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⑰生物兵器テロから身を守る

生物兵器テロから身を守る


厚生労働省は、生物兵器テロとして用いられる可能性が高い、4種類の病原体・毒素による疾病の概要、治療等に関して発表しました。それぞれ毒性は非常に高いのですが、ワクチンや抗生物質によって早期に治療すれば生命に別状はありません。


(1)炭そ菌

もともと炭そは牛や羊、人など哺乳類に共通した伝染病です。「炭そ」という名称は、病原体が皮膚の傷口から入ると、墨のような発疹ができることを由来としています。皮膚から伝染した場合が皮膚炭そで、放置すると敗血症で死亡します。死亡率は約20%です。

炭そに感染した哺乳類の肉を食べると、腸炭そとなります。菌が腸に入って食中毒のような下痢と嘔吐の症状が出ます。死亡率は約50%です。

肺に直接炭そ菌を吸い込むと肺炭そになります。これがもっとも恐ろしい症状で、治療をしないままでいると90%以上死亡します。

炭そ症は抗生物質で治療が可能です。ペニシリンG、シプロフロキサシン、ドキシサイクリン、アモキシシリン等の抗生物質が有効で、早期治療が原則といえます。

(2)天然痘

潜伏期間は7~17日で、倦怠感や発熱、頭痛などの症状が出ます。2、3日後には、天然痘に特徴的な発疹が現れ、とくに顔、腕、脚に多く出ます。炭そ菌と異なり、人から人へと感染していくため、炭そ菌以上に警戒する感染症専門家も多いようです。治療をしないと約30%の死亡率となります。ワクチンが開発され1980年には世界保健機関(WHO)が撲滅宣言を出しましたが、生物兵器として保存されてきたといわれます。

ワクチンを接種すれば、少なくとも5年間、感染を防ぐことができます。また、感染から4日以内にワクチンを接種すれば、発症が予防でき、また進行を抑えることができます。

(3)ペスト

中世ヨーロッパでペストが流行して大勢の人が死亡した歴史があるため、もっとも恐れられている感染症のひとつです。ペスト菌に感染したネズミなどに吸着したノミから感染した場合を腺ペストといいます。生物兵器として用いられる可能性が高いのが肺ペスト。病原体を含んだ空気を吸ったあと、1~6日の潜伏期を経て高熱、頭痛、血痰等の症状が出ます。急激に肺炎となり、呼吸困難に陥ります。治療しないとほぼ100%が死亡しますが、抗生物質による早期治療が有効です。肺ペストでは、人から人へ感染します。

抗生物質の投与が有効な治療法です。ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、ドキシサイクリン、シプロフロキサシンのいずれかを10~14日間投与するのが一般的です。

(4)ボツリヌス菌

ボツリヌス菌が体内に入って増殖すると毒素を放出します。この性質が生物兵器として着目されました。ボツリヌス菌に侵されると、運動神経及び副交感神経が遮断されて、まぶたが下に垂れる、口が渇く、ものを飲み下すことが難しくなる、便秘等の症状のほかに、骨格筋の麻痺が起こります。この麻痺は呼吸を司る筋肉にも及び、その結果、呼吸困難となって死亡します。食物に混入される可能性があり、人から人への感染はありません。

ボツリヌス毒素に対する抗血清の早期投与が有効な治療法です。



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