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お初天神・・・かの有名な近松の「曽根崎心中」の舞台
「・・・この世のなごり、夜もなごり、死ににゆく身をたとうれば仇しが原の道の霜ひとあしごとに消えてゆく・・・七つの鐘を六つ聞いて、のこるひとつが今生の鐘のひびきの聞きおさめ・・・」
・・・名高い道行を聞いたのは16の時・・・
「すごい、上手い、近松は天才だ~」と心に叫んだ私吉祥天
ガイドブックを見てみると、「露(つゆ)天神社ーお初天神」とあります。
露天神・・・つゆてんじん、このことばの響きがまたなんとも・・・心中の舞台にはぴったり。
「都会の喧騒を忘れて憩いのひとときを・・・」などと書いてあります。
行かなきゃ・・・これは行かなくては・・・
さっそく大阪駅のタクシー乗り場へ
ここのタクシー乗り場は「遠距離」と「近距離」に分かれています。
地図ではそんなに遠くではなさそうだけど「都会の喧騒を離れて・・・」ですからね・・・うーんという顔で立っていると、係りの人が
「近距離ですか?」
「たぶん・・・」
「どこへいかはります」
「お初天神へ」
「あ、そりゃ近距離です」
タクシーに乗って「お初天神お願いします。」
「はいはい」
7分後・・・
「はい、着きましたよ・・・お客さん、あれがお初天神です」
「へ・・・」
ビルの谷間じゃないの・・・どこが「都会の喧騒を忘れて・・・」
車を下りてみると右側には「 曽根崎心中の舞台、お初天神」と大きな看板、商店がずらりと並んだ参道が続いています・・・ 私の降りたのは脇の入り口だったらしい・・・
こじんまりとした境内の向こうに社殿・・・
境内では毎月第1,3金曜日の骨董市開催中・・・陶器の器や置物、ガラスに絵画に古い民具に玉に宝石、古布・・・なんでもある・・・昔のエロ本まで・・・バチあたるよ・・・
お賽銭をあげて拝んできました。・・・画像は私ではありません
神社の脇に「お初 徳兵衛」の銅像・・・これは最近できたもの
脇の石碑に彫られた発起人の「坂田藤十郎」なんていう文字を見ると
「ああ、ここは大阪だ・・・」
ずらりと並んだ絵馬
「00ちゃんと結婚できますように」
「**ちゃんと幸せな家庭が持てますように」
「幸せな出会いにめぐり合って、よい結婚ができますように」
「別れた##ちゃんともういちどお付き合いできますように」
・・・幸せな縁結びを祈る絵馬のなかに、突如として
「00高校に合格できますように」
「00国家試験に合格できますように」
ん、ん、ん・・・
そうか、ここは天神様だった・・・
天神様も面食らったことだろう・・・学業専門の神様だったのに、境内で心中されたばっかりに、いつのまにか「天神」の前に「お初」なんていうのがついてしまって・・・
この場合、お初サンは天神様の店子というべきか、それとも居候というべきか・・・
この絵馬はどうするのかしら
家主さんの天神様がより分けて
「あ、お初はん、あんたとこあての縁結び祈願の絵馬はこれこれね」
お初サン
「あ、いつもすみません、スガワラの天神さん、お手数です・・・」なんて言いながら、絵馬受け取ってるのかもしれない・・・
・・・そんなこと思いながらおまいりを済ませました。
次はヘップファイブの大きな赤い観覧車に乗ります。