こけだまのつぶやき がんになって今思うこと

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点滴挿し直し



病院には備え付けの時計があったのですが、この時はまだ
それを知らなくて時間を知るのにいちいち携帯を起動していました。

周囲が明るくなってちょっとずつ人の動きを感じるようになった頃
看護師さんが採血に回ってきました。

今のところ点滴も漏れていないし、採血もちゃんと採れたしやれやれ
と持っているところへ

「おはようございます」

と誰かがカーテンを開けて入ってきました。

へ?

それは、主治医のA(エース)先生でした。
(土曜日の朝から大変だなぁ)

下血があるかどうかを聞かれたので、昨日はずっとあったけど徐々に
量は少なくなっていること、赤黒い色であること、ふらつきと動悸がすること
など伝えました。

「お腹は痛くない?もう少し水分や食事はガマンして」と言うと

A先生は月曜に予定されている大腸の内視鏡検査の同意書を持って来ていて

「これ、書いておいてね」

と置いて病室を出ていきました。

A先生が出て行かれてから、携帯で時間をチェックしたら
ナント、まだ7時でした。

後から看護師さんに「え?先生来たの?一人だった?」とか
聞かれたのですが、A先生は朝が早いことで有名らしい。
そして、何でもすぐ忘れちゃうDr.ヨネとか師匠と違って(爆)
ちゃんと指示を出して行くのだそうです。

Dr.ヨネも師匠も、A先生もみんなそれぞれいい先生には違いないです。
今日は土曜日、で、7時に病院にいるってことは一体家を何時に出てきたのかしらん?
家で奥さんに怒られていないかな?
もう~今日も仕事行くの?とか言って(笑)

患者の立場からすると、こうやってちょくちょく回診してもらえるのは
とても頼もしく思えます。

この日は下血が治まっていて、というか、何も飲んだり
食べたりしていないので出るものがなかったのかも。
特にお腹も痛くないし、ただ胸のドキドキ(動悸)が苦しい感じでした。
急に入院してしまい何も準備できていなかったので
必要最低限のものは持ってきてもらっていたのだけど
少し売店に行って買いたいものがありました。

髪をとくブラシとか、ウエットティッシュとか…。
売店くらいは行っても大丈夫だろうとタカをくくって出かけたものの
とても疲れてしんどくなってしまい、その後ずっと寝たきりに…。

看護師さんに「売店に行ったらすごく疲れちゃった」と報告したら

「Pさん、売店までは許可が出てないわよ。トイレとこの病棟内だけだよ」
だそうで、それはスマンことをしてしまいました。(笑)

「一回目は知らなかった、ということで…」と看護師さんが笑ってくれたので
「2回目以降は確信犯だね」
と返しました。(実際、次の日も敢行したんで。ナイショだけど。)

採血の結果 赤血球の数値は6.5でした。
ここで何とか踏みとどまって、鉄剤と止血剤が効けば
輸血の必要はなくなるし、できればそうしたい。
効果が出てこれば若い(比較の問題ですけど)ので劇的に
数値は上がってくるはず。
調子が良ければ明日の夜から水分だけ再開できるかもしれない。

と先生は言っておられました。
同室の一人は外泊でいないし、隣のベッドの人とも話す元気もなく
TVも見ず、当然まだご飯も水分も我慢してただひたすら横になっているだけでした。

決死の思いで売店で手に入れた電池式の携帯充電器も焼け石に水状態。
満タンに充電したつもりがすぐに電池が減ってしまいます。
おまけに、携帯の方が電源が入れられくらいの電池の残量がないと
充電できない、と書いてある。もし、電源が入らないくらい電池が減って
しまったらもうアウトです。
退院するまでどうやって外と連絡を取ればよいのかとても不安でした。
ブログも覗いてみたいし、みんなとメールもしたいのに・・・。
なんで充電器忘れてきたんだぁ~!私のバカ!

ところで、点滴がいつもすぐに漏れてしまう私の血管。
今回の血管はよく保っている。
でも昨夜から血管痛が気になっていました。

点滴の交換の時看護師さんに「漏れてはいないみたいなんだけど
ちょっと手が痛い」と言って調べてもらいました。

薬の種類のよっては血管痛が出るので速度をゆっくりにすることも
あるそうです。
逆流はあるのに、やっぱり漏れてた。
気づけば手全体、指先がパンパンにむくんで腫れている。

これは局所で漏れたのではなく血管全体から浸透圧の関係でじんわりゆっくり
漏れていたそうです。

早速針の挿し替えをしようと血管を探すも失敗。
別のナースの応援を頼み、更にそこへ「主任さん」と呼ばれるベテラン看護師
さんも加わって、3人がかりであっちこっち血管を探されました。
するとみるからに頼もしい主任ナースが

「よし!ちょっと温めるか!ね!」

とアツアツタオルをふとん越しに私の腕に乗せ、

数分後
「どうかなぁ?(血管は)出てきたかなぁ?
 ご飯がまだだもんね~。どうしても入れなきゃいけないもんね~。」
と再度挑戦です。

さすがにベテランは違う、と毎回思いますが、口では「どうかな?」と言いながらも
ためらいなく思いきって狙ったところに針を刺す。
で、「入った!」となる。
若い子は自信がないのがこちらにも伝わってくるから余計心配になるんです。

今回もやっぱりまた挿し直しが発生してしまったけど
浸透圧ねぇ…。だから師匠は「点滴は漏れるもんだ」と言ったのかな?
と思いました。

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