庇(軒)の解体作業 と並行し、不具合の再発防止の改修設計案を検討した。
○被害の原因
○原因1の対策・・・トタンのはぜを潰さないように注意して施工する
トタン板のかしめ接合部から雨水が浸入した真の原因は、「かしめ過ぎ」による 毛細管現象 だった。接合部の折り返し(はぜ)を木槌などで叩いて潰してしまったようだ。叩いて潰しさえしなければ、問題視するほどの毛細管現象は発生しないだろうし、浸入した雨水も外部に排水され易くなると考えられる。
○原因2の対策・・・よどみ板(トタン製)は使用しない
よどみ板の長所は、軒先部のトタン板を固定するために設置する。雨水の流れるトタン板表面に直接釘で穴を開けずに固定し、軒先を包むように設置するため意匠性に優れることだ。
一方短所は、一旦雨水が軒先トタン板とよどみ板の内側に侵入してしまうと、雨水が溜まり易く、かつ乾燥し難いことだ。特に両者の接合部のはぜをかしめ過ぎて潰してあったため、この短所が助長されたと考えられる(ブリキバケツの如し)。
よって、よどみ板は用いず、代わって同じ役割をする「捨板(すていた)」で軒先トタン板を固定することにした。捨板は軒先を包まずに軒先トタン板を固定できる。
○原因3の対策・・・ 水切り材「唐草」の新規設置
軒先部は下地木材に合わせて直角に折ったただけの水切り仕様であったた。このため、軒先の接合部分から雨水の浸入を十分抑制することができなかった。
よって、今回は水切り材としてトタン製の「 唐草 」を新たに設置することにした。
以上を改善ポイントとし、今回も作図ソフト「 もでりん
」を使って設計を行った。
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