今回の修理は、「 AIWA CSD-SR8 CDラジカセ(1990年製) 」だ。当時、重低音が流行っていたが、この機種はあえて迎合せず、堅実な機能と音作りをコンセプトにしたに一台と思われる。故に当時はさほど人気がなく、生産/流通数の少ない。しかし、その堅実な音質は今も健在で、バブルラジカセ中でも評価の高い一台となっているようだ。
[ AIWA CSD-SR8 CDラジカセ(1990年製)
]
■主な故障状況と原因
■修理作業
古いラジカセのご多分に漏れず、 内部は薄手の粉塵コートを施した状態。掃除機を片手に埃を吸いながら分解を進める。
写真だとササッと分解しているように見えてしまうが、 実は結構時間がかかっている。特にCD部分の外れない理由が、プラ爪で引っ掛かっていることを発見するのに時間を要した。
CD光ピックアップ(SONY KSS-210B)は、クリーニングのみでOKだった。結構な基板とユニットの数だ。
バックライトの不点灯は、麦球が切れていた。あいにく手持ちがなかったため、LEDで代替修理した。電流/電圧値設定がLEDには大きすぎるため、定電流/低電圧ダイオード使い、LEDの許容値に制限した。ただし、麦球に常時電気を流すような回路になっていたため、スタンバイ時もLEDが薄っすらと点灯してしまうが良しとしよう。
スピーカーは埃が積もっているものの、至って健全。スピーカーエッジは布製が幸いし、劣化は認められない。
バブルラジカセの上位機種には、ウレタン製エッジを採用したものも多い。当時音質は良かったものの、ウレタンの経年劣化が激しく、原形を留めないほどボロボロになっていることが多い(登山靴のウレタン靴底と同じ理屈)。
バブルラジカセを入手する場合、ウレタン製スピーカーエッジを採用していない機種(多くは中級~下級機種)を選択した方が修理の手間は少ない(私はやらないが、エッジを貼り替えるつわ者方も居られる)。
2台あるカセットテープデッキは、入手時からいずれも動作していた。分解して駆動ゴムベルトを確認したところ、極めて状態が良かった。おそらく一度交換修理したのだと思う。ベルトはそのまま生かす。
メカ部分を分解・クリーニングし、アジマス/再生速度/録音速度を調整した。因みに録音速度の調整は、TAPE→TAPEとCD→TAPEとは別々に行う。
上の写真右下中央の2つの穴から覗く半固定ボリュームで調整する。ラジカセ前面を上にして見た時、左が前者、右が後者である。高速録音モードで調整すれば、通常録音時も結果的に調整される。
さて、電源が入らなかったりスイッチが誤動作するのは、タクトスイッチの結果が原因だ。30個もあるタクトスイッチを全て交換した。また、仮組み/調整中に不動や異常動作が散見されたため、全ての基板の全ての半田付けを粛々と修正、電池ボックスへの配線も腐食のため交換修理した。
修理完了まで延べ7日間。やはり古い機種は一筋縄では修理できない。経年数に比例し、手間と時間がかかる。もはやアンティーク/骨董の域である。
--- 分解清掃修理した や や を出品中 ---
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