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今日は、日本百名山第72座目、槍ケ岳(3180m)アタックだ。埼玉から新穂高温泉の登山者用駐車場である深山荘を目指す。この深山荘は日帰り入浴も可能で下山後の入浴も楽しみだ。午前1時過ぎに深山荘の駐車場に到着、すでに槍ケ岳は初雪もあり夏山シーズンは終了し、駐車場は閑散。天気は快晴で星降る天空が、登頂の成功を予感させてくれる。


通常のコースタイムであれば往復14時間程度で、日帰りピストン出来なくも無いが、今回は、槍を堪能したいので、途中の槍平小屋でのテンパク、翌朝、頂上アタックと決めた。車中で2時間ほど仮眠。久々のテンパク装備に加えて、12本爪アイゼン他、冬山装備の為、ズッシリと肩に重く圧し掛かる。


午前6時20分、標高1090mの登山指導センターで登山届を提出、まずは穂高平小屋を右俣林道で目指す事になる。30分ほど歩くと途中で林道は大きくSの字を描いており、そこをショートカットットする登山道があるが、途中で踏み跡が不明瞭になり、結局、また林道へ降りるという失態を犯して30分ほどのロス。最初から素直に林道を歩けばよかったと反省。途中では、富山・長野・岐阜県境の三俣連華岳が冠雪し美しい姿を見せてくれている。




午前9時、最初の目標である穂高平小屋に到着。すでに小屋閉めされていて人影は無くひっそりだ。小休止の後、この林道の終点である白出沢出会いをめざす。途中は、紅葉と大喰岳や南岳の山容がみごとだ。更に進むと、ジャンダルムや天狗のコルと思われる厳しい山容も目視できるようになって来た。


午前11時20分 標高約1500mの白出沢出会に到着、この出会で槍ケ岳と奥穂高への登山道が分岐する。更に、10分ほど歩くと右俣林道の終点に到着だ。水場があり、脈々と冷たい清水が湧きだしている。初めて下山中の2人の登山者と出会った。槍頂上付近はアイゼンが必要と気が引き締まる思いだ。
白出沢は文字通り白く、その沢の置き石をポンポンと渡ってゆくと、ようやく登山道となる。登山道の脇には、すでに槍平小屋は、今期の営業を終了している旨の立て札が立っていた。ここからは3つの沢を渡って今日のテンパク地である槍平小屋に至る。高度を上げるに従い紅葉が目を見張る美しさだ。







次の目標は滝谷出合だ。標準コースタイムは1時間半。ここからの樹林帯は傾斜は緩いので、テンパク装備でも、それほどキツイ感じは無い。そろそろ小腹が空いて来たと思ったところ、ちょうど切り株ベンチを発見、紅葉の美しい樹林帯の中でのタラコと唐揚げお握りを口いっぱいに頬張り、満腹感に幸せ~。滝谷出合の手前で、二人の下山して来た登山者に会い挨拶。私と同様に槍平小屋でテンパクしたが、あまりの寒さで、次の日は、槍ケ岳山荘で山荘泊をしたとの事。頂上の方が暖かかったとの情報にテンションが思わず下がってしまった。午後2時に滝谷出合に到着。滝谷避難小屋はなんとなく不気味だ。沢に木製の橋がかかっているが、沢はかなり広く、ごろごろの岩場だ。ピンクテープがところどころについているが、ナイトハイクでは、道迷いをしそうだ。下山時の事を考えて頭に地形を叩き込んだ。が。。。下山時に失態を・・・後述。






沢を越えて数分で藤木レリーフに到着。藤木九三氏(1887年-1970年)は、日本を代表する登山家で山岳詩人でもあったとの事、ぜひその詩を下山後読んでみたいと思った。この藤木レリーフを通過すると、いよいよ登山道が険しくなって来て、岩がごろごろと歩きにくい。だんだん装備の重みに足取りが重くなる自分を感じる。午後に入って、気温も急激に下がり、少し休憩するだけで汗冷えした体は、シンシンと寒さを感じるようになる。ともかく早くテン場に着いて、暖かい鍋をつつきながらワインを飲みたい。そんな思いだけが脳裏をかすめるが、樹林帯でまったく眺望も利かず、なかなか槍平小屋に到着しない。午後3時40分ようやく標高2100mの槍平小屋に到着。すでに小屋閉めされておりヒッソリ。広々とした平な素晴らしいテン場にも、一張のテントも無く、文字通り貸し切りだ。



一番奥に場所を定めてテントを手早く張り、テントにもぐり込む。汗だくの体、手早く着替えをして寝転がる。この解放感、幸せ~。しばし休憩の後、ワインとツマミで槍に乾杯。早々、夕食準備。今日は、ちょっと張り込んで鹿児島黒豚の薄切りとカット野菜にお豆腐を鍋キューブとんこつ味噌味での鍋。疲れて冷えた体が暖まり、明朝の槍アタックへの活力が湧いてくる感じがしてくる。トイレの為、外に出ると寒さが半端では無く、間違いなく氷点下3℃~5℃くらいになっていると思われる。フライは、霜がつきバリバリ、明日のアタック時の寒さと残雪や凍結が気がかりだ。今回は、マイナス25℃対応の900FPのシュラフを持参しているので、テント内での寒さはまったく気にならない。疲れもあり午後8時過ぎには、いつの間にか爆睡していた。中編に続く・・・