ことりんのスマイル

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髄膜炎・セカンドオピニオン

「髄膜炎・セカンドオピニオン」




9月25日、ここまで割に順調に回復していた琴音が調子を崩しました。
もともとOPE後熱は下がらず、常に38℃台をキープしてる感じではあったけど、この日の夕方にポーンと熱が上がり、最高41.1℃に。
そうかと思ったら今度は注入していた物を嘔吐。
便秘か何かかとGE(浣腸)をかけてみたものの、嘔吐はおさまらず。
原因はわからないけど、とりあえず吐き気を収める為にメインの点滴に「プリンペラン」を入れてみる。
すると、プリンペランが効いたのかひととおり出し切ってすっきりしたのか、とりあえず嘔吐は終結。
が、せっかくの腹の足しの注入が中止になってしまう…。
本当なら今日から半固形物の摂取開始予定だったので、1歩後退してしまった事にショック。

翌日は今度は呼吸の状態が悪くなり喘いでしまい、「ボスミン」吸入。
注入の方は昼にアクアライトを試して嘔吐がなかったので、夜からラコール復活。
この日採血をしたところ、CRPが3と高く、この結果から何がしかに感染をしているのではとの予想がついた。
早く特定が出来るといいのだけど…。


翌27日。
予約をした国立がんセンターにセカンドオピニオンを受けに行く。
沢山のMRIのフィルムを持って、しかも大江戸線乗るの初めてで、かなり時間に余裕を持って行ったら相当早く着いてしまった。
でも待ち時間は相当長く、午前の予約だったのが、S先生にお会いできたのは午後になってから。
S先生、脳外科の相当著名なDr.らしいので仕方ないか?


このセカンドオピニオンは、補助療法としてのラジエーション(※放射線治療)をどういった形で行うのが最良か、意見をお聞きするために伺った。
主治医のD先生は、「そこにミクロレベルのがん細胞があるかもしれないと仮定して、腫瘍発生部位の局所だけでなく全脳に照射をしてしまった方がいい」という考えだ。
でも私は何度考えてもそこに踏み込む事が出来ず、出来るなら局所以外は温存してやりたい、という気持ちだった。
何度も言っているけれど、出来るだけ「普通の子供達と同じに」人生を送らせてやりたい。
D先生も全脳照射した場合は「特殊学級と普通学級の限りなく境目くらい」の知能になるだろうと言っていた。
「命が助かるなら他はどうでもいい」とすっぱり斬れる親御さんもいると思うけど、私にはそれは無理、というかこちらの勝手で琴音の先行きを決められないという思いがあった。

そんな思いでS先生に意見を仰いだところ、意外というのか何というのか、S先生は自分なら「局所照射」を選択する、と言った。
もちろん、他の部分も野放しにはしておけない訳で、そこを補う為に化学療法の併用を薦めると。
化学療法も今まで行っていた2剤のPE療法では弱いので1剤プラスするICE療法がいいのではという事。
「局所がいい」と言ってくれるDr.がいた事になんだか安堵した。

色々とお話をして為になる事もお聞きでき、かなり有意義な時間を持てた。
最後にS先生に「お母さん、Ns.とかですか?」と聞かれた。「ただの素人です!」と答えたら「色々と詳しいので医療従事者かと思った」と言われたけど、最近のお母さん達舐めちゃダメですよ。
勉強しているお母さんは本当に子供の病気のことよく知ってる。
だって全て任せっぱなしの方が怖いし。自分の子供にしている処置や使っている薬、その意味、知らなかったら治療なんて受けさせられないと思う、私は。
地元のかかりつけの小児科でも同じ事聞かれた事あったけど、今のお母さんは進んでますよ~と言いたいです。

そんなこんなで収穫を得てこども病院へ戻ったところ、感染の原因が分かった、と知らせがあった。
頭から髄液(脳脊髄液)を採って培養したところ、ブドウ球菌が出てきたという事で、とどの詰まりは髄膜炎。
OPE時に感染したくらいしか考えられない…ショック。
とりあえずは原因になっている細菌が分かったので、それに対し抗生剤の「バンコマイシン」を開始。
それから熱発時に使っている解熱剤の「アルピニー」が琴音には相性が悪いのか効きがあまり良くないので、解熱剤を「ポンタール」に変更。
ひとまずはこの状態で様子を見てみる事に。
なかなかうまくはいかないな。

次の日から半固形物の摂取が開始。
2週間以上ぶりの「食べ物」で嚥下機能も心配されている状態なので不安だったけど、ちゃんと食べられていた!
そうなると、「プリン&ヨーグルト」の2択は飽きが出てきてキツくなってくるかなぁ、と思っていたところ、意外に早く3日後・10月1日の夜から普通食(離乳中期食)へ移行出来る事に。
ところがこちらの方がガンだったらしく、味付けのほとんどない離乳食はヒジョーに琴音にウケが悪く全然食べない。
ので、翌日夜から幼児前期食(琴音の年齢の普通食)を細かく刻んだ物にレベルアップしてもらった。
これでだいぶ食事は食べられるように。

翌3日。血算はW:6.0、Hb:11.6、Plt:35.5、CRP:0.29。
バンコマイシンが効いたのかCRPが正常値に。
それからここのところ毎日髄注(頭部に穿刺して髄液を抜く。OPE後髄液の吸収が悪かったので、髄液が溜まってしまって水頭症状態になってしまわないように。頭部にはOPEの時頭蓋骨を一部はずして元に戻せなかった場所があり、ぽこっと穴が開いてるみたいな状態になってる部位があるので、そこから水を抜いている。)していたんだけど、その成果か髄液の溜まりもだいぶ改善されているようで一安心。

翌4日はラジエーションの為のシミュレーション(シェルという顔に合わせたマスクを作ったり、治療計画を立てたりする。)が予定されている。
結局ラジエーションは局所照射でお願いする事にした。
この先生きていく上で、この時はそれが最良の決断だと思った。
本当はどうだったのかな…。




ちなみにこの頃リアルタイムでUPしていた日記は こちら こちら



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