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2018.09.30
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カテゴリ: テレビ



このような終わり方をするなんて、まるでラブ・ストーリーではないか。(笑)

とにもかくにも脚本家・北川悦吏子のドラマであり、作品である。
彼女の一世一代をかけた作品は大河ドラマにも匹敵するくらいの傑作であった、と思える。とても感動した。

北川の作品としては「素顔のままで」と「愛していると言ってくれ」しか見ていない。(いづれも出演者目的で見た)かの「ロングバケーション」は見ていないので、彼女の大活躍は知らない(?)

さて、久々の登場で腕が鈍っていないか、気になり、トレンディ・ドラマの焼き直しのような作品を見せられてはと懸念したが、いざ、始まってみると、昔懐かしい郷愁感を出しつつも、北川ファン垂涎のギャグや物まね、パクリも入れつつ、この時代のある人々の生き様を見せてくれた。
彼女の生き様は鈴愛(すずめ)に投影され、自身が経験した片耳が聴こえない生活も作品に描かれている。「半分、青い」。”青い”が何を意味するところか40歳でドラマは終了したけれど人生80年のちょうど半分という意味合いも含まれているのかもしれない。

半年におよぶドラマが終焉した時、特に2011年の東日本大地震で裕子(ゆうこ)が還らぬ人となった時、作者・北川は生きるということを描きたかったんだな、と思った。また、あの大地震、津波の混乱の中でメッセージを、遺言を残せるようなことはなかったと思えるのだが、裕子は残した。それは、そこにはあの津波で生きることを絶たれた人たちが家族に残せなかった思いを伝えたかったのでないだろうか。

私が学生時代から、”人はなぜ生きるのか?”という命題を抱え続けてきたけれど、北川が表現した『生きて、何事かを成してください』というメッセージにある種の答えがあるような気がした。



この作品を作るにあたって北川はキャストと話し合い、あてがきしたという。それで生まれた秋風羽織はユニークで、楡野鈴愛は素晴らしい。子役を含め、その人物として存在していて演技というものを感じさせない、とても良い作品になったと思う。

実をいうと清野奈名は嫌いだった。見るのも嫌だった。というのも、ドラマ「やすらぎの郷」で登場した彼女を見た時、とても世紀の大女優の若い時には思えなくて、見るたびに嫌悪感を抱いていた。その後、売れ出してCMなどで見かけるたびにムカついていた。それゆえ、今回のキャストも嫌な同僚役で出てくれれば清々するところだったけれど、意外とそうではなく、無二の親友となっていった。お互いに漫画を諦め普通の人となってしまったが、東北へ行ってしまった彼女が看護師となり、地震の津波で命を落とすことになろうとは・・・私の清野奈名への嫌悪感は払拭され、平然と見られる女優となりました。

主役、永野芽郁はスマホのCMしか知らなくて、数々の経歴、出演作があることを知らなかった。NHK大河ドラマ「八重の桜」も「真田丸」も、彼女が出ていた記憶はない。この朝ドラのヒロイン役で全国に顔と名を売った彼女が鈴愛を超える役で活躍することを祈念する。

とてもとても、とてもとても楽しみな朝ドラだった。





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最終更新日  2018.09.30 11:54:29
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