過ごした日々~9



【2005.9.5 やっと逢えた】-1日目

2時間で目覚め シャワーを浴びて 身支度を始めました
髪には 上の部分を少しだけすくいとって 三つ網にし茶色のリボンを結びました

ご主人様に買っていただいたスカートに 胸の横にリボンがついているTシャツ
朝は寒いので 麻の上着を羽織って帽子 ピンクのトーンの薄化粧をし
深いローズ色のペディキュア 薄いピンクのマニキュア
足元は アンクレット 脚の左中指に飾りのついたリングをしてサンダルで
準備万端です

ご主人様に これから出ます 着いたらどうしたらいいかとメールをしました
体調が良くないようです とても心配。。

電話をしながら 待ち合わせ場所を決めていきました
外は蒸しています 汗がちょっと滲みました

待ち合わせ場所に 結構先に着いたご主人様が迎えてくれました
待っている間もつらかったと 身体が不調のよう。。

すぐに電車に乗って いつもの街へ
電車の中でもぎゅっと腰を抱いてくれました
私も安心して ご主人様に寄りかかりました

「これ可愛いね」

と三つ網を褒めてもらって 嬉しい

前 夜に連れて行ってくれたお店でランチを食べ 元気を取り戻していきます
そして これから使うものを 買い物して 
チタンのネックレスを買ってあげると言っていただいたけれど
また どうせ出てくるしと 家にただいましました

「おかえり」

その言葉が嬉しくて。。

早速 マッサージをさせてもらいました
一生懸命疲れよ飛んで行け~と思いながら

そして顔がすぐにかさかさになるといっていたご主人様に
フランスの温泉の水のスプレーを使ってもらおうとしました

随分気に入ってくれたようで 嬉しかったです
少しでも 癒して差し上げたい

2時間だけ寝ようと提案され お疲れのご主人様

「はい」

夕方起きたけれど ご主人様は疲れて微動だにせず眠っていました
起こすのが 可哀想で そのまま私もご主人様にくっついて眠ってしまいました

起きたのは とっぷり暮れた夜でした

そこへ黒い蝶が舞い込んで来ました

空気が止まってしまった夜でした



【2005.9.6 重い決断】-2日目

起きると ご主人様はパソコンに向かっていました
一緒に朝ごはんを作りました

黒い蝶は止まったまま 暫くして飛び始め 蜜を吸いに

お昼になって ご主人様がまたベッドに入りました
一日中 空気が止まったまま

夜になって起きだし 限界が来ているのを私は感じていました

ご主人様が提案を出しました

私に問うけれど「帰りたくない」としか言葉が出ませんでした
黒い蝶も止まったまま

重たい空気が流れています

ご主人様は自ら「限界」という言葉を吐きました

黒い蝶が ご主人様を追い出すと 牙をむき出し 刺され続けました
私に痛みは何も感じません

ただ・・・・

「精神病院に通ってて 他にも病院通ってて そんなんで幸せに出来るの?」

私は言葉が出ませんでした

黒い蝶は 幸せにする自信があると私の目をその羽でくらまします

”幸せって 自分で感じるものじゃないかな”と心の中で呟きました


ご主人様が戻ってきました

重い重い決断だったけれど ご主人様をこれ以上苦しめたくない 

「ずっと楽しみにしていたの 
でもご主人様を苦しめちゃって ご主人様ももう限界にきているし・・・明日帰る」

私は必死でした 逃げるわけではありません 自ら下した決断でした



【2005.9.7 また帰ってきます】-3日目

起きた時から 不調の波が押し寄せていました
なかなかベッドから起き上がれず 嫌な朝でした

目がすっかり腫れて 氷で目を冷やしました
そして氷を食べて 落ち着かせました

ご主人様はもう朝ごはんを食べていて 少しでも食べるか と言ってくださいます

今は食べれないの

私は 荷物の整理を始めました

お披露目せずに終わってしまった洋服 下着 抽選で当たったベビードール
それを着て 痕がつくまで縛ってもらうことも出来ず
着いてすぐ行った店で調達した道具も使うこともなく

荷物をまとめている時 荷物が落ち着いた時にも 
少しでも食べるか と言ってくださっていました

ご主人様がせっかく作ってくださったドライカレー
食べることにしました

「美味しい」

やっぱり食べてよかった つくづく思いました

シャワーに入っておいで というご主人様の言葉に頷いて シャワーを浴びました
ご主人様も続いてシャワーへ

帰る手配をご主人様がしてくださっていました
時間が迫ります あと1時間。。

私は洋服に着替えました
上は茶色のチューブトップ 下はふんわりした生成りのスカート それに飾りベルト
薄く化粧をして イヤリングもつけました

忘れ物がないか確かめて ご主人様に触れたくて 本当は抱きしめられたくて

「ついたら電話ちょうだい」

ご主人様は心配していました

黒い蝶は 私と一緒にひらひらと ご主人様の家から出て私について来ました

外は物凄い風 台風の暴風域に入っていました

家の方向に動き出した時「また 絶対来る」と私は呟きました
何度も何度も 心を強くもって

逢った日は 新月 今日は三日月 もっとお月様が太るまでいたい気持ちでいっぱいでした

ついたことをご主人様に電話しました
外は暴風雨 濡れ鼠になってしまいます

でもそれが私には 似合っていたのかもしれません

私の気持ちは変わらない

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