60話

第三十一章  誰かのために




女子8番関内 麻子・・・・

彼女は今回のゲームでは人気上位者であり

その期待に応えるように当然の如くゲームに乗り

次々とクラスメイトを殺害してきた・・・。

そしてついさっき近くで銃声が鳴り響き

それに誘われるようにその場所へ向かう・・。

もちろんそれはその場にもし生徒が

残っていたらこの手で殺してしまうということだ。

夜中には自分が勝つために今まで使っていた銃を

おじゃんにしてまでも勝ち残り

そして今はサイレンサー付の銃がある・・。

さらにはボウガンも兼ね備え

ディバッグの中は多量の刃物類・・

心強い・・・

実際麻子の戦闘力はかなりのものがある

それは前にも説明したとおり

男子にも引けをとらない程だろう・・・

どんな敵が来ても自分が負ける可能性は少ないと思った

右目・・・

そう夜中に麻子は右目を失っていた。

片目を失うことがどんなことなのか麻子自身もわかっているはずだ。

それにもかかわらず自分が負けることはないと思ってる・・・。

たいした自信だった。

目的地に辿り着く前に昼の放送が掛かった。

夜の間は死人が比較的少なかったが

今回は14名から7名と

かなり減っていた。

麻子はにやりとした。

とすればさっきから鳴っていた銃声は最後に死んだ

小倉 正輝と誰かの可能性が高い・・。

今のところゲームに乗っていて

小倉ほどの不良生徒を殺せる人間は

限られる。

「津部・・・」

男子13番津部 拓也・・・・。

茂みを抜けてその場に対峙した人物。

恐らくこの人間を殺せば

優勝は確定ではないだろうか・・・

そうとも麻子は考えた

「・・・関内か」

「小倉・・と高野、塚本・・みんなあんたが殺ったの?」

それに対して津部は言葉いらずとでもいうような感じで

麻子に向けてベレッタ17Lの銃口を向ける。

「・・・俺が殺したのは小倉だけだ・・

高野と塚本は・・知らない・・

たぶん小倉が殺したんだろ・・」

麻子は冷や汗を掻いていた・・・・

余裕の表情を見せてるつもりでも

この状態はかなりのピンチだ。

先にこちらに銃口を向けられていては

対処も難しい・・・。

津部は何も言わずにトリガーに手を掛けた・・

瞬時に麻子は動き出そうとする・・・。

しかしどっちに・・・

応えは左しかなかった・・・。

右目を潰されていて潰されてない左目の側に

避けた方が安全と考えたからだ。

全身を使って左方へ伏せた。

「ドン」

銃弾は見事に外れる・・。

いや・・津部が外したのだろうか・・

右手の痛みがかさみ銃を落としてしまう。

しかし左手にはブローニングがある・・。

すぐさま麻子を狙い撃ちする。

麻子は立て続けに狙われ

それを避けるのはほぼ不可能に近い状況だった。

「ドン」

・・・・・麻子は生きていた。

津部の手からブローニングが消えていた。

ブローニングは粉々になっていた。

2人から10M程離れた木の枝にその人物はいた・・。

右手にショットガン・・左手にベレッタ・・・。

「騒がしいよ・・あんたら・・」

女子5番小柴 希莉だった。

  【残り7名】



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