今回の修理は、「 YAMAZEN Qriom CBX-4022SD SDラジオカセットプレーヤー(2007年発売) 」だ。超多機能・超低価格な山善のQriomブランドの一台だ。
YAMAZEN Qriom CBX-4022SD SDラジオカセットプレーヤー
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音響メーカーでない企業の最近の機種はどんなものかとの興味本位で入手してみた。
■ 主な故障状況と原因
■修理作業
早速分解。分解はねじを外すだけで至って簡単。筐体は、日本メーカーに多い前後分割でなく、上下分割だ。機器の大半は、上部側に設置されていた。
う~ん、いかにも中国製な作り。「動けばいいじゃん。その分安いよ」といった感じだ。廃業前のAIWAも同じような感じだった。
ICのヒートシンク(放熱板)の一つがブリキ製だ。半田付けの品質にばらつきが多い。特にコードの半田付けは目を覆いたくなる状態。
配線コードが基板を跨いで錯綜している。コネクタを抜くと、基板側のコネクタごと外れるのはご愛嬌。
電子部品の大半が中国、韓国製の中でCDユニットだけは日本のSANYO製(SF-P101N)。ビジネス優先で割り切った仕様・設計方針・部品品質・製造品質だ。
バブル経済期の日本製音響機器はエンジニアリング優先だった。これとは対極にあるのが本機種と言える。両者とも極にある点では同じとも言える。やはり中庸が良いと私は思う。
さて、カセットボタンは、プラスチックのヒンジ部が折れていた。ボタンの形状設計が良くい。材料強度も不足している。更にプラスチックパーツの成型精度も低い。
ヒンジ部を補強接合し、削って修正。稼動部にシリコングリス塗布。
稀にカセット録音不良は、動作確認のたびに頻度が増し、かつ右または左ch録音不可と一定しない。IC不良を疑ったが問題はなかった。
調査の結果、基板に直付けされている録音モード切替用スライドスイッチの半田付けと接点の劣化不良が原因だった。
スライドスイッチを分解してクリーニング。半田付けの不良を修正。
CD再生不良は、光ピックアップの劣化寿命だった。このSANYO製のSF-P101Nは、私の経験的に性能劣化が著しいものの一つだ。
手持ちの正常な中古品と交換。
半田付けは、ほとんどの箇所を修正した。300箇所くらいあっただろうか。修理にかかった手間と期間は、バブルラジカセに匹敵する。とても割に合わないことが分かって勉強になった。
この修理を振り返って思うに、日本人の気質的に、生産者としてこの設計・製造品質・価格設定は耐え難いと思う。
あぁ、今回は「ぼやき」になってしまって申し訳ない。
基、使う上で中身は見えないので関係ない!
製品としては多機能でコストパフォーマンスに優れている。このラジカセは、壊れて捨てても惜しくないと割り切って使う機種だ。ホームセンターで売ってる自転車と同じ感覚だ。駅前駐輪で撤去されようが盗まれようが、惜しくはない。(書いてて、ちょっと空しい)
--- 分解清掃修理した や や を出品中 ---
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