かえるちゃんのぽっかぽか生活

かえるちゃんのぽっかぽか生活

+ 天使になった小さな命 +

次男の病気

【総肺静脈還流異常】

次男
2004年9月 我が家の次男は先天性心疾患の為
小さな天使になって空へ飛び立って行きました。

彼が持って生まれた心臓疾患は総肺静脈還流異常といいます。
総肺静脈還流異常症とは、肺静脈が左心房につながらないで
右心房につながっている疾患です。
その為、酸素を含んだ血液が肺に戻ってくる量がとても少ないのです。

お腹の中での成長が見込まれないということで、
32週で帝王切開による出産。
800gに満たない小さな小さな赤ちゃんでした。

体重を増やして退院の日を迎える予定でしたが
生後2週間で心臓の病気が発覚。
3000gの体重であれば、ほぼ完治する手術でしたので
せめて1000gまで体重を増やそうと、ミルクや点滴で
栄養を取っていましたが、利尿作用のある薬を併用
しているので体重はほとんど増えず・・・
その時点での状態は大変落ち着いていましたが
いつ悪化するかわからない状態であった事は事実です。

症状が悪化してから緊急手術をするよりは、比較的落ち
着いている状態で手術に踏み切った方が良いだろうという事で
体重760g、大人の親指の先程の心臓と糸のような血管を持つ息子は
開胸バイパス手術を受けました。

生存率1%未満と言われてはいたものの、手術自体は成功
だったそうです。ただ、体力の不足と、術後の出血が止まらず
死に至ってしまいました。
臓器は取らずに、開胸部分から取れる組織で病理解剖をお願い
しましたが、血管と心臓はきちんと正しい位置に治されていたそうです。
死因は当初の診断と相違はなく、総肺静脈還流異常、
出血が止まらなかったことが大きな原因です。

手術後、浮腫んで変わりたてた息子の姿を見た時に、
「自分は間違った事をしてしまったのではないか?
手術をしなければ、彼はまだ生きていたのではないか?」と
思い悩みましたけど、解剖結果によれば、何もしなければそのまま
亡くなっていた事には変わりないと言う事でした。

いまだに込み上げてくる悲しみは抑えられず、「たとえ心臓に欠陥が
あっても、もし未熟児でさえなかったら・・・。」「未熟児であっても
心臓病さえなかったら・・・」と、悔しい思いは拭い去れませんが
32週で出産に踏み切った事、生存率がほとんどない状態で
手術に踏み切った事、その他あらゆることにおいて、
その時その時に自分が下した決断に決して間違いはなかった
やれるべき全ての事はやってあげられたと納得しています。
なぜなら、自分が出来る限りの全てを尽くしたから・・・。

10年前であれば助かる見込みのない病気だったそうで、技術の進歩により
2年前に未熟児用の医療道具が開発されたそうです。
(残念ながら、現在は超未熟児用のものはないそうです・・・)
息子も手術前日、それらの道具をボストンから取り寄せてもらいました。
手術さえ出来ずに、ただ弱っていく我が子を見守るしかない悔しさを
考えたら、わずかな確率でも最善の方法を取れたことに感謝しています。

医療の進歩に期待しつつ、全ての小さな命が助かるような未来が
来る日を信じています。


出生前診断と羊水穿刺



Designed by unamama



© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: