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October 30, 2009
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カテゴリ: 創作話

(2)

「あの頃、確かに僕は有頂天になっていたんだよ。」

名もない花の2度目の植え替えをしながら語りかける。

その植木鉢はピョルが約2年ぶりに登り窯で焼いたものだった。

他にも何点か焼いた・・・。

燃えるような赤の大きな飾り皿

赤に赤を何度も何度も重ねて・・・

メファへの愛情をそこに封印したかのようだった。

ピョルが家のどこにいても目に付くように飾られている。

もうひとつはあの老木を思わせるように、

重厚なずっしりとりた花飾りの器だった。

花の咲く季節も

新芽まばゆい季節も

枝だけの時も

そこに生けられるのは、梅だった。

窯から最初に取り出したもの・・・・

それは、およそ同じ作家の作品とは思えない、

淡い春の陽だまりを感じる

やさしい風合いの子供用の器だった。

その器の主、ミレはスヤスヤと寝息を立てて昼寝をしている。

ピョルの表情に苦悩は見えない。

苦悩も絶望も、赤い皿に封印したのだ。

植え替えを終えたピョルは、

名もない花を家の中に入れる。

 もうじき霜が降りるかもしれない・・・。

そんな気がした。

ミレと二人で暮らしだして2度目の秋がやってくる。






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Last updated  October 30, 2009 09:43:39 PM コメントを書く
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