらわずに、ただ飛び込めば、それだけでよかったのに。悠斗の腕も心も私のために、開かれていたのに。でも、やっぱり心の隅で、自分は悠斗にふさわしくない、という気持ちが消えずに、躊躇してしまいました。

そんな一瞬の隙をついて、思わぬ展開が待ち受けていたなんて。一体、誰に予測できたでしょうか?

しんと冷えた星空の下、静まり返った中に、私の携帯のメールの着信音が響きました。耳を疑う着信音。それは、2年ほど前の、ドラマのテーマ曲の音でした。謙吾が、初めて主演したドラマ。今、悠斗が共演している原田好司と共演したドラマ。悠斗も、その曲を覚えていたのか、まさかというような顔で私を見ました。おそるおそるポケットから携帯を取り出し、メールを確認すると、そこには、

『会いたい』

のメッセージ。

それは、謙吾からのメールでした。

にほんブログ村 小説ブログへ にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説へ  ← 1日1クリックいただけると嬉しいです。







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008.02.20 00:16:33
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: