過去にこだわると、うまく行かない
K社のように過去において、規制や保護や既得権に守られて、業績を確保し、繁栄を享受していた企業や人は、そのような規制がなくなると当然苦境に立たされます。
その意味では、日本のホワイトカラーのサラリーマンも、環境の変化によって、これまでの既得権がなくなって、戸惑い、新しい道を模索している段階といってよいでしょう。
「ありのままに見る」というのは、いい換えれば「ゼロからの出発」を意味します。
K社の場合も「過去の栄光を捨てる」ところから、再生の道が開かれました。それまで親会社から半自動的にきていた受注を当てにせず、消費者のニーズが期待できる分野の市場を開拓し、その製品の製造・販売に進出したのです。それからは、かなりの曲折はあったものの、概ね順調に推移しています。
サラリーマン個人としても、「自分は、これまで、これだけの地位、収入があった」という実績にこだわり、その延長線上に、現在と未来を展望しようとすると、どうしても見方は歪められ、なかなかうまく行きません。
今、あちこちの大企業への出向、転職をする人が多くなりました。そのほとんどは、ホワイトカラーの中間管理職、年齢的には中年以上の人たちです。
が、残念なことに、出向、転職先で、彼らがうまく適応しているか、歓迎されているかというと、必ずしもそうではないのです。なぜうまく行かないか、といいますと、環境変化について行けないのが主な理由と考えられますが、もっと詳しく見ますと、結局は、過去を引きずっているという現象が浮き彫りされます。
「自分は、○○社の管理職‘だった’」という誇りをもつこと――それは必ずしも悪いとはいえませんが新しい職場、新しい仕事にとっては、ほとんど無意味なことが多いのです。いや、無意味というよりは、有害です。
ここでも、「ありのままに見る」ことが、非常に大切なのです。
この場合、ありのままに見るとは、新しい職場や仕事の状況を素直に受け入れることでしょう。そうすれば、何をすべきかがわかってきます。
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