あんなこと、こんなもの

あんなこと、こんなもの

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2005.06.05
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 玄関をでたところで、隣の母を訪ねてきた白蓮寺の住職さん(以下略して白蓮寺さんと呼びます)と会いました。

 白蓮寺さんはお寺の住職を勤める傍ら、大学で教鞭も取っています。
 飾り気がなく、誠実な人柄で檀家にも、学生さんにも慕われています。

 「お久しぶりです。」と挨拶すると
 「檀家の方から野菜をたくさん頂いたので、ちょっとおすそわけ、と思って・・・おでかけですか?」と聞かれたので
 「はい、00町まで」と答えると、
 「それじゃお送りしましょう。車はそこですから・・・」

 そこですから、の車・・・

 もとは何色だろう・・・サハラ砂漠3ヶ月くらい走り回ったら、こんなふうになるかな・・・塗装は剥げて、満遍なくめくりあがって・・・名付けてーウロコ逆立てたアルマジロ車ー


 中に乗り込んで腰を下ろすと「ストン・・・」座席のクッションは砂漠に捨ててきたらしい・・・
 足元には大きな穴があいて地面が見える・・・
 ウィンドウのハンドルはちぎれてハンカチを結んである・・・

 ・・・この車でここまで走ってきたの?・・・

 「すごいでしょう。でも安かったんです。教え子の中古車屋で3台10万円」
 ・・・車の3つでいくら、なんて初めて聞きました・・・
 ・・・後の2台が見たい・・・

 「でもちゃんと走るんですよ。後のは寺の境内に停めています。」
 ・・・そうだった・・・お寺は広いんだ・・・

そして発車・・・ほんとだ、ちゃんと動く

 走り出してふと見ると・・・


 衣だけでもちょっとたたんでおこうかと手に取ろうとしたとき、車はカーブにさしかかり・・・

 ガラガラッとうしろからなにかが雪崩れてきました。

 見ると・・・卒塔婆・・・書きかけと白木と取り混ぜて30本くらいか・・・

 「センセ、卒塔婆が・・・」


 しますよ・・・梵字だの、00居士だの信女だの書いたのがそこらに散乱・・・

 拾い集めて立てかけても、カーブごとにガラガラと倒れ掛かる・・・

 しかたがないので、そこらの信女や大姉や居士をひとまとめにして抱えました。

 もし、これで事故にでもあったら、新聞になんて書かれるだろう・・・
 「住職の車大破、同乗の女性卒塔婆抱えて死亡・・・」
 「住職の車崖から転落、散らばる卒塔婆・・・」

 ウロコ逆立てアルマジロ車、改名して卒塔婆車・・・

 なんとか無事に00町に到着しました。
 ゆみさんの店に寄って「卒塔婆といっしょに乗ってきた。」と言うと、ゆみさんは「あちゃー」と叫んだ後でしばらく考えて、
 「お墓の夢見たら縁起がいい、っていうから、卒塔婆もきっといいことあるよ。」と言いました。

 でも、私白蓮寺さん好きです・・・











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Last updated  2005.06.05 19:37:51
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