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6月に観た映画は8作品。二回に分けて紹介します。
「ちょっと今から仕事やめてくる」
そう言えば、22年間勤めた仕事をちょっとやめた時に、既にいい大人だから別に相談する必要はなかったのかもしれなかったのだけど、なぜか父親だけには事前に相談しなくちゃと思って打ち明けたら、意外なほどにすんなりOKが出たのを思い出した。精神的に参っている事よりも、なんか変な処を心配(もう結婚を諦めたので、これ以上儲ける必要無いのもあり仕事辞める、と言うと、「結婚諦めたのか」と驚かれた)された事も、思い出した。
観客は、主演2人目当ての若い女性ばかり。本来観て欲しい疲れた男はほとんどいない。まあ、DVDが出た時に、ふと観てもらえればいいのかもしれない。
その時に「応えることのできる作品」になっているのか、どうか。正直、半々だ。それなりにわかりやすくブラック企業の客観的な姿や、自殺を思いとどまる要因、或いは偶然だけど展望ある未来を示してはいるが、やはりまだ明るすぎる、予定調和に思える。1番の危機は、主人公の最初の自殺なのだが、それを数分で流れるように見せたのでは、参っている人たちには、なんだかなあ、と思うのではないか?
■ あらすじ激務により心も体も疲れ果ててしまった青山隆(工藤阿須加)は、意識を失い電車にはねられそうになったところをヤマモト(福士蒼汰)と名乗る男に助けられる。幼なじみだという彼に心当たりのない隆だが、ヤマモトに出会ってから仕事は順調にいき明るさも戻ってきた。ある日隆は、ヤマモトが3年前に自殺していたことを知り……。
■ 解説第21回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞した北川恵海の小説を、『イン・ザ・ヒーロー』などの福士蒼汰を主演に迎えて映画化。ノルマが厳しい企業に勤め心身共に疲弊した青年が、幼なじみを名乗る人物との交流を通じ生き方を模索するさまを描く。メガホンを取るのは、『八日目の蝉』や『ソロモンの偽証』シリーズなどの成島出。福士演じる謎の男に救われる青年に、『夏美のホタル』などの工藤阿須加がふんするほか、黒木華、小池栄子、吉田鋼太郎らが共演。
■ キャスト福士蒼汰、工藤阿須加、黒木華、森口瑤子、池田成志、小池栄子、吉田鋼太郎
■ スタッフ
原作: 北川恵海主題歌: コブクロ
監督・脚本: 成島出
2017年6月3日
movix倉敷
★★★☆
「午後8時の訪問者」
ダルデンヌ兄弟作品なので、通常のサスペンスではない、犯人探しではないかもしれない、とは思っていた。
次第とあぶり出される弱いくて、声を出すことが出来ない人たち、そして良心に苛まれながらもウソをつく人たち。
ジェニーだけがウソをつかない。医師として上から言葉になってしまうけど、貧困地区の診療所の医師になるのを全く迷わなかったし、乱暴な患者もいるけど、帰りにオヤツを渡す人たちもいる。ジェニーが人情溢れる街のお医者になってゆく過程を描いて、名医誕生の瞬間を描く作品になっている。
(解説)診療時間をとっくに過ぎた午後8時に鳴ったドアベルに若き女医ジェニーは応じなかった。その翌日、診療所近くで身元不明の少女の遺体が見つかる。それは診療所のモニターに収められた少女だった。少女は誰なのか? 何故死んでしまったのか? ドアベルを押して何を伝えようとしていたのか?あふれかえる疑問の中、ジェニーは亡くなる直前の少女の足取りを探るうちに危険に巻き込まれていく。彼女の名を知ろうと、必死で少女のかけらを集めるジェニーが見つけ出す意外な死の真相とは──。
作品を発表するごとにカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、2度のパルムドール大賞のほか、数々の映画賞を世界中で獲得しているジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督。本作も第69回カンヌ国際映画祭にパルムドール受賞作『ロゼッタ』以降7作品連続コンペティション部門に出品されるという快挙を成し遂げた。常に上質な映画を作り上げるダルデンヌ兄弟が今回題材に選んだのは“名もなき少女”に何が起こったのかを探るミステリー。ちょっとした判断の迷いから失ってしまった“救えたかもしれない命”。出られなかった電話や読み逃していたメール、そしてドアを開けなかったベルの音──「もしかして何かが変わったのではないか」と思わせる人生の転機はどこにでもある。その転機を探るうちに意外な真相にたどり着く。その真相への道のりの間に、主人公自身にも変化が起きる……。これまでにない極上のヒューマン・サスペンスが誕生した。
主人公のジェニーを演じるのは2013年にセザール賞助演女優賞、翌年には同賞主演女優賞受賞とフランス最大の映画賞を席巻し続けている若手実力派女優アデル・エネル。かねてからダルデンヌ兄弟のファンだったというアデルは、少女時代から女優として活躍し、妥協のない作品選びをし続けてきた。名もなき少女の死を受け入れきれない医者という難役をこなした本作の演技をレザンロキュプティブル誌は「彼女にふさわしい唯一の形容詞は『天才』だ!」と最大の賛辞を贈っている。今後、目の離せない女優の出現に映画ファンならずとも胸が躍る。世界が誇る才能ダルデンヌ兄弟と天才女優アデル・エネル。彼らが作り上げた新たな傑作の力強さに誰もが圧倒されるだろう。
2017年6月4日
シネマクレール
★★★★
「ローガン」
少女を護る強い男の話が好きなので、「Xメンシリーズ」は飽き飽きしていたのだけど、観てしまった。東京を舞台にしたあの作品よりは10倍はいい作品だった。
ミュータントが生まれなくなって、15年ほどたった近未来2029年、どうやら数年前の戦いで、ミュータントは ほぼいなくなったらしい。しかし、CIAらしき組織は「人工的ミュータント」は作り続けているらしい。
ローラの造形は、悪くはないが、3/4を無口で通したので、おそらく芝居は出来ない(アクションはピカイチ)のだろう。期待した、第二のナタリーは無理。新しいミューズにはなれない。
マーベル作品なのに、最後のオマケ映像がなかった。ミュータントは絶滅はまぬがれたが、ローガンやチャールズさえもいなくなったことが明らかになったので、製作は本気でX-MENシリーズを終わらせる積りなのだろう。
■ あらすじ近未来では、ミュータントが絶滅の危機に直面していた。治癒能力を失いつつあるローガン(ヒュー・ジャックマン)に、チャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)は最後のミッションを託す。その内容は、ミュータントが生き残るための唯一の希望となる少女、ローラ(ダフネ・キーン)を守り抜くことだった。武装組織の襲撃を避けながら、車で荒野を突き進むローガンたちだったが……。
■ 解説『X-MEN』シリーズのウルヴァリンが、傷つきながらもミュータント存亡の危機を救おうと突き進む姿を描くアクション大作。超金属の爪と超人的な治癒能力を持つ不老不死のヒーロー、ウルヴァリンが老いて傷跡残る体で、ミュータントの未来の鍵を握る少女を守るべく戦う姿を活写する。主演をシリーズ同様ヒュー・ジャックマンが務め、監督を『ウルヴァリン:SAMURAI』などのジェームズ・マンゴールドが担当。能力を失ったウルヴァリンの衝撃の姿と壮絶なバトルに注目。
■ キャストヒュー・ジャックマン、パトリック・スチュワート、ボイド・ホルブルック、スティーヴン・マーチャント、ダフネ・キーン、リチャード・E・グラント、エリク・ラ・サル、イリース・ニール、エリザベス・ロドリゲス、クインシー・フォース
■ スタッフ
監督・脚本・ストーリー・製作総指揮: ジェームズ・マンゴールド
2017年6月8日
Movix倉敷
★★★★
「20センチュリー・ウーマン」
「人生で確かなことは、人生がこの先どうなるか、わからないってことだけだよ」
1979年。アメリカ地方都市。母親ドロシア、1924年生まれ、1964年に1男子をもうけた。つまり15歳の男の子ジェイミーをどう扱っていいのかわからなくなってきた。離婚して、(おそらく)正規の職を持ちながら、郊外の一軒家の空き部屋に、17歳の家出娘、23歳のパンク好きフォトグラファー女子、30代のヒッピーあがりの整備工たちに部屋貸ししている。
印象的な台詞、絶妙な編集の新しさはある。38年前の人々がイキイキとしている、当時の音楽てんこ盛り、当時の風俗・政治情勢までも取り入れる貪欲さ。2017年の現在、ちょっと前だと思っていたむかしが、明らかに歴史になっていることを知らされて驚く。何しろ、ジミー・カーターの演説が、今から見るととっても民主的名演説(ビューティフル)に聞こえるのだ。
■ あらすじ1979年のカリフォルニア州サンタバーバラ、自由奔放なシングルマザーのドロシア(アネット・ベニング)は、15歳の息子ジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)の教育に頭を悩ませていた。そこで、ルームシェアしているパンクな写真家のアビー(グレタ・ガーウィグ)と、近所に暮らすジェイミーの幼なじみジュリー(エル・ファニング)に相談する。
■ 解説『人生はビギナーズ』などのマイク・ミルズ監督が、自身の母親をテーマに撮ったヒューマンドラマ。1970年代末の南カリフォルニアを舞台に、3人の女性とのさまざまな経験を経て大人へと成長していく少年のひと夏を描く。思春期を迎えた息子を持つシングルマザーを『キッズ・オールライト』などのアネット・ベニングが演じるほか、『フランシス・ハ』などのグレタ・ガーウィグ、『SOMEWHERE』などのエル・ファニングらが共演。
■ キャストアネット・ベニング、エル・ファニング、グレタ・ガーウィグ、ルーカス・ジェイド・ズマン、ビリー・クラダップ
■ スタッフ
監督・脚本: マイク・ミルズ
製作総指揮: チェルシー・バーナード
2017年6月8日
Movix倉敷
★★★★
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