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2021.12.05
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カテゴリ: 映画館で見た映画



大ヒットしたブロードウェイ・ミュージカルの映画化。映画も人気と聞いて期待して見に行った。ところが、ミュージカル特有の前向きさも元気さも健気さも、ない。歌い上げるなんてこともない。高低のある歌はあるが超高音はファルセットではないが聴き取れないほどか細い。内容は友達がいない高校生男子。それゆえなのか、どうなのか。
全く暗く陰湿な感じの内容。そして、問われ語りで主人公は友達関係を嘘で固めていくことになる。注目が集まり、SNSと、現代の話である。

なんとなく退屈な始まり、しばらく見ても興味持てず。これが配信ならば15分くらい見て、中止したかもと思われるほど。さりとて映画館。座った限りは最後まで見る。退屈なら退屈と見届けねば。
好きな女の子の兄が自殺してから話が流れるようになる。問題も起きる。主人公は話題が大きくなるにつれ友達や彼女、新しい関係性に目覚める。それとともに、シングルマザーの母を疎ましく思う。
彼が夢見た家族、彼がほしいアットホームがそこにあった。
引き返せない嘘で固めた信頼関係。それが…。

映像で主人公が腕の骨折で嘘をついていたことを見せるけれど、十分伝わる内容だったと思えるが、後ほど台詞ではっきりと言う。観客に優しい演出だ。というか見ていてそうだと思えるのに気づかない観客のために改めて名言した。観客にやさしいけれど、そうした分センスがなくなってしまっていると感じた。

主人公を演じたベン・プラットは本作のブロードウェ・ミュージカルでも主役エヴァン・ハンセンを演じた子役出身のミュージカル俳優・歌手とのこと。
映像の芝居の質を高めるためか母親役にジュリアン・ムーア。芝居臭くなく過不足のない演技はとても素晴らしくシングル・マザーを見事に演じている。対する、相手となる高校生の母親役にエイミー・アダムス。彼女も芸歴からして演技巧者といえるのでは。妹役のケイトリン・デバーは「ブックスマート 卒業前夜のパーティデビュー」で注目された若手だ。手堅い共演者でよかったと思う。


2021年/アメリカ/138分/

監督:スティーブン・チョボウスキー

脚本:スティーブン・レベンソン
出演:ベン・プラット、ジュリアン・ムーア、ケイトリン・デバー、エイミー・アダムス、ダニー・ピノ、アマンドラ・ステンバーグ、コルトン・ライアン、ニック・ドダーニ

原題:Der Evan Hansen(「親愛なるエヴァン・ハンセン」)


「​ ディア・エヴァン・ハンセン ​」★★★★(80%)
字幕翻訳:石田泰子





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最終更新日  2021.12.05 21:43:59
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