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他の星(バ・スウ)から来た宇宙人イレムは、地球に降り立ち姿を人間に変えた。性別の無いバ・スウの生物のイレムは、男性となる。そして降り立った所は、神戸だった。感情を持たず、単体での生き方をするバ・スウの生物から見て、人間の感情や団体生活(家族単位など)の研究のためにやってきた。そこで、偶然殺人事件を目撃(?)し、犯人を追及し始めるイレム。不思議な造りの天文館に集まる人々。流星群をみる3日間の行事にイレムも参加する。そこで、次々に起きる異常な殺人事件。参加者には、どんな繋がりがあるのだろうか?皆、憎しみを抱えている・・・・密室トリックか?イレムの正体は?謎が明かされていき、反転する事実・・・人の心に棲みつく悪魔と天使。***************************最初の方は、宇宙の説明とか・・例えば「全天星座観測教室」「相対性理論」とか、聞いただけで頭が痛くなりそうな言葉が次々と出てきて、苦手かな~とか思ったけど、後半 面白くなってきました=☆宇宙には興味があっても、全く知識の無い私。そういう難しい所は、さらっと読み飛ばしました。後半の逆転、逆転・・・人の心・・・・面白かったです=☆
2004/11/29
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第8回鮎川哲也賞受賞作品(1997年平成9年)阪神大震災をモチーフに・・・「それまで」・・・不幸にも両親を亡くし、親戚の家で寂しく育った少年。一歳のときに神戸の戦災で両親を亡くした者。在日韓国人で食堂を経営する代々の在日者の不幸。動物虐待の少年。母親からの虐待を受けて育った母子家庭の少年の、同類感を見出した奈々子への異様な執着。「そのとき」それぞれの状況での震災=通りすがりの同じ震災者に、生き埋めになった人を助けるのを手伝ってもらったばかりに起きる 後々の悲劇。そして、奇妙な殺人事件。「それから」食べ物も暖かいものも なかなか手に入れられない被災地。ライフラインの復旧も時間が掛かっている。やっと携帯テレビで見てみると、解説者が のんきに「これが東京だったら大変でした」と言っている。今!そういう問題ではないはず!!なのに・・・民間のボランティアや、自衛隊に助けられる。役所の対応は非常に遅く、ちょっと違う。。。そして、次々に起きる殺人=奈々子の亡霊か??誰が犯人か??例の**は、誰なのか??どんなトリックだったのか???***************************谺健二さんは、阪神大震災の被災者。こんな風に娯楽読物にすることは、どうか?とも思われたが、2年半で風化していってる今日。読まれた方が、今一度あの出来事について考えを巡らしてくれれば・・・との思いからの執筆。
2004/11/28
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上巻から。。。。雪に閉ざされた龍臥邸に、8年前のあの事件の関係者が、再び集まった。石岡和己、犬坊里美、そして加納道子。雪中から発見された行き倒れの死体と、衆人環視の神社から、神隠しのように消えた巫女の謎!貝繁村に伝わる「森孝魔王」の伝説との不思議な符号は、何を意味するのか!幻想の龍臥亭事件が、いま、その幕を開ける<著者のことば>8年ぶりの再訪。龍臥邸は、さらに奥深い謎を隠していた。亭で出会った青年に昔の自分を見た石岡は、ついに長い低迷の闇を抜けて甦ります。ぼくは二十年苦しんだ。眠れなくて、眠れなくて、辛い夜を幾晩泣いたかしれない。だからぼくも、今君をとめなくてはならない、君を犯罪者にするわけにはいかない。吹雪の中、心を通わせ合う孤独な男たち。異邦の騎士再び。下巻。。。「この頭部、足部を森孝の具足に葬れ」血だまりに浮かぶ生首と切断された片足。発見された第三の死体が、龍臥亭を恐怖の底に叩き落とした。そして、旧日本軍の研究所で行われていた肉体縫合の悪魔的な実験。百年の時空を越えて、伝説の魔王が甦るー。<著者のことば>自身の利益の為でなく、自己の名誉や栄光の為でもなく、ただのおじさんであっても、体が悪くても、かつて愛した者のため、人知れず一命を賭けていく。それが男というものの姿です。そして雑踏の片隅で彼が息絶えた時、吹雪の伝説は猛然と甦ります。この世のものとも思えぬ幻想の一夜。伝承の伝える通りに甦る魔王。男たちの純情が胸を揺さぶります。***************************本の帯に書かれているものを、そのまま紹介しました。私があらすじを書いて、ネタバレになってもいけませんので・・・「占星術殺人事件」や「異邦の騎士」と勿論「龍臥亭事件」を思い出しました。石岡先生は、龍臥亭事件に継ぎ、ここでも頑張りました=!他の作品では、ちょっと情けない石岡先生ですが、この本では男らしい石岡先生が描かれてます。島田荘司さんらしく、村社会の厳しさが書かれています。
2004/11/19
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翔悟は、大学受験に2度失敗し、自分の意思で放送関係の専門学校に通い始めた。エリートの父は、翔悟へ有名大学への進学を望んでいた。その為に、父との仲がギクシャクする。放送関係の学校も、翔悟が学びたいと思うものと講義内容が違っていた。むしゃくしゃする翔悟・・・・そんな時、やくざ風の2人と喧嘩になり、殴り飛ばして帰ってきた。仕返しが怖い=!当分家から出ないほうが良いと思いながら、翌日 魔がさすように新宿歌舞伎町へ・・・その時、異変が!デジタル時計の数字が段々減っていってる。カウントダウン???そして0:00になった時!気がつくとそこは、なんかダサい歌舞伎町。2003年から1980年の歌舞伎町に居た。タイムスリップ=====翔悟が生まれる3年前に来ていた。若き日の父に出会い、タイムスリップのことも親子だという事も伏せて、友人になり居候する。ここからが本題ですが、ネタバレになるし 楽しいので読んでみてください。険悪な父と子が理解しあい、時代が違うという事の不都合の面白味。なんといっても1980年が懐かしく楽しめます。1980年は、ジョン・レノンが殺害された年です・・・・
2004/11/18
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哲さんからお勧めいただいた本です。短編8話。短いコミック集で、笑えます・・・1988年の作品ですから、ちょっと古いけど。「永遠のジャック&ベティ」昔の中学校の英語の教科書に出てきたジャック&ベティが三十数年後に再会した。という設定。会話が口語体でなくて堅い・・・・笑えます。「ワープロ爺さん」爺さんがワープロを初めて使った書いた手紙・・・「冴子」爺さんが日記を付け始めた。幾つになっても若い女性には興味が・・・「インパクトの瞬間」インパクトの瞬間ヘッドは回転する・・???「四畳半料理の拘泥」料理が苦手な私は、読み飛ばし・・「ナサ二エルとフローレッタ」映画のパンフレット風・・・・・本当かと思って読んでたら、「デンスケ」ん?「アジャパー天国」んんー???騙された~~(笑)です。「大江戸花見侍」時代劇でおなじみの方たちの総出演「栄光の一日」短歌を作る老人がテレビ出演する事に・・・家族や周りの者たちは、同じ話を何度となくされて、非常に迷惑・・・でも、言えない。
2004/11/17
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短編4話。「踊る手なが猿」新宿西口地下街にあるケーキ屋のガラスケースの上にすわっている猿の人形。この猿に結ばれている赤いリボンが時によって位置を移動するのが気に掛かる。「Y字路」元ホステスの三田瑛子は、御曹司との結婚を控えていた。そんな時、帰宅したうちに見知らぬ男の死体が・・・・婚約者に相談するが・・・「赤と白の殺意」幼い頃、過ごした軽井沢。でも、何故か大人になった今、軽井沢に行きたくない。記憶の奥底に何かが引っかかっている。殺人事件をみたのか? それとも自ら起こしたのか???「暗闇団子」都立高の敷地から江戸時代の墓地が?その樽形の棺に男女の人骨と、密封された小壷が入っていた。***************************「踊る手なが猿」と「Y字路」は、女性の恋や恋愛に対する普通の”あさはかさ”というか・・・トリックがみものです。「赤と白の殺意」は、”記憶の奥底”に何か引っかかる・・・って事、違う意味でも皆 思い当たる事があったりして。それが、もしや殺人??だったら怖い=「暗闇団子」は、花魁の素顔、けなげさ。。。
2004/11/16
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皆さん、結構すべての字から始まる著書をお書きになってらっしゃる=(凄い!)私は3つ書けなかったので、その空欄の「ね」「ぬ」「る」を埋めるべく検索して読了しようと思います。なんか、3つ抜けてるというのも気持ち悪いですし。。。それで「ね」は、猫のゆりかごさんお勧めの勿論「猫のゆりかご」を読もうと思ってます。「る」は、検索したら海外もので「ルビー」という10年前位のミステリがあったので、読んでみようと思います。あと「ぬ」だわさぁ~~~~~~これは、皆さんのHP回りしてチョイスさせてもらいますね。後3冊ですが、その前に読まなきゃいけない本も有るので今年中に読了しますね。何かお勧めが有りましたら教えてくださいね。
2004/11/14
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本の好きな方たちがやってる真似てみましたが、難しい。どうしても出てこない字もあるし、同じ字でどちらにしようかと迷ったり。。。結構、行の最初の字は沢山ありすぎて困りました。作家さんも一人づつにしてみました。「あ」アイルランドの薔薇・・・・・・石持浅海「い」イン・ザ・プール・・・・・・・奥田英朗「う」海のある奈良に死す・・・・・・有栖川有栖「え」冤罪者・・・・・・・・・・・・折原一「お」王妃の離婚・・・・・・・・・・佐藤賢一「か」カリスマ・・・・・・・・・・・新堂冬樹「き」狐闇・・・・・・・・・・・・・北森鴻「く」クラインの壷・・・・・・・・・岡嶋二人「け」幻夜・・・・・・・・・・・・・東野圭吾「こ」子盗り・・・・・・・・・・・・海月ルイ「さ」サンタクロースのせいにしよう・若竹七海「し」十角館の殺人・・・・・・・・・綾辻行人「す」すばらしい新世界・・・・・・・池澤夏樹「せ」世界の終わり、あるいは始まり・歌野晶午「そ」蒼穹の昴・・・・・・・・・・・浅田次郎「た」太平洋の薔薇・・・・・・・・・笹本稜平「ち」地底獣国の殺人・・・・・・・・芦川拓「つ」月の見える窓・・・・・・・・・新野剛志「て」ディール・メイカー・・・・・・服部真澄「と」ドナウの旅人・・・・・・・・・宮本輝「な」涙はふくな、凍るまで・・・・・大沢在昌「に」西の魔女が死んだ・・・・・・・梨木香歩「ぬ」????????????「ね」????????????「の」脳男・・・・・・・・・・・・・首藤瓜於「は」ハルビン・カフェ・・・・・・・打海文三「ひ」ピュ-トル大帝の妃・・・・・・河島みどり「ふ」プラネタリュウムのふたご・・・いしいしんじ「へ」辺境、近境・・・・・・・・・・村上春樹「ほ」ぼくのキャノン・・・・・・・・池上永一「ま」満州ハルビンの雷鳴・・・・・・佐藤吉彦「み」三たびの海峡・・・・・・・・・帚木蓬生「む」室町少年倶楽部・・・・・・・・山田風太郎「め」メルカトルと美袋にための殺人・麻耶雄高「も」模造人間・・・・・・・・・・・北川歩美「や」柔らかな頬・・・・・・・・・・桐野夏生「ゆ」幽霊人命救助隊・・・・・・・・高野和明「よ」陽気なギャングが地球を回す・・伊坂幸太郎「ら」ラッフルズホテル・・・・・・・村上龍「り」流星ワゴン・・・・・・・・・・重松清「る」???????????「れ」レオナルドのユダ・・・・・・・服部まゆみ「ろ」ロシア幽霊軍艦事件・・・・・・島田荘司「わ」ワイルドソウル・・・・・・・・垣根涼平「ん」??????????・という訳で、「ん」を除けば、「ぬ」「ね」「る」がどうしても出てこない・・・というか読んでないのでしょうねぇ~。一人の作家に絞ったので、これはアレ?って思うものもいくつか有ります。まぁ~良しとしてください。
2004/11/13
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小悪党の八神は、ガラにもなく骨髄移植のドナー登録をしていた。そして、その移植提供をする日が明後日になっていた。その矢先、知人のホストの家に行くと彼が殺されていた。そして自分を追ってくる者たち・・・・次々に起きる殺人事件。(殺人衝動の冷却期間を置きながら、3箇所以上の場所で殺人を繰り返すのが連続殺人犯。一箇所にとどまって4名以上の人間を殺すのが大量殺人犯。2箇所以上の場所で次々に人を殺していくのが興奮持続殺人犯。)今回は、3番目の犯罪者。その殺され方は、カルトがかっていた。魔女狩りが行われていたヨーロッパで、イングランドに「グレイヴディッガー」が出現した。グレイヴディッガー・・・・墓堀人(蘇る死者)惨殺な殺され方をした者たちは、何故か皆 骨髄移植のドナー登録をしていた。逃げて何とか移植の為の病院にたどり着きたい八神。カルト的だけでなく、警察 公安内部まで出てくる大掛かりな大作。誰が何の為に八神を狙うのか?どうして彼の居場所がすぐに解かるのか?何の為のどういう組織なのか?そして真犯人は?**************************二転三転する面白さ、ちょっと軽くした部分の楽しさ・・・・展開の面白さに一気読みです☆!!^^
2004/11/10
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地味な果波は、昔プレイボーイだったライターの夏樹修平と結婚し、幸せに暮らしていた。「快適暮らし本」という本がベストセラーになった修平は、莫大な印税が入り、それを頭金してマンションを購入した。結婚3年目・・・それの本のパーティの後に、マンションを果波にプレゼントした。その夜、2人は本当の意味での満足でかつ幸せな夜の営みを迎えた。。。。。無防備にも・・・・・その夜、果波は==(受胎した)==と感じた。一方、磯貝祐次は産婦人科から、今は精神科で勤務していた。近年増加している受診希望者に対応しきれなくなっていた。不妊に悩む戸川麻衣子は、義母や周囲の軋轢で強いうつ状態になっていた。戸川麻衣子は、自殺未遂・・・・夏樹果波は妊娠し、夫婦で話し合い・・・中絶を選んだ。マンションは頭金を払ったばかり・・・修平はフリー。果波の契約社員として収入も頼り。果波は、本当は子供を産みたかったが、夫の修平に従う。が!!!=中絶に病院に向かい、その処置をしようとした途端!!異変が!!!悪霊に取り憑かれたのか????もしくは、精神異常か???磯貝に受診。これは精神的な病気だと言う。しかし、腑に落ちない事柄ばかりが続く。************************中絶問題と不妊に悩む女性。女性の大きな問題。男性は、やはり心底では その痛みが解からないようだ。精神的な問題と悪霊・・・・これは叉 難しい=真実がみえない・・・・
2004/11/09
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阪神大震災の前夜、雅也は資金繰りを苦にして自殺した父の”お通や”をしていた。その晩、最後まで一人残った叔父は、昔の借用証書を雅也に見せ、「保険金の残りから返して欲しい」と言った。その直後の朝方の阪神大震災=お通やをしている雅也の家も全壊に近い・・・雅也は生き延び、その時叔父は家屋の下敷きになりながらも生きていた・・!!が!雅也は、ふっと(魔が差したのか、機転を利かせたのか・・)叔父を殴打して息の根をとめた=!!その時!!後ろに一人の女性が居た!!その女性・新海美冬と雅也の二人三脚(?)の人生が始まる。美冬の才知に優れた生き方=そして、のし上がっていく雅也はコツコツ暗く静かに生き・・・・刑事として鼻の効く加藤刑事の執念の捜査。**************************以前の作品「白夜行」と同じタイプの作品です。この本を”えぐい”と言う方、”すっごく面白い”と言う方に分かれましたが、これも同じだと思います。分厚い本なのに、一気に読めます。
2004/11/08
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大阪の安治川は、3年ぶりにネパールへ来た。そこでの物語。アジカワは、イエティの発見者として、今でもこのネパールでは有名人だった。3年前にここネパールで”イエティ”を捕獲した安治川。3年前、33歳の安治川はまだ学生で、ネパール語を専攻していた。山歩きの趣味と伏せて、ヒマラヤのトレッキングを年に一、二度やっていた。3年前、わざと遠回りをしてインドから陸路でネパールに入った。そのバスで、”イエティ”一人(?)一匹(?)がバスに乗り込んできた・・・・そして鍵を閉め捕獲した。大型の”サル”?”オランウータン”????安治川は、なんとなくこの一匹のイエティを”センセー”と心で呼んでいた。3年後の今、その"センセー”に会うと、センセーは、言葉も話すし、人も心も読み取れた。イエティは、自分の出来る仕事(つりでの魚・・etc)は、それを自然に分け与えるようになっている。だから、人に与えられないで与えてもらうばかりの時の”悲しさ”や”苦しみ”もある。究極の自然・・・愛・・・信頼・・・・「愛しすぎれば相手を傷つける事、信頼しすぎればあなたを駄目にしてしまうこと。知っていましたか。」***************************イエティの自然体、純粋さ・・・・地球・・・・種族存続の為の いろいろな戦い=大自然には、人間の現代学では 計り知れないものが沢山ありそうです・・・ライチが、けなげではかない。。。。センセーのボス的な思量が読み進んで解かりました=
2004/11/06
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19歳の姫子は、小学校5年生の時に知りあい中学へ上がる前に転向していった同級生”翼”と偶然出会う。あの頃、翼の姉”むぎぶえ”とも仲良くなっていた。そして翼に恋する姫子。翼の気持ちはどうなのだろう~?アーバン・リサーチという探偵会社は、翼を追っていた。アーバン・リサーチの社員達は、姫子の事を中学生の頃から知っていて可愛がっていた。だから、何故、翼と姫子が付き合いだしたのか、接点が解からなかった。アーバン・リサーチの人たちは、翼と姫子が出会う前の翼の恋人だったミレイの行方を両親に頼まれて捜していた。そして、連続猟奇事件が・・・・耳を削がれた死体・・・腹部を噛み千切られた死体・・・翼に嫌疑がかかる。翼の心の闇。姫子を守ろうとするアーバン・リサーチの面々。「すべての人は神経症的に恋をする。そして世間は、それをしなければいけないと強制する一方で、それをしてはいけないという禁止令もだす。」「世間が強制するものは恋と呼ばれ、世間が禁止するものは悪と呼ばれる」**************************現実離れしていそうな内容のようだけど、そういう事もありそうな現代の闇。両親が著名人で裕福な家庭に育った若者達の壊れた神経。そして、その両親達も壊れている。両親を早く亡くした翼たち姉と弟の寄り添う心。姫子と翼の純粋な恋。。。。
2004/10/30
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予備校生の遥祐は、離婚して父を一緒に東京で2人暮らし。母と妹は、地方で暮らしている。予備校に行くのも少し嫌になった頃、駅のホームで線路に落ちた初老の男性を助ける。しかし、この男性は姿をくらました。お礼も言わずに・・・数日後、駅でこの男性が遥祐を待っていた。そして不思議な相談を持ちかけられた。『一億円を3ヶ月以内に使って、お金が人を幸せにする事を見せて欲しい』と・・・この初老の男性には、お金に対するいろいろな思いがあった。条件は、1、楽しく使う事2、このゲームの事を他人に言わない事3、3ヶ月で使い切る事4、自分の為に使い、寄付や募金をしないこと5、楽しみの為に使い、稼ぐ為には使わない事6、実際に使ったり、楽しんだりする為に使う事7、週一回話を聞かせてくれること勿論、使い切れなかった時のペナルティもなければ、このゲーム為にお金が必要だということも無い。そして、遥祐の行動は、まず買いたかったものを次々に買う。いつも安さを求めて量販店に行ってたのをデパートや専門店にしようかとも思ったが、同じものを高く買うのはバカバカしい。しかし、値段を気にせずに品質の良さや性能だけを考えての買い物は楽しい。しかし、19歳の遥祐には、それでも1億円は、なかなか使いきれない。そして、新しくできたガールフレンドと共に行ったネパール・・そこで、遥祐の大人として考えのステップが出来てきた。**************************なんかす~っと読める本です。19歳の遥祐のなんとなくつまらない日々・・・考え。とっても今の現代を感じます。遥祐は、この事件で大人に成長しますが、実際のこの年代の若者は 結局きっかけがないままに 大人としての自立した考えがないままに歳をとるような気がします。でもでも、あなたが1億円をこの条件で使えるとしたら、どう使います???私もまず、洋服とか身に着けるものをガバガバっと買ってしまって、それからいろいろ考えてしまいそう。。。。別にペナルティが無ければ、そんなに焦って高価な一点を買わなくてもジックリ考えればよいし・・・あ~こんな悩み(?)一度してみたいわぁ~~~~~^^
2004/10/29
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一人の女性が自殺した・・・・その父、母、弟、そのガールフレンド、ボーイフレンド、ストーカー達のそれぞれの思いを書いている作品。弟のガールフレンドは、沖縄の島の出身。自殺した彼女は、きっと”魂(まぶい)”を落としていたと思われる。3年目の命日に、それぞれ自殺した彼女の事を思い出す。弟とそのガールフレンドは、沖縄の島に渡り、魂(まぶい)込めをしてもらう。。。***************************何気に図書館から借りてきた本です。玄侑さんは、住職さんのようで、そういう観念的な本かなぁ~と思い、読み進んでましたが、沖縄の霊能者とかが出てくるとは思いませんでした。沖縄好きの私には、良かったかなぁ~。”リーラ”=遊戯他に”幻”や”転換”美しさ”などの沢山の意味がある。
2004/10/28
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横浜の暗闇坂の西洋館の屋根の上にまたがって死んでいた。この家の敷地の大きな楠には、昔から不吉な言い伝えがあった。人を喰う木だと・・・この楠の所は、江戸時代の刑場だった。磔やさらし首・・・・その後、ガラス工場になり、戦後は外人のスクールに・・・不思議な事件が次々に起きる。そして御手洗潔、石岡先生が登場。この物語で、美しきレオナさんの生い立ち家族が解かる初登場の作品。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「人間の脳は”たが”で行動を縛っている。”たが”とは貧困・・・貧しさ。極限に豊かになれば、美食に飽きた人間が何をするか。ヨーロッパの貴族の犯罪に多くの血も凍る例を見ることができる。日本には、この種の事件は人種的な差異から起らないと思われているが、それは違う。この国が、開国以来たまたまずっと貧しかったから起らなかっただけ。」「脳に酸素がいかなくなって脳死が起るのが、1分ないし2分後。それまでは脳は生きている。首は、切り離されても、自分の身体に起った事は充分認識している」「文学は成立するさ。人生はやっかいな謎だらけだからね。本当は解けない謎などそのうちのごく僅かなんだけど、みな自己愛から、自分の人生に対して盲目になる。彼らは、人生は不可解なるものと言った、偉大な文学的先達の催眠術にすっかりかかっている。だから謎のすべてが解決する本など書くと、これは漫画だとか安手の探偵小説だ、などといって馬鹿にされるのがおち。」:::::::::::::::::::::::::::石岡先生、初めての海外旅行でイギリスへ。英語も得意な御手洗潔、レオナさんに混じり可哀相。私も英語喋れないから、気持ち解かるなぁ~。それまで私もアジアの国々では「サイトシーイング」を言う事もなく、相手が日本語で話しかけてくるし。一つ覚えのこの言葉を連発する石岡先生。でも、イギリスの入国審査は、滞在期間とか場所とかいろいろ英語で質問してくるからね。。。***************************この本は、大作ですね。非常に面白かったです!!
2004/10/25
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エジプト・ギザの大ピラミッドを原寸大で再現したピラミッドがアメリカのビッチ・ポイントにあった。そこで起きる怪事件。冥府のアヌビスが5000年の時空を越えて突然蘇り、空中30メートルの密室で男が”溺死?”する。挑む名探偵・御手洗潔。エジプト・ピラミッド、タイタニック号、などの壮大なテーマ。今では有名になっているが、タイタニック号の沈没を予測するような本が、それ以前に出版されていた。ここでは、モーガン・ロバートソンの「愚行」となっている。ピラミッドの石の聖書には年表があり、そこには2001年の9月まで記されているという。この「水晶のピラミッド」の文庫初版が1994年の12月なのを見て、2001年9月といえば、ニューヨークの9,11の月・・・・・と私は、不気味な感じを覚えました。タイタニック号の船上での会話に「アメリカは奴隷をひどいめに遭わせ続けているわ。アフリカから人をさらってきては、牛のように売り買いしている。こんな野蛮な国が文化を作れるものですか」「確かに、あまりに多くの人間の怨念を買った文明は、歴史的にみてあまり長続きはしておりませんな。」「しかし、歴史上、奴隷のいない文明などというものはないのです。」スフィンクスをナポレオンが自分の兵に射撃練習の為に使って、鼻の所を削ってしまったという。ナポレオンが攻めてきたというとモスクワの赤の広場の城壁の所まで攻めてきたって、現地ガイドさんが言ってたなぁ~って思い出しました。ピラミッドが作られて5000年。キリスト生誕から今日までよりも、ピラミッドが造られてから、キリストが現れるまでの方が長い。(フゥ~凄いですね。)クフ王の第一ピラミッドだけは、最初は墓ではなかった。という説。解説の岩出まゆみさんは、早稲田大学古代エジプト調査室の考古学者。島田荘司さんは、テレビでも有名な吉村教授に何度も取材をしてこの本を書いたということ。この早稲田大学のピラミッド調査隊も大ピラミッドは、王墓でない仮説を立て、研究を進めているとか。。。。
2004/10/19
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赤ちゃん取り違えによって、2人の娘は本来とは異なる偽りの世界で成長した・・・・取り違えも・・・災害に乗じた母親のエゴも・・・・苦学して弁護士になったローズと、何不自由なく医師となったレイチェル。だが、運命の絆が2人を結びつける。ローズの恋人だったブリアンは、ベトナムの戦場でレイチェルと結ばれる。また、法廷で窮地に立ったレイチェルは、弁護士ローズに救われる。ローズの実母でありながら、レイチェルを娘として育てなければならなかった母シルヴィは、運命の悪戯に驚きながらローズに真実を打ち明けた。でも、レイチェルの為に真実を明かすことをローズに口止めした。ローズは、堂々と母シルヴィに抱きしめられたいのに、母の希望通りに耐える。時は流れ、それぞれの人生に大きな転機が訪れようとしていた。レイチェルは冷え切った夫婦関係に苦悩し、かたや夫に先立たれたローズは、新たな男性の出現に心を乱される。そんななかローズの息子とレイチェルの養女が結婚を宣言、幸せなはずの婚約は、皆に更なる苦難を呼ぶ。そして母シルブィには人生の黄昏が迫っていた・・・偽りに傷つき、真実の愛を求める人々の姿。***************************扶桑社ロマンです。なんか私らしくない本です。そうです!借り物です・・・・私が本を貸してる人から、「面白いから読んで・・」と。私は「まだまだ読みたい本も沢山有るし、買って読んで無い本も沢山有るし、図書館でも好きなように借りれるから・・・」と辞退したのだけど、「いつでも良いから読んで・・」と言われ・・・半年以上ほったらかしでした。今年中には返したいと思い読了。たまには面白いです、こういう本も。最近のイライラしそうな韓国ドラマっぽいですが、アメリカらしく”イライラ”はしません。韓国ドラマはテンポが遅くて苦手ですが、アメリカドラマのテンポが私は好きです。
2004/10/17
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予備校受験に上京した孝史は、2月26日未明、ホテル火災に見舞われた。間一髪で、時間旅行の能力を持つ男に救助された。が!そこはなんと昭和11年。雪降りしきる帝都・東京では、今!まさに 二・ニ六事件が起きようとしていた。*************************時間旅行者、平田の切ない心境。歴史を知っている平田が、悲惨な事件事故を起こさせないように努力しても、また違う人が事件に巻き込まれる。「歴史はそれを自分で補正して、代役をたてて、小さなブレや修正などをすっぽり包み込む。」孝史の恋・・・・最後は、ちょっとじ~んとします。
2004/10/16
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それぞれの理由で自殺した男女4人が、神様から天国へ行くための条件の仕事を命令される。7週間で100人の自殺しそうな人を救う事。八木は60代の老人だが、やくざだっただけ威勢が良い。死んで25年くらいたっていた。市川は、中年男性。頭は切れそうだ。彼も死んで10年以上・・・美晴という紅一点は、20代半ば・・・気の強そうなチャラチャラした女性だ。主人公・裕一は、2度の受験に失敗した19歳。たった今死んだばかり・・・4人が遭遇する自殺志願者たちのそれぞれの悩み・・・解決法・・・現代の日本の構造の矛盾。弱いものが損をする。役人や政治家の利権。死んだ時代が違う4人の時代のギャップ・・・これは、とっても楽しいです。昔ギャグがどんどん出てきて。「バッチ・グー」「アジャパー」「ゲバゲバ・ピー」「キビシイーッ!」「骨皮筋衛門」最後の一人の救助・・・ちょっと、ジーンときます。面白かった、お勧め本です。
2004/10/15
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広島市長の著書です。被爆者達の願いは、「二度と同じことが起きない様に・・・」現代のイラクへの攻撃などについて、アメリカに訴えたい・・「報復でなく和解を」「闇は闇をうむ、闇を照らすのは光だけ」マーティン・ルーサーキング牧師の言葉の「私たち自身の心の中にある核兵器」***************************平和について考える本です。面白味はありませんが、絵本のような綺麗な薄い本です。
2004/10/14
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イラクで人質になった3人中の若い男性の手記。モスクワ経由でヨルダンのアンマンへ。モスクワで一泊した彼は、パスポートを取り上げられ不安になったと書いてます。(余談・・・私たちもロシアに旅行中は、夜はホテルにパスポートを預けなきゃいけなかったです。宿泊した証拠のホテルの印も必要でしたし。日中は、携帯して向こうの警察からパスポートの提示を求められたら応じないといけない。中国系の人の不法入国が多いらしく、ロシア人からみれば見た目の区別が出来ないので、日本人もパスポート提示を求められる事も多いとか・・・)人質になった8日間。アラビア語で「日本人、よくない」英語のしゃべれる一人・ジェネラルが「おまえは、スパイか?」と聞かれたのは記憶にある。「No koizumi! No koizumi!」ジェネラルは「日本人は何を信仰するのか。キミの宗教は?」高遠さんは「私は仏教徒よ。日本には自然界のすべてに霊的な存在が宿っているという考え方があるの」「なにを言っているんだ。神はアッラーだけに決まってるだろう」緊迫した時間の中で彼らは、少しづつ高遠さんの話を理解するようになっていき、「神の捉え方は、いろいろあってもいい」という思いが伝わり始めたようだ。ジェネラルは「あしたかあさってには、君達を帰す」対話による相互理解の大切さ。しかし裏切られた期待・・・3人の深い絆・・・絶望と論争と・・・「もう一つの道、武器を持たずに戦う方法はないのか」という高遠さんの問いかけに答えるすべをもたない彼ら。解放される直前に民兵が「われわれも別の道を探したい。アドバイスをくれ」彼らも迷っていたようです。迎えに来た兄から、「帰国したら、とにかく謝れ」日本ではバッシングの嵐という事を始めて知った。「自作自演」「自己責任」マスコミのバッシング・・・日本とドイツでは大きく異なる報道。ノルウェーの国際政治学者ヨハン・ガルトゥングの「戦争のような直接的な暴力をなくす(消極的平和)だけでなく、構造的暴力という世界の中心となる国々と周辺に追いやられた国々の不平等な格差をなくす(積極的平和)のでなければ、平和にならない。」**************************日本人として恥ずかしくなるような報道やバッシング。一人でも多くの人がが平和を願い考えると随分、違う世界にならないでしょうか?この時アラビア語を話せる高遠さんが居てくれて、随分助かったようだ。少なくとも英語は話せないとダメだと感じた今井君。私もそう思います。全く英語も話せない私・・・・情けないですね。
2004/10/13
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短編6話◇「虫卵の配列」芸術家の彼との心のすきまを感じ、空しい思いをしていた彼女は、会って話したら心が落ち着きそうな瑞江と偶然で会った。そして話しているうちに、瑞江も恋をしていた。劇団作家と瑞江の心の交流の不思議な恋愛。が!しかし!最後のドン返し!!◇「羊歯の庭」池上純平は現状に満足した事がなかった。職業も生活も妻も・・・・そんな時、15年ぶりに学生時代の恋人から電話があった。彼女は、2度の結婚をし、親の遺産を受け継ぎ優雅に暮らしていた。そして彼女との不倫が始まる。いろいろな事があった後、最後に彼女に言われた言葉は、今も15年前も同じ事だった。「ずるずるとだらしないあなたに対する信頼感が、あたしの中からなくなっていくことだったのよ。」◇「ジェイソン」酔うと記憶が無くなる女子大の助教授・岩佐明。酔っ払うほど飲む事はめったにない。新婚間もない岩佐が久々に大学の友人と飲んだ。二日酔の岩佐は、妻が突然実家に帰ったのを知る。恐る恐る昨日一緒に飲んだ友人に電話してみると、そっけない・・・・何が有ったのだ!??自分だけ知らない、酔っ払った時の自分。学生時代知らない間に岩佐は「ジェイソン」とあだ名を付けられていた。◇「月下の楽園」宮田は、どういうわけか凋落した家の、ただ荒れ果てた庭が好きだ。好みにピッタリの古い屋敷をみつけた。その”離れ”を借りる事ができた。が、そこからは母屋の庭が塀で仕切られていて見えない。夜な夜なこっそり母屋の庭に侵入する。そして!事件が・・!!◇「ネオン」桜井は歌舞伎町の小さな組のやくざの頭。あるとき、馬鹿なのか度胸が良いのか解からない男を組に入れる。この男は、「仁義なき戦い」をバイブルだと言い、話し方も真似ている。本当に度胸が有るなら、桜井はいつかNO2にしようと考えていた。がぁ~!!◇「錆びる心」藤枝絹子は、十年間の計画通りに夫の誕生日に家出をする。十年前に不倫をした絹子は、夫から自由になるお金を持つことを許されず、少ない食費を決められ、市外に出ることも仕事に出ることも習い事をすることも許されない十年間だった。絹子は、コツコツとへそくりをし子供が大きくなる十年間を耐えた。そして絹子が家出をして、望んだ仕事は住み込みの家政婦。好みにぴったりの老女2人と病弱な中年の息子と妹らしき派手な娘の家に住み込んだ。食費の制限は厳しかったが、その分絹子には やりがいも有った。が、病弱な中年男康夫は、「僕を失う悲しみを飢え付けたい」「あなたも飢え付けたかったのですね、ご主人に何かを・・・」<他人だからできる>・・・・残酷なこと。**************************人の暗い心の部分を描いたような作品ばかりでした。それぞれ最後に”おち”があると言うのか、ミステリしてます。話は変わりますが、私は本を読むとき、読めない字はなんとなく読み飛ばしますが、ここに書こうとしたら そうはいかない!で、いつもPCの所に電子辞書を置いて検索してます。読めないから、部首の画数から総画数と絞り込んで、その漢字を探してます。読むことは出来ても書くことは出来ない漢字も多いのに、読めない漢字も私には結構多くて・・・・馬鹿なんだなぁ~私。
2004/10/12
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「アフリカの蹄」の続き。あれから、12年後。日本人医師・作田シンは、現地アフリカ人女性のパメラと結婚し、タケシという男の子も受けた。<アフリカン・ルネッサンス>・・大統領は、そう口にする。アパルトヘイトも撤廃され、民主的になったかと思うとそうではない。貧富の差は縮まるどころか拡大し、犯罪は増加の一途をたどっている。強盗、誘拐、レイプ・・・・今、”エイズ”の問題が深刻化していた。詳しい知識も無く、薬を買うお金も無い。国が自国での医薬品ヴィロディンというエイズの薬を妊婦には無料で配布し、国としての威厳を保ち混乱を防ごうとしている。しかし、その効果は?ある病院では、黒人患者だけにエイズの薬を無料配布している。通院の為の日当まで払って・・・しかし、妙な痙攣や湿疹が・・・・パメラやシン達は、解明に乗り出すが、大きな妨害が!。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。「怒りと悲しみが変質したなれの果ては、諦念だ。」「アフリカが牡牛の形をしていて、僕たちの国はその蹄の所にあって、白人から蹴散らかされている。でも、黙っている蹄ではない。いつか歩みだし、駆ける力を持つ蹄だ」「アパルトヘイトが無くなって、僕たちは走り出しました。でもどこを目指すのか考えあぐねています。・・・・・・・・・・・・・・・・・特にアフリカは世界がよく見える位置に有ります。この国は世界を見つめる瞳なんです。300年にわたって、ヨーロッパの強国によって虐げられた大地ですから、世界の歪は、ここにいると良く解かるのです。」「日本人はみな損得ずくで動く民族だと思っていた。小さな計算機をポケットに入れ、それと相談しながら行動している。でもシン先生をみて、日本人は素晴らしいと思った。この国の黒人で日本に行き、あなたと同じ事をしている人はひとりもいないでしょう」***************************アパルトヘイトで、世界からの非難を浴びて経済封鎖がなされていた時も日本は、この国と貿易をしていた。それで、名誉白人の名を貰い、白人同様というより大きな態度をしていた。民間企業の一人一人は、上からの命令に素直に頑張っていたのではないでしょうか?日本は、資源の無い国だから貿易をしないと生きていけない国。でも、現地の人たちからは計算高い日本人という印象なのでしょうね。貧困からの諦め、立ち向かう意思の強い者たち。読んで良かった本の一つです。
2004/10/06
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吉敷シリーズの名作。浅草で浮浪者の老人が、消費税を請求された事に腹を立て、店の女性をナイフで刺殺した。だが老人は氏名すら名乗らず完全黙秘を続けている。この裏には何かがある!?警視庁捜査一課の吉敷竹史は、懸命な捜査の結果、ついに過去数十年に及ぶ巨大な犯罪の構図を突き止めた!壮大なトリックを駆使した本格推理と ”社会派推理”。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。現代(消費税が導入された、約10年前)の事件が、昭和32年頃の、北海道での不思議な事件にたどり着き、そして、それ以前の日本人の犯した罪に繋がっていく。この老人の絶望の人生・・・・ちょっとつらくなります。最後のページの吉敷と上司の主任との会話が良い。権力社会にいる主任の考え方=「馬鹿は馬鹿、犯罪者は犯罪者、ごみはごみ」怒る吉敷!冤罪や、強制連行、棄民・・・・・社会派ミステリーの島田荘司さんです。
2004/10/05
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「裏表紙あらすじより」俊介は遊子の病室を訪れ、二つの心は次第に寄り添っていく。山賀と大野は、哀しみを抱えた家の扉を叩く。2人の耳は、ただ一つの言葉を求めている。冬島親子を巡り争い続けてきた、馬見原と油井。彼らの互いへの憎しみは、いま臨界点を迎えている。悲劇によって結ばれた人々は、奔流の中で自らの生に目覚めていく。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「2001年10月7日、9.11のテロに対するアメリカの報復がアフガニスタンで始まった。その報復のクラスター爆弾で両腕をなくした少女。9.11は記念式典があったりするのに、何故10.7での罪の無い者達の被害の式典は無いの?」「家族間の愛情が社会に広がっていくのだと考えてます。アジアの小さな島国に暮らす一個人に、欧米を中心とした世界の動向を、変えようもないでしょう。といって、変わらなければ苦しむのは子供です。」「そこまで俺の考える事じゃないだろう?」「だったら誰が考えるの?」「・・どこかのお偉いさんさ」「主権在民って言葉知ってんの?市民一人一人に主権があるって事は、市民より上に偉いやつがいないって民主主義。上の言われたとおりに働くなら、全体主義の人民になる。民主主義って、えらく面倒で一人一人がしんどいんだよ。世界中で本当に民主主義が達成できてる国なんて本当はまだないんだ。」「わたしなら、最後の時、もしそこにママの頭があったら・・・撫でてあげよう。でも、それって、ママのためじゃないんだ、きっと。わたしの為なんだ。わたしが生まれてきてよかったと思いながら、死にたいからなんだ。わたし、生まれてきてよかったって、ずっと思いたかったんだ。」***************************5巻読了しました。重いテーマのようですが、充分にミステリ要素がありますので、読み始めると早いです。読んでよかったと思える本です。自分の仕事、家庭、地域や親族との繋がりなどで、考える事が沢山有って、時間的にも精神的にも余裕の無い方も多いと思います。たまの休みは何処かの観光地に行って・・・私もその一人ですが、改めてこういう本を読んでちょっと考えました。未来の希望に光り輝いているべき子供達の悲劇また、大人たちも・・・皆さんも一度は読んでみて、考えてみませんか。私は小さい頃、何にでもなれると夢が一杯=☆世間知らずでしたが、楽しかったです=☆
2004/09/25
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<裏表紙あらすじ>より孤立無援で、麻生家、実森家の事件を追っていた馬見原刑事は、四国に向った。捜査の為に休暇を取ったのだ。彼は、そこで痛ましい事件に辿りつく。夫に同行した馬見原の妻・佐和子は、巡礼を続ける者の姿に心を大きく動かされた。一方、東京では、少女・玲子のことを心配する遊子と、逃避行を続ける駒田の間に、新たな緊張が・・・!様々な鎖から身を解き放ち、自らの手に人生を取り戻そうとする人々。**************************「お父さん、れいこね、お金がなくても平気だからね。何もいらないから。がまんできるよ。・・・お父さんって、よんだら、お父さんが、ふりむいてくれる。そしたら、からだのなかが、あったかくなってくる。」(本文より)こんなふうに、あの栃木の兄弟たちも思ってたんではないでしょうか?なんか、居たたまれないです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「正当防衛とか戦争とか、相手がどういう人でも・・・誰かを死なせるのは、つらいことだと思うの。つらくないとしたら、気持ちが麻痺してるんだと思う。相手が悪いんだって、自分に言い聞かせて、つらさを逃避してるんじゃない?でも、そうしてると結果として、そのつらさを誰か別の人にぶつけちゃう気がする。」これって、前作にあった親切の循環の反対で、悪の循環ですね~。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・イラク問題や、テロ、大量虐殺、餓死や医療不足による死ぬ子供達。世界はをみれば物にあふれた豊かな日本。そんな中、今日も国家公安委員長がお手伝いさんを秘書として登録して国からお金を騙し取っていた。国家公安委員長が!・・・・どうなってるの日本は?子供なら、「え~???大人って威張りくさってるくせに何なんだよ~!」って言いたくもなると思います。世界の状況や日本のニュースを考えたりする子供(普通で優しい心根の子)なら、どうしようもない不条理に爆発するのも解かる気がします。(その爆発の仕方が問題ですが・・)ニュースは知ってても、感じずに受験勉強に励む子供達が将来の日本の役人や官僚になるのでは?・・・感じない子が・・
2004/09/24
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俊介は、ピエロと生徒達から呼ばれていたのだという。麻生家の一家惨殺事件。そして今度は実森家の一家惨殺。俊介の閉ざされていた心に変化が訪れていた。冬島綾女の母子を全身全霊で守っているにもかかわらず、妻や娘との関係は歪んだままの馬見原。遊子は「虐待の問題をどうしたら良いのか?」という回答が見つからない。遊子だけでない、皆 模索中なのだ。『誰かに親切にされて、そのお返しを他の誰かにして、またその人が他の誰かに親切のお返しをして。。。。』***************************この第三部から、俄然面白くなってきました=☆前二作は、現代社会の歪などを考える本のような感じでした。この三部からは、ミステリファンにはお勧め。勿論、現代社会を考えるテーマも充分に有ります。それぞれの主人公達が繋がり始めます。麻生家、実森家の最後の言葉・・・”愛がみえます・・・”沢山の要素のある内容ですが、頭がごちゃごちゃになるという事はなく、読みやすくスイスイ読めます。
2004/09/23
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あの光景を振り払おうと酒におぼれた俊介は、少年達に取り囲まれ暴行される。遊子は、少女(玲子)をめぐり、その父と衝突する。亜衣は、心の拠り所を失い、摂食障害から抜け出せない。麻生家の一家惨殺事件は、息子による犯罪の後で自らも自殺したと結論づけられた。が!馬見原は納得しなかった。そして、冬島綾女の元夫で幼い我が子に暴行した油井が刑務所から出てきた。**************************家族狩り第一部の読了からちょっと時間がたってしまいました。高校教師・俊介。児童センターの遊子。高校生・亜衣。馬見原刑事。それぞれに個性が有るので、読み進んでるうちにすぐに思い出せました。現代の病んだ現実社会。
2004/09/22
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やっと観て来ました=◇いろいろな面から見る今回のイラク問題という意味でよかったです。大体の事は、報道だけでなく いろいろな意見や想像が飛び交っているので、「あ~やっぱりなぁ~」という感想が多かったです。イラク戦争に賛成してる議員達の息子は一人しか出兵していない。下層階級が、上流階級の利害の為に命を落としている。誰でも知っている、石油問題でアメリカの利害。それだけでなく、『ブッシュ家がサウジアラビアと親密な事業をしている』と言う事。事件前に、数度アルカイダの人物と接触をもっている。話は事業のことにしても、そんなにすぐにアメリカへのテロ行為に気持ちも準備も出来る訳が無いと思うけど。だから、アルカイダのテロとしてオサマ・ディンラビンを特定しながらも、サウジアラビアのディンラビン一族を9・11の後すぐ、9・13には出国を許可している。家族に問題は無くても、行き先や隠れ家の見当を尋ねるのが普通だと思うけど・・・**************************戦争はやっぱり悲劇です。。。人が人を殺す・・・それは犯罪だと思います。「自分がやられたら、家族がやられたら=」・・・そしたら、「やり返したい」という気持ちは、人間ですから解かります。今回、イラクの人が、いえ!国がアメリカに戦いを挑んだのでしょうか?・・・・・・・
2004/09/20
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沖縄文学ミステリ~かな?短編集6話◇「魂込め」(まぶいぐみ)◇「ブラジルおじいの酒」◇「赤い椰子の葉」◇「軍鶏」(タウ チー)◇「面影と連れて」(うむかじとうちれりてい)◇「内海」*************************沖縄の戦前戦後の物語と、昔からの言い伝え。沖縄のほのぼのと触れる本か・・・と思いきや=◇違ってました・・・なんて言うか・・・表現できませんが・・・暗いというか・・好みの問題かもしれません。有名な作家さんで、皆さんよく読まれてる方の本で、私の好きになれない作家さんの本有ります。だから、そういうのが好みの方には、良い本なのかもしれません。。。。
2004/09/19
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1924年生まれの著者の軍国少年であった第二次世界大戦。そして今、庶民の気持ちとして変だなぁ~と思うこと。チョットだけ熱く語り、意外と冷静で客観的な姿勢。とても読みやすくて面白いです。沢山抜粋したい部分はあるのですが、少しだけ。「アメリカという国はどんな強硬なことでも、人道に反することでも、やりたいことはやる国です。とにかくアメリカは徹底的にやる。やる段になったら、いかに非人道的なことまでします。北朝鮮の脅しが効いてアメリカに助けてもらおうとべったりの小泉さん。戦争というのは脅し程度の事から始まりません。戦争を始めるなら奇襲をかけるとか、いきなりミサイルを撃ち込んでくるとかの方法をとるはずです。戦争は、本当にギリギリの所まで追い詰められなければ始まりません。太平洋戦争を始めた日本は、経済封鎖され、石油の輸入は止められ、それでも日本国がじぶんを抑えられれば良かったのでしょうが、でもあの時のアメリカの姿勢は強硬でした。拉致問題にしろ、今度のイラク戦争にしろ、日本はまるで自主性がない、これでは国家とは呼ばないよ。中国の日本大使館に北朝鮮の家族が駆け込んだとき、簡単に中国政府の役人に引渡してしまっているわけですから。」*************************なんで、こうなんだろう~?と、一緒に考えさせられる本です。何が出来るのかといわれれば困りますし、「下手な考え休むに似たり」(?)でしたっけ?そういわれても仕方ないですが、いろいろな人の意見を聞いたり考えを聞いたり、そしてまた自分も考えていかなきゃいけないのでは無いでしょうか?
2004/09/18
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日本人医師・作田は南アフリカ(本文では国名は出してないが誰が読んでも南アフリカ)に心臓外科医として、移植などの研修に来ていた。その時代、まだアパルトヘイト(人種隔離政策)の時代。黒人達は住み慣れた地域を追い出され、バラックで出来た家々が集まる場所に集められている。白人達は、家畜同然に黒人達を扱う。黒人地域では、医療施設も無いに等しい。一人黒人医師が頑張っているが、医薬品にも事欠いている。そして、謎の湿疹で苦しむ子供達が続出する。黒人の子供達だけに感染していき、命も・・・・作田は、時間の開いているときに黒人地域での医療活動する。しかし、研修に来ている病院で その黒人地域での医療活動を止められる。この病院はすべて白人。この国で日本人は、名誉白人という称号で白人として優遇されている。白人地域と黒人地域というはっきりした区別。そういう時代に世界の国々から非難を浴びてきた。国交の相手が限定されてきた中、日本との交易関係は非常に良好で、日本人は例外的に名誉白人の地位を享受し、それがまた国際的な批判の対象となったりもした。「黒人は筋肉、白人は頭脳だ」と白人は黒人を安い賃金でこき使い、人として意識せずにペット以下、家畜でしかない。作田は、黒人差別に怒り、貧しき人々を救う為に正義の戦いに命をかける。ウォザ モヤ(魂よ奮い立て)ンコシ シケレリ アフリカ(神よアフリカに祝福を)***************************アフリカという黒人先住地域に来た白人達の驕り。白人達の中にある、有色人種への差別意識。解説より「総体として二十世紀後半の世界は人種差別の撤廃を足がかりに、あらゆる差別を取り除こうとする方向で動いてきた。だが、人間の感覚の中から特別の差別意識を完全に消すまでには、かなりの時間と努力を要する。その上に、一つの差別の超克が、付随的に別の差別を生み出さないともかぎらない。差別とは、かくも厄介で深刻なのである。」確かに、奇麗事だけ言ってても、現実問題難しい。私もやはり、実際は差別の意識があるように思われる・・・・優等生でもなければ、正義感にもえてもいない・・・
2004/09/16
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群馬県の新聞社に勤める悠木は、17年前に同僚の安西と一緒に「魔の山」と言われる衝立岩に登る予定だった。しかし、その前夜に日航ジャンボ機が群馬県上野村山中の御巣鷹山に墜落した。悠木は、日航ジャンボ機墜落の全権を持たされた。群馬県上空は飛行航路が無く、いわゆる”もらい事故”悠木達新聞社の人間の格闘。スクープを狙ってのしのぎあい。山中での事故で、当日の夜中に現場まで必死の思い出行った記者達。遺族達の悲しみ。事故原因追求。大きく取り上げられる事故のニュースの中、交通事故死をした部下の遺族は、「命の大きさの違いが有るのか?」と悠木に詰め寄る。自宅での悠木は、中学生の息子とどう距離を保てばよいか悩んでいた。安西は販売局所属で丁度事故の当日、街中で倒れ脳梗塞で植物人間状態になっていた。その一人息子は、悠木の息子と同い年だった。それから、悠木は自分の息子と安西の息子を連れ、登山を時々するようになった。日航ジャンボ機墜落の全権を持たされた悠木は、他社とのスクープ合戦に負け、草津の支局に追いやられていた。記者としては都落ち。しかし、17年間草津支局での暮らしは 悠木にとっても家族にとっても ことのほか良かったと思われた。17年後に安西と登るはずだった衝立岩に、悠木は安西の息子と登っている。。。。***************************日航機事故、坂本九さんとか乗ってましたよね。生存者のスチュワーデスさん、中学生だったかの少女。あの少女は、看護婦さんになったんだったけ・・・あの事故は、その前のしりもち事故の時の修理ミスで人災ですよね。御冥福を祈ります・・・・・
2004/09/15
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「人の物語」「海の物語」そして「街の物語」の3部作。2作は、以前に紹介しました。三菱自動車と角川書店の業種を越えたコラポレーション。”New History"21世紀に臨もうとする意思と希望。さなぎから蝶へ。それは新生と飛躍のシンボル。[この三菱自動車は、”あの!”トラックやバスの不良隠しの三菱???]「人の物語」愛情を表し、「海の物語」は自然を表し、「街の物語」は文化を表している。◇ガイド・小川洋子さんママは地元の観光公認ガイド僕が小さい頃から女で一つでその仕事をしてきた。11歳の僕は、その日昼から夜まで停電になるという理由でママの仕事場のツワーに入れられる。そしてバスの隣の老人と親しくなる。老人の仕事は、[題名屋]・・・・・・客の記憶に題名をつけるのが仕事。題名の無い思い出は忘れやすい。題名が着いていると忘れにくい。そしてこの日の事を題名にしてもらうと老人は・・・「思い出を持たない人間はいない」とつけてくれた。。。。。◇動物園跡地・柴門ふみさん従兄妹の中学生のシンは両親の海外赴任で千咲の家に預けられる。一人っ子の千咲は、弟のようにシンを可愛がる。千咲は、その後東京の大学へ・・・そして男性に良いように遊ばれる千咲・・・シンは”約束を守る男”・・・いつか、千咲は”約束を守る男”との暮らしを夢見る。◇中途半端な街・原田宗典さん中途半端な男は、町の福引で1等賞を引き当てる。その景品は、”中途半端な街の旅”・・・旅は何もかも中途半端・・・街もホテルもガイドも・・・そしてそのホテルの部屋は、まるで自分の部屋のような乱れ具合。◇アジール・盛田隆二さんイラスト画家の稲本は、やっと売り出しチャンスに恵まれた。10年付き合ってきた美紀は、29歳。そろそろ結婚、子供が欲しい・・・しかし、踏ん切りのつかない稲本。そんな時、ふと知り合った子持ちの女性。***************************「ガイド」の”思い出を持たない人間はいない”というに、何かじ~んとしました。「中途半端な街」は、何か久々に笑いました。奥田英郎さの”インザ・プール”的な笑いがありました。深刻な本の合い間に”笑える本”も良いものですね~☆
2004/09/12
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ダグ・ショーニング・・・・ジャズのピアノ弾き。並じゃない、稀代のマエストロ。彼は、東京公演の後ホテルで覚せい剤による事故か自殺により死亡。ダグは、檜垣と共に傭兵として一緒に戦った仲間だ。タグはアメリカ生まれのアングロサクソンだと言っていたが、どうも違うと檜垣は考えていた。そこへフリーライターの芹沢がタグのネタを持ち込む。檜垣と芹沢は、タグの死が腑に落ちず真相を求めてニューヨークへ向う。そこには、アフリカ大陸での様々な陰謀があった。独立を目指す国、ファシスト、民族間の確執、ダイアの鉱脈・・・・・・「狐の石」フォックス・ストーン・・・これは本物のダイアの鉱脈か?ジルコンの鉱脈か?ピアニストで生死が裏表の傭兵だったタグもアフリカ生まれだった。タグの死の真相を突き止めるための檜垣。タグの母、タグの義理の妹を次々を死なせてしまう。復讐に燃える檜垣。アフリカで事件の被害に遭い修道院にいるニーナは、両足を切断され口を耳元まで割かれた後があった。ニーナは、檜垣に事件の事を話すが「もう憎しみは無いから、復讐だけはしないと約束してください」という。が!檜垣は犯人を許せなかった。「キシャンゴの王国」と名づけたタグの最後の作品。タグが思いを馳せた生命の輝きに満ちたアフリカ。怒りを、悲しみを、憎しみを、喜びを、愛を、希望を、人間が抱くあらゆる魂の慄を平然と呑み込むアフリカの心。タグの父は生きているのか?あのアフリカでの惨殺事件は誰が仕掛けたものか?何のために?タグは何故あの場所に居た?犯行の一味なのか?何故、あの村は地図から消えたのか?特に最後10ページでのどんでん返し。***************************そろそろ9.11という事もあって、ニューヨークが舞台のかと思って読み始めた本でした。でも舞台はアフリカ大陸。「アダムの呪い」などで人類発祥の地としてのアフリカ。帚木蓬生さんのアフリカ物を読もうと思ってる矢先の奇遇でした。それにケーブルテレビで「坂本龍一のアフリカエレファンティズム」というのを観た。坂本龍一も9・11という悲劇から人間のルーツと言われるアフリカ大陸で取材。これは、”アフリカをもっと読もう”の暗示かも???国名や言語のいろいろは解からないことばかりだけど、少しアフリカの匂いが嗅げそうな本です。ミステリーとしても、アクションも、そしてアフリカをイメージできる面白い本でした=!!
2004/09/10
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熊谷独(くまがい ひとり)さん1936年広島生まれ。東京外語大ロシア語科卒→日ソ貿易関係の商社マンを経て、文筆活動。ロシアとの合弁会社のモスクワ事務所長の秋山純二は、事務所に訪ねてきた老婦人にとてつもない依頼を受ける。老婦人は かつてのロシア貴族の子孫で、革命によって没収された父の財産だった絵画をロシア政府から返還して欲しいという。どうしても返還に応じなければ盗み出して欲しいという。秋山は東京にいる三原社長にその話をする。そんな時、エルミタージュ美術館副館長らから、絵画を数点買い取って欲しいと言う話が持ち込まれる。そして、エルミタージュ美術館内で、秋山と三原社長、鑑定士の赤坂ら3人は、副館長や文化庁部長と2枚の絵画の売買契約をする。ロシア政府との売買でないだけに国外に持ち出すのに いろいろな問題点がある。途中、偽警官に車を止められたり、ヘルシンキへの国境での税関での事件。なんとか、ロシア国外に絵画は持ち出された・・・・が!サンクトペテルブルグに残っていた三原、赤坂らはエルミタージュ美術館で、同じ絵画が展示されているのを見る!偽物をつかまされたようだ!鑑定士の赤坂は、あんなに本物と寸分の違いも無い偽物は見たことが無かった。三原は太平洋戦争の特攻隊の生き残り。友の殆どが死に、妹の好きだった男性も特攻によって死んでいた。今はその妹との2人暮らし。三原には子供達も居たがその子供達も所帯を持ち、妻を亡くした今は妹との暮らしが心休まる日々だった。そして、もうしたいことはしてきたと思う今、決意をする!絵画を盗み出そう~と。***************************絵画を国外に持ち出す時のハードボイルドタッチの面白さ。偽物をつかまされて、エルミタージュ美術館に入る大胆かつ緻密な計画。あの老婦人の正体は?鑑定士をも騙せる偽物の絵画は誰が書いたのか?そして偽物の絵画の売買を計画したのは誰か?何のために?どんでん返しの面白さ。以下「・・」は本文より「外国との交渉は、まず声高に要求を突きつける。良心や神に対する懺悔はあとで独り密室ですればよい。日本人は、懺悔しながら交渉する。正直に心情を吐露することで、相手に気に入られたいという阿諛、おもねりがひそんでいる。腹を割って話せば、相手も人間、おたがいに理解できるはずだ、と自国に不利な状況までしゃべってしまう事がある。」あ~なんか解かるな~って思いました。外交面での失策って、これなんでしょうね。分かり合えない相手もいるし、外交も作戦なんですよね。「ロシアはいったん手にしたものは、どんなことがあっても手放さない。これは昔から変わらない。領土だろうが絵画だろうが、みな同じ」そうだわぁ~北方領土も、ロシアからの独立も。。。どんどん読みすすむ面白い本でした^^
2004/09/09
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”生放送のテレビ番組”という設定のドラマを生放送でやる。「完全なる虚構」と「不完全な虚構」晋太郎の弟・健治は、アイドルの小泉つばさの飛び降り自殺の後追い自殺をした。この兄弟の両親は、数年前に交通事故で亡くなっていた。両親の車の方がセンターラインをオーバーしての事故だった。加害者が美内歌織という作家兼女優のファンクラブ会長。その加害者・準也から、弟・健治は芸能界のツテを紹介され大喜びだった。そして、晋太郎も美内歌織と恋人になる。小泉つばさは、インターネットで私生活を赤裸々に中傷され、悩んでいた。そして自殺・・・健治も・・・・そして数時間して準也も自殺・・・・?・・この事件を美内歌織が架空の名前にして、脚本を作り出演する。放送をテレビで見ていた晋太郎の元に悪戯にしては引っかかる電話が入る。美内歌織の飲むお茶には本当に毒が入っているというのだ。そういう設定の脚本だとは知っていたが、やはり気になりスタジオへ向う晋太郎。それからは、どれが真実か虚構か????脚本に秘められた真実は、慟哭と謝罪の扉を開く。[マトリョーシカは、女の子の姿をかたどった だるまのようなロシアの木製民芸品。胴から上下に開けると一回り小さい同じ人形が次々に出てくる入れ子構造。]外側の殻破ったら、中からもう一人の自分が出てきて、またその殻を破ると新しい自分が出てきたり・・・・まるで人間そのもの。***************************何処までがフィクションか頭がぐちゃぐちゃになりそうなミステリ本です。読み終えて、あ~そうか~です。ミステリファンの方は、どうぞ^^
2004/09/06
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帚木蓬生(ははきぎ ほうせい)さん1947年福岡県生まれ。東大仏文卒→TBS勤務→九大医学部卒、現在、精神科医。英語、フランス語、韓国語もこなせる語学の達人。本作は「日本人として書いておくべき義務がある」物語として構想された。現在の河時根と半世紀前の回想との物語。韓国・釜山の河時根(ハーシグン)会長の元に、日本に居る日本名を吉田と名乗る韓国人の友人から手紙が届いた。戦前、河時根らが強制連行されて働かされた炭鉱のボタ山が壊される案があるらしい・・・・と。最初は強制連行によって渡った海峡、そして戦後解放されて祖国に戻る為に渡った海峡、そして三たびの海峡を渡ることを決心する。昭和18年、17歳だった河時根は病弱な父の替わりに強制連行され日本の炭鉱で地獄のような働きをさせられた。食事も満足に与えられず、15時間以上働かされ、寒い煎餅布団で寝かされ、死ぬのを待つか逃亡か・・・と皆考えるようになる。しかし逃亡を企て見つかり、なぐり殺された者、なぶりものにされ発狂した者、・・・・この人たちの事は、今も心にある。が、河時根は逃亡し、運良く土方の仕事して食いつなぐ。そこで知り合った日本人女性・千鶴。そして子供が出来る。戦後になり解放され祖国に戻るが、日本人の嫁など誰も認めず村八分になる。日本から千鶴の両親が無理やり千鶴と子供を日本に連れて帰る。千鶴も子供の将来、河時根にとっても日本人の妻が居ると不利な将来を考え、泣く泣く日本へ帰る決心をした。その後、河時根は幼なじみだった女性と出会った。彼女も日本軍によって深い心の傷を持っていた。2人は結婚し、子供も出来、事業も成功した現在。三たびの海峡を渡って、千鶴と自分の子供に再会する。息子は、父を憎まず迎えてくれた。河時根にとって、赤ん坊の時に別れ、何の援助もしなかった千鶴と息子には恨まれても仕方ないのに・・・千鶴は再婚もせずに女で一つ、行商をして息子を育てて死んでいた。ボタ山を見ると炭鉱でのつらい仕事、同胞達の死が思い出される。このまま彼らを忘れ去らせて良いのか??息子に最後の手紙を残し、人生の最後の大仕事に決心する。***************************戦争中の平時でない時の人間の凶暴さ野蛮さ。差別による人を人とも思わない行動。悲しくつらい出来事です。戦争という人の心を狂わすものの怖さ。そんな中でも、清く生きる人もいる。重いテーマですが、どんどん読み進みました。戦争と平和を考えてしまう本です。皆さんも読んでみてください。
2004/09/05
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40代の方々にものを教える必要はない。すでに持ち合わせている星雲状態の知識、経験の星屑を、一気に並べ替えて体系化する。そんな体験をしていただくための、いくつかの切り口やヒントを提示したつもりである。なお臨場感を醸し出すために、すべて物語形式にした。もちろん物語はフィクションであり実在の人物、組織とは一切関係ない事は言うまでもない。この本の「はじめに」の一部を記載します。「 すでに、40代の新経営者も大企業に現れている。これからも各方面で多くの40代が、日本を変えるために重要な任務を果たすことになると信じている。いや、いま我々が立ち上がらなければ、日本の復活はまた遅れる。 40代ビジネスパーソンの総決起のために、本書がほんのささやかでもお役に立てばありがたい。読者の中から、多くの次世代リーダーが生まれることを祈念している。では、普通の40代が自分を変える物語を存分にお楽しみください。」+++++++++++++++++++++++++++この楽天日記に著者の方のページがあります。40歳からの仕事術さんこれもご縁かと思い、読ませていただきました。難しい専門書かと思ってましたが、200ページも無い薄くて読みやすい本でした。まだまだ いろいろな事に挑戦しよう~と、ちょっと元気になれそうな本です☆
2004/09/01
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◇静かな家族 うつみ宮土理さん父は和食の板前。まるで股旅のように仕事場を変える。半年や一年など家に居た事が無い。母は、いつも仕事をしているが家計は苦しそう。父からの送金は充てに出来ないようだ。でも母はいつも父に愚痴一つ言わずに時折帰ってくる父を温かく迎えている。母が階段から落ちた時、父は母を負ぶって全速力で病院へ。。。母は、父に負ぶってもらったのは二度目だという・・・初めて会ったのは、自殺しようとしたのを助けてもらい、負ぶってもらって病院へ連れて行ってくれた。◇故郷の春 鷺沢萌さん在日韓国人2世の江以士は、韓国語を話せない。特に何とも思っていなくて、韓国が好きだという事もなかった。大学を卒業し、ソウルの学校に行こうと思った。大学まで出させてもらって、更にソウルの学校に留学する事を父は何も言わず行かせてくれた。そして感じること、考える事ができた。◇愛の力を敬え 佐藤正午さん友人の不倫相手の森幸乃の所に、手切れ金を預かって持ってきていた私。そこへ安倍純という自分と同じ位の中年男性がやってきた。「森さちこさん、居ますか?」という。森幸乃は、知らない人だという。安倍純も「森さちこは彼女では無い。8年前にここに住んでいた人だ」という。偶然にも同じ苗字だった。そして安倍純は、昔の彼女に借金を頼みに来ていた。◇引き潮 松本侑子さん15歳年上の美佐の夫は60歳になり、定年退職をして日がな一日家に居る。子供達もそれぞれに結婚し、時間をもてあました美佐は、スーパーに勤めに出るようになる。そこで、客の西村と出会う。西村は近くのレストランのコックをしている。バブルの時代に店を広げ倒産していた。妻にも先立たれ、自暴自棄な毎日を送っていた。美佐は、死んだ妻に良く似ていた。2人は心の隙間をうめる様に惹かれあう。***************************何気ない日常の、いろいろな愛。。。。。
2004/08/27
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◇「架空の月」 K・羽音さん従兄妹(歳の離れた姉の娘)の涼子16歳が突然北海道から、東京で一人暮らしの僕の所にやってきた。無味乾燥な暮らしから、色のついた毎日になった。10年位前、東京の大学に行く時、涼子に月に関する資料をプレゼントしていた。すっかり忘れていた僕・・・・・涼子にとっては宝物だった。◇パワン島にて 椎名誠さん小説の原稿を書く為にやってきた南の島。殆ど人がダイビングに来る静かな島。日本語を話せるダイビングのガイドのサキ。彼女の父は日本人だったという。◇南氷洋 鈴木光司さん水中カメラマンの里山は、先輩カメラマンの見舞いに行く。癌で余命半年の熊野は、里山に仕事を教えてくれた人だ。鯨を正面から撮る度胸とテクニックを教えてもらった。里山はその真っ直ぐな姿勢で好きな女性にプロポーズし、付き合っていた。また鯨の撮影のときにアクシデントが・・・!不吉な予感。その時、里山の恋人がダイビング中に事故死していた。◇分水嶺に落ちる雨 玉岡かおるさんあゆ子は、離婚した母に突然南アジアの国に連れて行かれる。あゆ子は、高校を中退していた。父は内科医師で成績優秀なあゆ子に期待し厳格だった。母は、いつの頃からか絵を描くようになって自分の世界を持ち始めていた。そして両親は離婚。あゆ子は母と暮らし始めていた。母の仕事で来た南アジアの国。ミャンマーやラオスとの国境。同じ16歳の少女達。。。。。***************************なんとなく ゆったりした気分になる本です。
2004/08/26
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「イブの七人のむすめたち」の続編的本。「イブの七人のむすめたち」は、母から娘へ繋がっていくミトコンドリアDNAだった。「アダムの呪い」は、父から息子へ繋がっていくY染色体。ミトコンドリアDNAもY染色体も、どちらもアフリカが人類のルーツ。アダムもイブも一人だけではなく、また同じ時代に生きていたのではない。イブの生きていたのは14万年前で、アダムが生きていたのはほんの5万9千年前。Y染色体・・・富と権力と強欲・・・・家長制の支配、悲痛、貧困、そして破壊という現在の悪夢。だから本書を「アダムの呪い」とした。インドなどでは、胎児が女だと解かると中絶手術をしてきた歴史が有る。それによって男性の人口がかなり上回っている。X染色体上のある区画に同性愛に傾倒させる遺伝子が存在する。その多くに母方のおじに同性愛者がいる。X染色体には、血友病や色盲の遺伝子も含まれている。女性はX染色体を2つ持っているから、異常なX染色体を受け継いでももう一つのX染色体で封じ込めてくれる。男性は一つのX染色体しか持っていないから、その異常が表に出てきてしまう。同性愛者には左利きが多い。手の指の長さ・・・女性は人差し指と薬指が殆ど変わらないのに対し、男性は薬指の方が長い。同性愛の女性は、人差し指が短い。男性の同性愛者には指の長さは関係なかった。富と権力と強欲のY染色体に対するガイアの復讐として、男性の精子は衰えていっている。農薬、プラスチック、フルタ酸が電子レンジでの調理中にしみ出している。傷ついているY染色体。それに比べミトコンドリアはわりあいと無傷。卵子と卵子の受精の可能性を予想した男性抹殺のシナリオ。。。男性のいない世界でアダムの呪いは解かれる。精子は卵子にたどり着く為に、ほかの精子と戦うこともない。性選択によってあおられた強欲と野心の破壊的な悪循環はおさまり、美しい地球の病状も和らいでいく。ミトコンドリアが勝利した今、ガイアは眠りに戻ることができる。***************************面白い本で読みにくくは無いのですが、私には難しい部分もあるので、先でもう一回読んでみます。
2004/08/25
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目取真俊(めどるま・しゅん)さんは、1960年沖縄生まれ。この「風音」は昨年末には映画にもなったらしい。私の大好きな沖縄・・・・という興味で初めて読む作家さんです。東京からマサシ(11歳)は、母・和江と2人で母の実家の沖縄に来た。2歳の時以来の2度目。2歳の時の記憶など無いようだが、でもなんだか懐かしい匂いがする。村の子供は、自然が遊び場。ナイフで竹を切って釣竿を作ってみたり・・・マサシには手品のように見えた。和江は、2度目の夫の暴力から逃げ出して沖縄にマサシと2人で帰ってきた。そんな和江を夫が追ってくる。藤野志保は、夫が死んでから10年間毎年沖縄に一人で来ている。志保の従兄妹の加納信一が特攻隊で沖縄付近で戦死したらしい。その手がかりを探しに。志保はもう70歳を越えて、病魔にも襲われ余命いくばくもない。「泣き御頭」と呼ばれている骨を通りすぎる風の音は独特な音がする。”風音”・・・・この遺骨は特攻隊員の亡骸。マサシと一緒に遊んでくれるアキラという少年の祖父・清吉が子供の頃に父と一緒に風葬場に運んだ遺体。マサシと和江親子の話と藤野志保という老女の話が、清吉という老人の周りで起きる話***************************沖縄の村の風や匂いが感じられたり、悲惨な戦争という物悲しさとミックスした”沖縄”なんか良い本です。もっとこの方の本を読もうと思いました。
2004/08/22
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沖縄普天間基地のヘリ墜落事件やアメリカ軍がアジアに駐留している軍を削減予定だと新聞に書いてあったので。(でも韓国からの駐留軍削除が多いのかな~)新聞やテレビだけでなく、ちょっと違った分野からもと考えて読んでみました。日高義樹さんは、1935年生まれでNHK入社後ニューヨーク、ワシントン支局長を務めアメリカ総局長・・・・この方、テレビで見たような気がします。イラク問題でブッシュ嫌いの日本人が多いように思う日本。(私もです)[ブッシュ大統領は、テキサスを基盤とした骨の髄までアメリカ人。今までの大統領のように高級レストランで食事をしたり、特別なカントリークラブでのゴルフなどしない。彼の好きなことはカーボーイの真似事。殆どの時間を仕事に費やしている仕事人間。きわめて能率的で決断を大事にしている。政権の特徴は、ホワイトハウスから大統領への不平や苦情、批判が聞こえてこないこと。人の意見を良く聞き即断する。ヨーロッパの人たちは、物事を余り変えたがらない。ヨーロッパの分家であるアメリカがヨーロッパを凌駕し、21世紀をアメリカのもにしようとしているのが許せない。いわゆるひがみ根性のヨーロッパ人。歴代のアメリカ大統領のほとんどがリベラルな国際派だったが、ブッシュ大統領は正反対。アメリカの得意分野は戦争。5章に(沖縄の海兵隊は中東へ移る)歴代大統領は「世界を守るのはアメリカの仕事だ」と言ってるのに対し、ブッシュ大統領は「アメリカをテロから守る」と言っている。アメリカ海兵隊が沖縄にいるのは極東の安全の為で、沖縄の人が望まないのなら、他所へ移すというのが基本方針。]北朝鮮に対する抑止力としては、今日本にアメリカ軍は必要かもしれないけど、それさえなくなれば居ない方が良いかな~・・・・・
2004/08/19
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alexさんがお読みになったというので、私も興味が湧いて読みました。以前、私がロマノフ王朝時代に興味が有り「ロマノフ王家の終焉」を読みました。ロマノフ王朝最後の皇帝ニコライ2世一家殺害後、アナスタシア皇女とアレクセイ王子の遺骨が発見されないので、その2人を騙る人達が続出。なかでもアナ・アンダーソンは、本物のアナスタシアかも???と言われていた。が・・・!この本で解明。どちらの本にも出てくる、ミトコンドリアDNAがキーポイントです。1991年にアルプス山中で発見されたミイラ「アイスマン」の親戚が現代ヨーロッパで見つかった。----現代ヨーロッパに暮らす殆どの人の母系祖先をたどっていけば、なんとたった七人の女性に行き着くというのである。現代日本人の遺伝学的ルーツは、縄文人にあるのか、それとも韓国から移動してきた弥生人にあるのか?***************************ヨーロッパの七人の女性の特徴を書かれてあったけど、日本人は今の所六人の女性が見つかっているとか・・・「エミコ」「ネネ」「ユミ」「チエ」「幸」「愛」と、とりあえず名づけているらしい。まだ、研究途中らしいが。ミトコンドリアDNAからして、母系制度にすると良いのにぁ~。サザエさんのようにマスオさんの方が家内平和だと思うけど。
2004/08/18
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第一夜「初湯千両」寅兄ィは、どうもあのシベリア出兵し”二百三高地”での生き残りのようだ・・・・が!何故か、それを語ろうとしない。九死に一生を得たあとでその地獄の有様は、決して口にする事ができない。第二夜「共犯者」百面相の常兄ィの艶やかな仕事っぷり。ちょっと楽しいです。第三夜「宵待草」おこん姉さんと竹久夢二との出会い。。。第四夜「大楠公の太刀」天切りの栄治兄ィは、胸を病んだ幼なじみの名奴・小龍の病気見舞いに行く。余命幾ばくも無いであろう小龍は、この名前の由来が心に重かった。第五夜「道化の恋文」サーカス団の息子・仁太は、秀才で運動神経も抜群だった。親元を離れ、学校に通っていた。その仁太に一目ぼれして恋文を送った、学習院女子に通う、青山歌子・・・あの青山通りの、やんごとないお姫さま、丹波篠山藩六万石の青山子爵家の。。。。天切り松の言葉に「このごろじゃあ代議士先生が靖国に参るの参らねえのって、くだらねえ遠慮していなさるようだが、死にたくて死んだわけのねえ兵隊さんに、生きてるもんがありがとうござんすと頭下げてどこが悪い。」第六夜「銀次蔭盃」天切り松は、渡世にあるまじき二つ盃を持っている。銀次親分と、目細の安吉の2人の親分。網走に収監中の銀次親分は、典獄(刑務所長の旧称)にいびり殺されるのは時間の問題だった。目細の安吉の親分が銀次。地味で穏やかな目細の安吉だが、ここ一番の”啖呵”は、どすが効いて気持ち良い。迫力です。最後は、泣けてきますよ~・・・・
2004/08/11
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天切り松は、この年の瀬に何故拘置所に居るかといえば、下手をうったのではない。警視庁のお偉いさんに、防犯の協力をしてほしいと頼まれて、そのかわりに・・・と天切り松が言った。拘置所のモッサ飯を食べさせてほしいと願い出て、一番古い拘置所を選び、その中で、”闇がたり”をする。房の中の者にも看守達にも大変な人気だ。それぞれの犯罪に照らし合わせ、同じ犯罪でも粋さが有った大正ロマンの頃の義賊たちの話が心地よい。第一夜「残侠」初詣の神社の境内で見世物の”十人斬り”それをあざ笑うかのように横から進み出た老人の姿は、まるでふるっていた。盲縞の尻を端折って、股引きに手甲脚絆。足元はわざじ履きで、ごていねいに肩からは柳行李振り分け荷を担いでいる。まるで旅の渡世人だ。その老人の居合い抜きは、みごとに青竹を五本に切っていた。向島一家の賭博場でその老人は、一人勝ち・・・丁半のコマが揃わず、相談を持ち込まれた寅兄は”つっかい棒”として、その反対に賭けコマを揃える役目を引き受ける。初詣で見た見事な居合い抜きの老人が相手とあって興味もあった。第二夜「切れ緒の草鞋」大晦日の夜明け頃、一人の老人が雑居房にやってきた。この懲役太郎(わざと年末にパクられ正月を毛布と飯にありつく人)は、62歳だという。天切り松から言えばまだガキ!この懲役太郎に説教の”闇がたり”を始める。。。。。。。先の居合い抜きの老人を寅兄が目細の安(天切り松達の親分)の家に連れてくる。その老人は、清水の次郎長の子分の小政だという。清水の次郎長なんて江戸時代の事、今は大正時代。でも、歳が合わなくも無い・・??騙りか??向島の一家が寅兄の昨晩の博打のつけを取りにきた。親分と寅兄は風呂へ行ってて居ない。その時、小政(?)は、一宿一飯の恩義にと、バタバタと切り倒す。松蔵に小政は言う「男っていうのは理屈じゃねぇ。おぎゃあと生まれてからくたばるまで、俺ァ男だ、俺ァ男だと、てめえに言い聞かせて生きるもんだ。よしんばお題目にせえ、そればできれァ、理屈は何もいらねえ。」松蔵は言ってみる「俺ァ男だ、俺ァ男だ」・・なんとも気持ちの良いものだった。第三夜「目細の安吉」昔は、サツと悪党の腐れ縁というのがあった。目安の安吉親分に話があると言ってきた。男同士の”達引”(元来、くるわ言葉で、客とお女郎が意地の張り合いをする事。どんなにお金を積まれても”嫌なぁものは嫌”。客も男の面子にかけて女を口説く)第四夜「百面相の恋」表向き帝大生として暮らしている常兄ィ。実は、”百面相の常”としての詐欺師。目細の安吉の組の金庫番でもある切れ者。常兄ィの下宿の大家のおかみさんが嵌められて銀行への返済に困っていた。その娘は、常兄ィに恋心をいだいていた。常兄ィも娘のことを思っていたが、本当の自分を明かすわけにはいかない。第五夜「花と錨」おこん姉さんにストーカーのようにまつわりつく男性。彼は、おこん姉さんに一目ぼれしていた。まとわりつかれて、おこん姉さんは仕事も出来ない。第六夜「貴不動見参」第七夜「星の契り」松蔵は、初菊という水揚げ前の華魁に一目ぼれをする。初見せという水揚げの最初の客になることに奔放する。松蔵にとって、筆おろしでもあった。第八夜「春のかたみに」松蔵の父が死んだと警察から連絡があった。栄治兄ィに連れられて警察に行くと、もう遺骨になっていた。病気の母を医者にも見せず、姉を身売りさせ、自分を盗人一家に売った父。そんな父の弔いなどしたくない松蔵。しかしそんな松蔵を、怒った顔を見た事の無い目細の安吉親分から怒鳴られる。
2004/08/10
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大正時代の粋でいなせな盗賊たちが意地と見栄とに命をかける。それを平成の現代に拘置所で”闇がたる”松蔵じいさん。五夜の物語。第一夜「闇に花道」大正六年夏数えで9歳の松蔵は、父に盗人の親分の家に連れて行かれる。父は預けるだけのつもりが、親分に「9歳の子供を盗人に預けるような者に親の資格は無い」として、手切れ金を渡し親子の縁を切らせる。その前に松蔵の父は、博打で借金をつくり13歳の松蔵の姉を吉原に売っていた。松蔵は、人情溢れる盗人一家の中で育ち、”天切り”(天井から瓦を外して盗みをする事)としての修業をする。第二夜「槍の小輔」ゲンノマエ(帯に挟んだ紙入れを真正面から抜き取る)のおこん姉さんの意地と恋との物語。第三夜「百万石の甍」大企業の息子が女中に子供を産ませ、その母子ともに下請けの大工の棟梁に押し付ける。棟梁は、その子供をわが子以上に可愛がる。その息子は後に松蔵の師匠になる”天切り”になる。血は水よりも濃い。ではなく、血よりも濃い水も有る。第四夜「白縫華魁」外人バーに不法滞在の女を斡旋する男が逮捕されてきた。”女衒”松蔵は13歳の頃、吉原に売られた姉の美しい華魁道中を見る。第五夜「衣紋坂から」姉を吉原から救いたい松蔵は、兄貴分たちの好意で大金を揃えてもらう。そして、身請け出来る事になったが!・・・・・
2004/08/09
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一人の女性について、各章それぞれの人の証言。冨野小路公子は、謎の死を遂げた。自殺か事故か殺人か???八百屋の娘として鈴木君子は、昭和11年に生まれた。その後中学を卒業後、夜学で簿記を勉強し、昼間はラーメン店のレジで働く。君子は母と、昔華族だった近くの同級生の娘の家でお手伝い同様にに暮らしながら・・・君子は自分は貰われっ子で、血筋は由緒有る出身だと他言し、信じていた(?)十代後半で妊娠し、戸籍上の夫は彼女が本当に出産していたとは知らなかった。ましてや、婚姻届を勝手に出していたなんて知らなかった。本当に自分の子供だろうか??そして、なんと2人目の子供も居た!!もう戸籍上の夫とは、一緒に暮らしてもしないのに・・・誰の子???鈴木君子は、その後”鈴木公子”と改名し、ペンネームというか、事後上”冨野小路公子”と称し、事業で成功する。周りを煙に巻く訳の解からない二度の結婚。その離婚による多額の慰謝料によって始めたであろう事業。彼女の事を、”悪女という者”全く逆の”可愛く純粋な良い人”という証言。彼女とは???彼女は計算ずくで生きていたのか?それとも、善の固まりか???「愛ですわぁ~」が、彼女の口癖だった。苦しい生活から、事業でも成功し巨額の富を得る。子供達を母に預け仕事を成功させ、子供達に金銭的に何不自由の無い生活をさせる。子供達は、そんな母をどう思っていたか・・・***************************女性のサクセスストリーのようで、詐欺師のようで・・・・彼女はただ純粋に生きただけか?苦しい生活から、事業でも成功し巨額の富を得る。こんな魔物の女性が巨額の富を得るんでしょうね。愛?善意??信頼???それを真実だと思わせる彼女は、やっぱり悪女です!!
2004/08/08
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