42話

男子10番田辺 和晃は麻子をなおも睨む・・・。

「なんでだよ・・・なんでこんなゲームに乗っちまうんだよ・・

異常だろ!てめぇ!井澤を・・・こんな・・・簡単に・・・」

そう・・いとも簡単に・・・・。

悲鳴が聞こえてから駆けつけた時には

既に隼はこの世にはいなかった・・・。

「・・・・くそ・・答えろよ!・・・・

なんで・・・てめぇはこんなくだらないゲームに乗ってしまったんだよ?

何の恨みがあって・・・」

その時麻子の口元が歪みにやっと笑って見せた。

そしてこのゲーム始まって以来初めて口を開く・・・。

「・・・それはね?このゲームが・・・

どんな恨みがあろうと無かろうと・・・

最後の一人になるまでクラスメイトを殺害しないかぎり

生存出来ないからよ・・・

あたしは・・・そんな・・それこそくだらない

友情だの仲間だの・・・この状況で・・・・・

そんなものに踊らされて・・・・貴方達・・・

頭おかしいんじゃない?・・・クスクス・・・

谷川、辺見、西野、三浦、そして井澤・・・・

私が殺してきた・・・・

そうねぇ・・・これは正当防衛って取ることも出来るわね・・

私は悪くない・・・誰も悪くない・・・

とにかく死ななければいい・・・

私は絶対に・・・・このゲームで勝つ・・・・」

そう言うとにやけながらコルト・ガバメントをこちらに向けてきた。

そして発砲する・・・・。「ドン!」

「くっ」和晃はあわてて倉庫の角から壁に身を隠す。

「俺は・・・このゲームで負けてもいい・・・・

だけど・・・絶対に・・・絶対にこいつは・・・」

親友だった井澤を殺された和晃・・・・。

「何人も殺して罪のかけらも感じていないこいつを・・・・

絶対にぶっ殺す!!!!」そう言い切った瞬間に和晃の体は動いていた。

真正面から麻子に突っ込んでいく・・・・。

「それじゃ井澤と何も変わらないわね」

麻子は笑いながら発砲しようとする・・・・・・・・・・・。

しかしその前に和晃は突っ込みながらも

手持ちのサイレンサー付スミス&ウエスタンを

構え連射してくる。当然音はしない。

「今・・・撃ってきたの?」

ひとまず木に身を隠す・・・・・。

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「カシュ」「う!」

どうやら撃ち続けたのでスミス&ウエスタンの弾が切れてしまったようだ。

それを聞きつけた瞬間麻子は動きコルト・ガバメントを構える・・・。

「おおおおおおおお」

しかし和晃は弾切れになったそれを思いっきり投げつけてきた。

「ガッ!」

見事ダイレクトに顔面に当たった。

それと同時に撃鉄が右目に差し込んだ・・・・。

右目が潰れた・・・。

「ぎゃあああああ」

次の瞬間麻子の腹に何か衝撃が走る・・・。

「あああ!」

そのまま麻子の体が吹っ飛ぶ・・・。

和晃は銃を投げつけた次にはそこに落ちていた鉄パイプを拾い

麻子の腹に思いっきりフルスイングしたのだった。

「グホ!エホ・・・・」

倒れたまま麻子は吐いた・・・・。

しかしもうそんな余裕も無かった。

既に頭上には鉄パイプが振り下ろされ麻子の頭に直撃しそうだった。

(絶対・・・・・・・・・井澤の敵を取る!!!!!!)

                    【残り16名】




BACK

NEXT

オリバトTOP


© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: