エメラルドハイツ

嫌いな人

私が、この世で一番嫌いな人・・・
それは、母方の祖母。
いつからか、自分でハッキリとそう自覚した。
子供の頃は、可愛がってくれていた記憶もある。
両親が離婚した頃からだろうか、祖母は私に辛く当たるようになった
気がする。
母は、いわゆるお嬢様育ち。そんな母は、地元でも有名な【悪ガキ】と結婚した。祖母は猛反対。母のお腹に宿っていた私を「堕胎しろ」と言ったくらいらしい。
離婚してから、「お前さえ出来なければ、○○はあんなのと結婚もしなかったし、離婚なんて恥ずかしい事しなかった」
私と祖母しか居ない空間では、必ず言われた。
成績が良ければ、ママの血。悪い事をすればお父さんの血のせいにされ、子供心が傷ついた。
祖母にとってどうであれ、私は父が好き。なぜ、そんな酷い事を言われるのか・・・意味が理解できなかった。
祖父は、父の事を悪く言った事はない。叔父も叔母も。
祖母だけが、言い続けている。
母は長女。だから、特別なのか・・・。「あの子は傷物にされた」と良く言われた。
私は、１８歳の時、父の所へ行く決心と苗字を父方姓に戻す決意をして裁判を申し立てた。
母は、離婚した時に「苗字は、大人になったら変えてもいいからね」と言っていた。それを実行した。
調停で、母と私と裁判官？とで３者面談をした。母は思いのほか反論せず、すんなり終わった。
父に親権が変わり、戸籍を異動。
それを、叔父や叔母、祖父祖母に報告した。祖母以外は、皆「そう^-^」
「生まれた時の苗字だもんね。お父さん喜んだでしょ^-^」という中
祖母は劣化のごとく怒り「もう○○家とは関係ない人間だね！金輪際、家の敷居をまたぐな！！まったく。。可愛がってやったのに」と言われた。
祖父が、その時初めて祖母に怒鳴った。
［女の子は、結婚すれば苗字は変わる！何をこだわってるんだ！！いい加減にしろ！！！」
祖父を、怒鳴らせるような事を招いてしまった。
それからは、祖父の家には行っていない。今年で、11年になる。
妹が、癌になって摘出手術の日。私は姉だから当然の様に病院に行った。
待合室に行くと、そこに、祖父祖母もいた。
祖父は駆け寄ってきて「元気か？」と声を掛けてくれた。
「うん。おじいちゃんは？」などと話していると、向こう側から
「○○家じゃな人間が、何しに来たんだ！全く・・・あの子が癌になればよかったんだよ・・・」と・・・
祖父は「何てこと言うんだ。何をしたんだこの子が」とかばってくれたが、私は部屋を出てしまった。
叔父が来て、「本当にごめんな。いつも嫌な事ばかり・・・気にするな」と言ってくれた。
ママは、こんな事を言われている私を見ても、何も言ってくれない。それが不思議で、哀しくて・・・。
成人式の時期、着物を送ってと母に頼んだ。
「おばあちゃんちにあるから、電話して送ってもらいなよ」と。「私が言っても、無理なんじゃない？」と言ったが、「最近は丸くなったから^-^大丈夫だよ。」の言葉に安心して、電話をした。
はじめに電話に出たのは叔父。喜んでいた。
祖母に代わってもらい「成人式だから、着物を送ってもらいたいんだ」と言うと
「何だって？これは○○家の子が着るもんだよ。他人のあんたに着せる着物はない！着たいなら、父親に買ってもらうんだね」と言われた。
慌てて電話を変わった叔父が「ごめんな・・・何か着たいなら、俺が貸衣装頼むから。」
七五三の時に着た着物。「大人になっても着れるんだよ。」と言われていた着物。
「私は、子供の時から、アノ着物が着たかった。着れないなら成人式はでないからいい。いいよ」と電話を切った。
その日から、何度も母と叔父から電話が来た。
「貸衣装の方がイイのがあるよ。一生に一度なんだから」と
この事は、今思い出してもショックな事の一つ。
それから３年後、私の着たかった着物を着て、妹が成人式を迎えた。
私が頼んでも、目にする事が出来なかった私の着物。
それを、私が働いている美容室で着付けた。私がメイクした。
なんとも、複雑な日だった。
母に「ねぇ。私が頼んでも送ってくれなかったのに、どうして今日ココにあるのよ」と責めた。
「ごめんね・・・」一言だった。
祖母と母。私は二人を許すことが出来ない。
父は、「許すことのほうが大変だ。憎むのは簡単だからな。でも、許さないと・・・憎しみなんて、持ってないほうがいいんだ。」と言われている
でも、許せそうにない。
私を責め続けた祖母。それから守ってくれなかった母。
いつかは、許せる日がくるのだろうか・・・今は来ないように思う。

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