杏子のKIMAGURE缶

その5


昨夜トイレへいってから、だんだん室内をウロウロできるようになった。朝、赤ん坊をつれていってもらってから、食事のあとゴミ箱を廊下へだしたり、汚れ物を袋に詰めたり、洗濯物を引出しへしまったり、といろいろ動き回っていた。また午前中は点滴二つ、それが終わる前に院長回診があったりする。
 あの院長は何かヘン。話好きな人で、ひとりでべらべらしゃべってくれて。思わず笑ってしまう。
 今日も突然、「えーと、○○さんは明日で4日目だね。明日が退院だね」などとまじめな顔で言い、こちらが疑問符いっぱいの顔で見ると、「そういうとみんな元気になるんですよ。アメリカでは、(帝王切開でも)明日が退院日になるんだから・・・」と(^^ゞ
 母乳、母乳・・・といつもうるさいほど言っている院長先生は、この病院のボスといった感じだ。白髪頭のおじいちゃんという感じだが(^^; まったく歳というものを感じさせない。実際いいキャラしてる(笑)。
 傷の方も順調に回復している様子。傷口に張るテープのあととかがだんだん痒くなってくるんだよな。(前回の筋腫手術の際に経験)
 それにしても、赤ん坊は長男の赤ん坊のころとそっくりだ。フンイキといい、目鼻立ちといい・・・ 眉毛の形がまっすぐという点をのぞけば(上の息子は八の字をしてる、私似?)
 長男がもう一度赤ちゃんになって小さくなってでてきた、という感じがする。だからなのか? 名前がいまいちピンとこない。思わず長男の名で呼んでしまったりして。
 命名は結局、ダンナの考えたのになりそう(というか決定?)。字画がよくないのがいまいちなのだが、そういうのは気にしないほうがよいよね? 悪くても本人の努力次第? とむりやり納得させている。
 今度の子は上の子とちがって、まったくといっていいほど泣かない。泣くのはオムツ交換のときぐらいで、泣いても乳をやればすぐ泣き止み、寝入ってしまう。
 そのため一日じゅうよく寝てくれて、こっちは助かるのだが。それがかえって心配。健康に問題があるんじゃないかと思ったり、大人しすぎる性格なのかなと思ったり・・・
 大人しいといえば、ちょっとの物音にまで反応して両手をビクッとさせる。音だけじゃなくて、私がちょっと手を動かしたり、足を動かせたりしても同じ。
 TVの音も大きいと何か顔しかめて泣きそうになるし。臆病なタイプなのかな? お腹にいるころ、よく映画を観にいったが、いつもはげしく動いていた。あれは興奮してるせいかと思っていたが、ほんとはビックリしてただけなのかも。
 家へ帰ったら、また神経つかいそうだ。

  読書  「夏と花火と私の死体」(乙一)集英社文庫 「天帝妖狐」(乙一)集英社文庫

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