へっぽこ院長の独り言

【回復に備えること】



回復に備えること

■ 不可逆的な手術を回避しなさい:脊髄後根切断術、回腸導管、末梢神経ブリッジ
■ 筋肉、骨、神経の萎縮を予防しなさい:痙性を除去してはいけない、骨に重力を加える立位訓練、神経回路の使用
■ 「学習された不使用」と萎縮を逆転させること:理学療法、Fampridine(4-アミノピリジニン)、立位台、振動盤、強制使用訓練のパラダイム(注:マヒした手足を他動的に動かすリハビリを行うことによって、筋量の増加と筋肉の自律運動の回復を意図していると思える)、機能的電気刺激、バイオフィードバック療法、運動プログラム。

 *・・・*・・・〔解説〕・・・*・・・*
 最もしばしばされた質問された問題の1つは、来るべきいくつかの臨床試験に備えるために脊髄損傷者は何をなすべきか、である。

不可逆的な手術を回避しなさい:脊髄後根切断術、外科的な尿管迂回路の造設、末梢神経ブリッジのような回復不能な治療を回避しなければならないことは常識的なことである。腱移行術や尿管のmitrafanoffなどのいくつかの手術は可逆性である可能性がある。
筋肉、骨、神経の萎縮の予防:マヒのために筋肉、骨、ニューロンが使われなくなったことによる萎縮を予防することもまた重要である。比較的信頼できる簡単な方法は一定濃度(titer)の抗痙性治療であるが、それは完全に筋緊張を除去しないことで、痙性それ自身により筋肉量を維持し続けられる。人間は立っていることで骨にいくらかの圧力にさらすことになり、そのことが骨塩量の減少する脱灰となることを減少させる。
「学習された不使用」の逆転:人は、学習された不使用となることを予防して、そのメカニズムを逆転させるために、それらの神経回路を使用していなければならない。理学療法、強制的使用訓練パラダイム、機能的電気刺激、バイオフィードバック治療、運動プログラムを含む多くのアプローチが可能である。
 これらの取り組みの主な長所は、それがまた若干の機能を復元するということである。再生・再髄鞘化療法が最適化されて実施できるようになったとき、これらの取り組みはそれぞれの治療法を通じてあなたの身体に効果を挙げるようになるだろう。 

脊髄損傷の希望の根拠 2005版
Bases for Hope for Spinal Cord Injury
ワイズ・ヤング(米国・ラトガーズ大学教授)





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