「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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気ままにでんきこうさく
12AU7ヘッドホンアンプ
お花見の後、天気がいいので秋葉原に行きました。(関係ないか。。(^^;))
初めてクラシックコンポーネンツという店に行きましたよ!
ECC82を買ってきました。
本当はサンエイ電機で中古で850円で売っていたのでそっちの方が良かったのですが、今日は休みだったんですね。(ホームページには日曜祭日は休みとなっていますが、月水金日が休みみたいです)
なんだか表面の捺印が派手であまり好きじゃないですが、新品だしまぁいいでしょう。(^^;)
トランスは東栄変成器で買って来ました。
4月から7月ぐらいまで忙しいので、できるのはいつになるやら。。
12AU7ヘッドホンアンプ
昨晩、ちょっと夜更かしして何とか完成させました。
(キチンと組んでいないいい加減さは相変わらず。(^^;))
最初は電源トランス(写真の上方の2個)と出力トランス(下の2個)が、もっと接近して置いてあったのですが、凄まじいノイズが出て離すことにしました。やっぱりスピーカと違ってヘッドホンはシビアです。
こちらは回路図です。
オーソドックスな回路ですが、思ったとおり低音の伸びがイマイチです。
いろいろと手を加える楽しみが増してきました。(^^)
(ちなみに2SD1266の使い方はちょっと危険ですのでマネしないよ~に!!)
12AU7ヘッドホンアンプ(2)
ロードラインを引いてみました。
135V、4mAを中心に、14KΩのロードラインです。
12AU7ヘッドホンアンプ(3)
今回初めて電源フィルタを使ってみましたが、効果絶大ですね。
オペアンプだと当たり前のように三端子レギュレータを使っていますが、真空管回路では初めてです。
上:フィルタに入る前のリップル 0.5V/DIV
下:フィルタ後のリップル 5mV/DIV
1.2Vp-pのリップルが6mVp-pになってしまいました。簡単な回路なんですが、ずいぶん効果があるものですね。
ちなみに、今はトランジスタに2SD1266を使っていますが、このトランジスタのVCEOは60Vしかないので、電源投入直後の数百ミリ秒間はオーバーしてしまいます。15日の日記で「危険ですのでマネしないよ~に」と書いたのは、こういう理由からです。
12AU7ヘッドホンアンプ(4)
前のままでは感度が悪いのと、f特がイマイチだったので、12AX7を追加しました。
なんとなく鳴っていますが、どうなんでしょ???(?_?)
やっつけ仕事状態なので、後で回路図を書いて考えます。
12AU7ヘッドホンアンプ(5)
一昨年から作っていたヘッドフォンアンプが完成しました。
(といっても完成したのは先月末ですが…^^;)
前に記事にしたときからちょうど2年経ってます!!^^;;;;;
前にも書きましたが、ヘッドホンだけあって出力トランスと電源トランスが近いとノイズが盛大に出るのです。
そのため、それぞれのトランスの位置を工夫しました。
同一平面上にある場合は15センチ以上離さないとノイズが小さくなってくれないのですが、裏側に配置すると4.5センチでもほとんど聞こえなくなりました。
12AU7の前が異常に広くなっているのは、その裏に電源トランスを配置したからなのです。
音は低音もとっても良く出ていてGoodです。^^
12AU7ヘッドホンアンプ(6)
例のヘッドホンアンプの特性を測ってみました。
アマチュアの強い味方、SoftOscillo2で測っています。
条件は、、、
(1)負荷が27オーム、16オーム、8オームと実際のヘッドホンAH-D2000(公称インピーダンスは25オーム)の四通り。
(2)負荷27オームで1KHzの出力が約4mW。
上記の時に、1KHzが0dBになるように調整してあります。
(1)負荷が27オームの時
(2)負荷が16オームの時
(3)負荷が8オームの時
(4)負荷がAH-D2000の時
やっぱり高域では、ちょっと下がり気味ですね。
プレートからフィードバックを掛けているので、高域の低下はトランスのせいだろうと思っていたのですが、プレートの電圧を見てみると、20KHz、27オーム負荷の時に0.5dBほど落ちているので、トランスは余り関係ないみたいです。
出力抵抗やダンピングファクターも27オームと16オームのグラフから計算できます。
出力抵抗は、約2.3オームで、DFは27オーム負荷の時に約12になります。
12AU7ヘッドホンアンプ(7)
方形波の応答特性をチェックしてみました。
信号元としては、SoftOscillo2と岩通SS5705です。
あ、岩通SS5705ってのはシンクロスコープです。
これの校正用信号(1KHz方形波)を使いました。
縦は100mV/DIV、横は200マイクロ秒/DIVです。
上側がアンプの入力で、下側が出力(負荷は27オーム)です。
(1)100Hz(SoftOscillo2)
(2)1KHz(SoftOscillo2)
(3)3KHz(SoftOscillo2)
(4)1KHz(岩通SS5705)
3KHzの方形波はパソコンで作るのは厳しいですね。
一応、10KHzの方形波もDSPLinks(SoftOcillo2の開発元が作っている波形合成ツール)で作って試してみましたが、当然ながら48KHzサンプリングではまともな方形波にならないです。というわけで断念しました。
こうやって波形を並べてみると、シンクロの校正用信号が一番きれいです。^^;
12AU7ヘッドホンアンプ(8)
残留ノイズを測ってみました。
写真左の自作の交流電圧計によれば、大体0.06mVです。
この交流電圧計は、
かな~り前の日記
に登場したことがあります。
ちなみに右は、秋月のオシレータキットと周波数カウンタキットを一つのケースに収めた装置です。写真撮影のため、意味も無く電源を入れています。^^;
12AU7ヘッドホンアンプ(9)
右チャンネルが時々聞こえなくなるので、蓋を開けてチェックしていたら、「バチッ!」という音とともに電源フィルタのトランジスタが吹っ飛んでしまいました。^^;
シャーシと電源フィルタのトランジスタのBがショートしたためでした。
幸いにも吹っ飛んだのはトランジスタだけでした。
B-E間がショートしているようでフィルタ機能だけがダメになっていました。
ちょうど良い機会ですので、その状態で音を聞いてみましたが、ハムノイズが大きいです。
やっぱりヘッドホンアンプには電源フィルタがいるみたいです。
トランジスタを交換して元通り。
今はショートしないように対策をしています。^^;
12AU7ヘッドホンアンプ(10)
右チャンネルの音が出なかったのは、オペアンプが不安定&発振していたためでした。
無理して高級なオペアンプ(JRCのNJM2114)を使ったのがマズかったみたいです。
位相補正回路内蔵のuPC4558(NEC)に変更したら、一応症状は無くなりました。
オシロで波形を見てみると、2114の時にはあった100Hz出力時の飽和波形の妙な歪が、4558では無くなっています。
また聴いた感じでは以前よりも素直でヒステリックな感じが無くなったように思います。
以前よりも低性能なオペアンプに変更したわけですが、このヘッドホンアンプには合っているみたいです。^^
12AU7ヘッドホンアンプ(11)
PIC9801さんのところに書いてあったWaveGene
を使って100Hzの方形波を作り、12AU7ヘッドホンアンプに入力して波形を観測してみました。
(上:200mV/DIV 下:20V/DIV 2mS/DIV)
上は出力に27オーム負荷を接続したときの出力波形で、約4mWです。
下は12AU7のプレート電圧です。
両方ともDCカップリングです。
入力波形はここには掲載しませんが、アンプに接続した状態でサグのない正常な方形波であることを確認してあります。
さて、、、
下の波形を見るとサグはほとんどありません。結構アクティブP-K帰還が効いているみたいです。
上の波形はトランスの出力ですが、ここではサグが大きいです。トランスの1次から2次への変換で生じているようです。
ちなみに負荷の27オームを外して観測してみましたが、波形の形状自体はそれほど変わりませんでした。無負荷にすれば1次側の波形が忠実に再現されるものかと思っていましたが、違うんですね。
ってことは、出力トランスを良いものに変えれば、波形も改善する可能性は大きいようです。
やっぱ
700円の出力トランスじゃ厳しい
かなぁ。^^;
12AU7ヘッドホンアンプ(12)
今度は周波数特性を測ってみました。^^
27オーム負荷で出力レベルは0.5mWです。
なぜこんなに小さいかというと、17.7Hz(ウチのオシレータで出せる最低周波数)で歪が目立たない程度に出力を絞ったからです。さすがにこの周波数ですと、トランスが持ちません。^^;
12AU7のプレートでの周波数特性と出力トランスの2次側の特性の二つを取りました。
紺がプレートの周波数特性でメモリは右軸を使用し、赤が出力の特性で左の軸を使用します。単位はdBです。
アクティブP-K帰還はプレートの信号を一定にしようとする回路なので、±1dBであれば32Hz~130KHz程度の帯域がありそうです。
出力トランスで測ると、±1dBで35Hz~25KHzぐらいです。
あれ?意外に低域でロスってませんね。。。
傾向としては、超高域でゲインの上昇が見られます。位相などの関係で利得が盛り上がっているのだと思いますが、現時点では発振などの現象はありません。
なお、最大出力ですが、周波数が1KHzであれば、プレートで62Vrms、トランスの出力で1.65Vrmsまでは歪は目立ちません。この時の出力は100mWになります。
東栄変成器T-600の特性
12AU7ヘッドホンアンプでは、東栄変成器の
T-600
という700円の出力トランスを使っているわけですが、昨日ヘッドホンアンプの周波数特性を測ったところ、
思いがけず低域のレスポンスが良いことを発見
しました。
そこで昨日の測定データを使って周波数特性を算出することにしました。
条件としては次の通り。
(1)1次側は7Kオーム、2次側は8オームの端子を使用する。
(2)2次側の負荷は27オームとする。
(3)出力電力は、0.5mWとする。
2次側の負荷が8オームではなく27オームとなっているのは、ヘッドホンアンプとしての負荷を27オームとして測定したためです。
算出の方法は簡単です。
トランスの電圧比は、{√(7000/8)}:1です。
2次側の電圧にトランスの電圧比を掛け、1次側の電圧との比をdBで取れば算出できます。
紺で示したのは計算によるロスの値です。
赤で示したのは、1KHzのロスを基準として各周波数でのロスを計算しなおしたものです。
単位はdBです。
これによれば、純粋なロスは1KHzで-0.67dBで、17.7Hzでも-1.34dBです。
-3.0dBになるのは大体45KHz付近で、-6.0dBになるのは90KHz付近だとわかります。
また、1KHzとの差分で考えると、17.7Hzでは-0.66dBになります。
-3.0dBになるのは60KHz弱あたりで、-6.0dBになるのは100KHz弱あたりだとわかります。
これって凄くないですか?
これだけの性能が出るカラクリとしては、やっぱり負荷を高く(軽く)して使っているせいだと思います。
位相に関しては測定していませんが、ヘッドホンアンプなどの用途では、700円のトランスでも十分に役に立つのではないでしょうか。
12AU7ヘッドホンアンプ(13)
12AU7ヘッドホンアンプの現在の回路図です。
意外とシンプルでしょう?^^
当初使っていたオペアンプの電源変動除去比(SVR)が110dBだったので、オペアンプの電源回路は安定化していません。(しかも半波整流だし^^;)
回路安定のためにオペアンプを4558に変更しましたが、それでもSVRが90dB程度あるので、耳に聞こえるようなノイズは皆無です。
真空管用の電源回路は、前にも書いたようにリップルを除去する必要があるので、トランジスタで簡単なフィルタを構成しています。
フィルタ後の電圧は、約135Vです。
回路図に点線で囲んだ部分がありますが、それらはユニバーサル基板上に作りこみました。
ユニットBは、真空管の電源回路です。
ユニットAは、真空管と出力トランスを除いた全回路です。
こちらは各ユニットの実装図です。
実際の基板はこんな感じです。
ユニットAです。
ユニットBです。
(終わり)
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