空想世界と少しの現実

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緋褪色

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出産を終えてからのノエルは、今まで以上に神経質になったように感じる。
感情の起伏が激しくなり、些細な言葉にも反応して噛み付いてくる。
僕も仕事が忙しくて、なかなかノエルにも流生久にもじっくり向き合う時間がない。少し寂しそうなノエルの様子に気がついていながらも、自身の仕事に振り回される毎日を送っていた。

ある日の事、夜11時を過ぎて帰宅すると、リビングの明かりは消されて真っ暗闇の中、人の気配を感じる。ただいま、ノエル?


お帰りなさい・・・ 彼女の声。沈んだ声をしていた。

どうしたの?真っ暗にして、電気つけていい?


流生久が寝てくれないの。聞こえるでしょ、今私が抱いているわ。

うーうーとちいさな声がする。まだ寝ないのかいおちびさんは。
抱くの代わろうか。暗闇を手探りでノエルのほうに進んでいくと、ソファーに触れ、そこに腰掛けていた彼女に触れる。

僕もソファーに腰掛けて、右横のノエルから流生久を受け取ると、僕のスーツに顔を擦りつける仕草をする。

流生久、眠いならちゃんと寝ないと。ママを困らせちゃ駄目だぞ。
立ち上がって体を左右に軽く揺らすと、彼のおしゃべりが少しずつ小さくなる。
やがて軽い寝息に変わりはじめて、体がすっかり脱力したところで、寝室に連れて行きベビーベッドに寝かせる。
用心深くドアを閉めてリビングに向かうと、ノエルのすすり泣く声が聞こえる。

ノエル、どうしたの?月明かりが窓から射し込んでいるせいか、暗闇でも彼女の姿がはっきり見える。両手で顔を覆って泣いていた。

ソファーに腰掛け、右手で彼女を抱き寄せようとしたら、首を左右に振って拒絶する。困惑していると彼女が話し始めた。


フランツ、何で育児って思うようにいかないのかしら。寝て欲しいのに寝てくれないし、母乳だって混合にしてからミルクの方ばかり好んで飲むし、まるで流生久が、私を拒絶しているみたいに感じてしまうの。

伏せた瞳から大粒の涙が零れ落ちる。常に自信に満ち溢れる仕事中の彼女とは雲泥の差だ。

仕方ないよ、人を育てるのに育児書通りにいくわけがないんだから。
寝つきがいい子もいれば、そうじゃない子もいるんだもの。
神経質に考える必要ないよ。


でも、私が寝かしつけても彼は全然寝なかったわ。フランツが抱っこしたらあっという間に寝入ってしまったのに。

君の心にイライラした気持ちがあったんじゃないの?赤ちゃんって人の気持ちに敏感らしいよ。僕の発した何気ない一言、彼女を深く傷つけている事に何故気がつかなかったんだろう。

君はお母さんなんだからさ、根気強く彼のペースに付き合って上げればいいんだよ。彼女は黙って聞いている。

やがて、
そうね・・・少し疲れたわ。ごめんね、先に休むわ。 うん、おやすみ。寝室に向かう彼女の背中を見送った。


彼が発した言葉の中に、言ってはいけないキーワードがある事、お気づきでしょうか。
殆んどの男性陣はこの事に気がつかず、子どもを産んだお母さんを傷つけているんですって。
男と女の認識は、かなり異なるもの。ここら辺にすれ違う原因がありそうです。

下の本は、3人目を出産した病院で、皆に配っているベイビーサインの本です。赤ちゃんとのふれあいが更に楽しくなる本です。初めての育児にこの本があったら、もっと余裕を持って子育て出来たかも。゚(゚ノ∀`゚)゚。ァヒャヒャ









声無き声へ





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Last updated  2007/11/12 08:28:48 PM
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