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2004年06月20日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
松山千春氏の楽曲を全く音楽理論的根拠のない、私の勝手な解釈により紹介することで、人生と恋愛を考える(?)このコーナー。

今日はこの曲。

「それだけの愛」

今日は「父の日」ということですが、
この曲を選んでみました。

それでは、まずはいつものように、曲の世界から。



またたく星を遠く眺めている
冷たい風に キラリ 輝いてる

いつでも いつでも それだけの愛

寄り添う二人 指と指をからめ
疑いのない時が 流れてゆく
いつでも いつでも 二人でいたい
いつでも いつでも それだけの愛

やがて季節がめぐり 姿変えても
老いてこの世と 二人別れる日も
いつでも いつでも 二人でいたい
いつでも いつでも それだけの愛

いつでも いつでも 二人でいたい
いつでも いつでも それだけの愛




うちの親父とお袋は教員の共働きで、
私が子供の頃、二人とも非常に忙しかった。

家に帰ると二人とも仕事でのストレスをぶつけ合う形で
子供の面前で激しいけんかばかりしていた。


私はその度に部屋の隅で小さくなっているしかないような
激しいものであった。

二人とも、私に対して相方の悪口ばかり言い、
子供心ながらこの二人に愛があるなどと
私には全く思えなかった。

家族で一緒に食事に行ったり
どこかへ遊びに行ったりすることも
ほとんどなかった。

この二人も子供たちが仕事について家を出るようになると、
次第に穏やかな関係になっていった。

一緒に食事に行ったり旅行に行ったりしたような話を聞いて、
私もああ、よかったなあと安心したりするようになった。

もしかしたら、息子があまりに放蕩なので、
夫婦でけんかしてる場合ではなくなったからかもしれないが。。。

今年の春、
歳を取るとともに穏やかな関係となりつつあったこの夫婦に
1つの事件があった。

お袋が健康診断で引っかかったのである。

再検査の結果によっては、
仕事(今、高校で習字の先生をしている)を辞めて
即入院という病気の可能性があったらしい。

私はその話を聞いてなかったのだが、
1ヶ月以上も母からメールがなかったので、
なんとなく察して「母の日」に電話を入れた。

「いや、連絡がないけん、
体の調子でも悪いんじゃなかろうかと思うて」

私は聞いたが、
親父もお袋も
「なんにもない。二人とも元気よ」
というだけ。

明るく私は自分の学会発表の話などを大演説して、
安心して電話を切ったのだが。。。

ところが次の日、お袋からメールがきて、
「実は健康診断で引っかかっていて、
昨日はその再検査の結果が出る1日前だった」
ということだったので私は驚いた。
ただ、続きを読むと

「今日結果が出て、
問題ないということだったので、
夫婦で食事に行って母の日を祝った」

ということだったので、
ほっと一安心したのだが。

親父もお袋も、
そんな不安な状態であったことを
全く私には見せず隠していたのだ。

私を心配させまいと思って。
私は参ってしまった。

「それだけの愛」

お袋が入院するかもしれないという不安な時、
親父はまさにこんな心境だったのではないだろうか。

やがて季節がめぐり姿変えても
老いて この世と 二人別れる日も
いつでも いつでも 二人でいたい
いつでも いつでも それだけの愛

それだけでいい、と。。。

きっと、祈るような気持ちだったと思う。

親父、お袋にいつまでも穏やかな日々が続きますように。
父の日に、この曲を贈ります。



アルバム「ISHI」収録               1989年11月28日発売
アルバム「季節の旅人」収録         2001年3月31日発売



「松山千春」バックナンバーは こちら。





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最終更新日  2007年04月08日 09時23分14秒


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