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2017年07月03日
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テーマ: 本日の1冊(3691)
カテゴリ: 水滸伝



「おまえや梁山泊の力で、なんとか俺は立った。これからも立ち続けているつもりだ。おまえには、迷惑な話だろうが」
「南宋を、南から牽制している形だ。岳家軍の存在は、小さくない」
「まだ小さいさ」
「そうだな。中華を統一するには、砂の一粒にもなっておるまい」
「中華の統一か」
「梁山泊は、それを認めるぞ。あそこは水みたいなものだ。おまえは器を作ればいいのだ。金国も南宋も、そうなることを恐れている」
「俺は」
「独立不羈。それはわかっている。それでいいのだ。器がよければ、水はその中にきれいに収まる」
「金国はともかく、それは南宋でもできることではないのか」
「できんさ。秦檜という男は、南宋を器にし、同時に水にしようともしている」
梁山泊は器など考えていない、ということなのか。(128p)

梁興という「商人」の言葉でももって、初めて、梁山泊と岳飛との連合の展望が開けた瞬間だった。結局、第三者の眼が必要だったのだ。この遥かなる「理想」を言葉にするには。今気がついたが、梁興という名前には、梁山泊を興すという意味があった。

南で、戦争の端緒が開かれ、東で、海戦の端緒が開かれる。

「侯真殿。戦になれば、そうたやすく勝敗は決しない、と私は思うのです。何度か決戦をしても、それは決戦になり得ない。戦が起きる地域が広すぎるのです。しかし私は、その広さが梁山泊を利する、と考えてはいるのです」(308p)

宣凱は、恐ろしいほど鋭く情勢判断をしている。呉用やましてや楊令のような鋭さを、わざと外しながら、王貴や張朔と共に、梁山泊を動かす。世代交代とは、こんな風にやるのか。羨ましい。

嵐の前の静けさ。深慮遠謀の巻であった。

2017年7月2日読了





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最終更新日  2017年07月03日 13時18分38秒
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